テラーノベル
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夕方頃、一通りの検査が終わった。
入院してから、無くなっていった体力は、
今では歩けないほどにまでなっていった。
そのため、看護師さんに車椅子に乗せてもらいそこから移動させて貰う。
さて、入院して、俺はいったいどのくらい経ったのだろうか。
俺の病室には、小さな窓があった。
しかし、俺の身長では窓から見える景色を見ることが出来ない。
だから、季節も、時間も何も分からなかった。
看護師「それじゃあ、おやすみなさい」
看護師「今日は栄養剤もう打ちましたので」
そう言って、看護師さんは出て行った。
小さな窓からは小さく光が差し込んでいた。
きっと月明かりなのだろう。
莉犬「早く、外に出たい、」
莉犬「もう、こんなとこから出て行きたい」
莉犬「なんで、俺ばっかり、」
気がつけば、俺は夢の中にいた。
𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸夢
さとみ「あいつ、まだ帰ってこないのかよ笑」
ころん「流石に遅すぎ笑笑」
るぅと「待たせすぎなんですよ笑笑」
ななもり「ほんとだよね笑笑」
ジェル「俺の分も頑張るんやないん、?」
夢の中の彼らはそういった。
なんだか無性に腹が立って。
苦しくて。辛くて。
いらだたしくて。申し訳なくて。
気持ちがいっぱいいっぱいで。
莉犬「なんでッ…そんな事言わないでよッ」
気づくと目の前には誰も居なくて。
音も、光も、何も無くて。
空っぽだった。
𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸現実
莉犬「はっ、」
莉犬「夢ッ…か、」
パジャマは体に張り付くように汗だくで、
体は冷えきっていた。
莉犬「寒ッ…」
凍えながらも毛布を全身にまとって、
自分を守るように。
誰にもみられないように。
そっと、丸くなって寝た。
もう、近くには誰もいない。
看護師「莉犬さん、おはようございます」
看護師「ご気分どうですか?」
いつの間にかに目の前には看護師さんが居た。
莉犬「寒い」
看護師「えっと…、? 」
莉犬「寒いのッ」
看護師「ッ…!!」
看護師「莉犬さん、、声がッ…」
莉犬「え、…」
怖かった。
嫌だった。
もう何もかも捨てて逃げ出したくなった。
声が出なくなった。
そう、瞬間的に察知した。
看護師「莉犬さん、落ち着いてください」
看護師「私の声は聞こえますか?」
莉犬「こくっ、」
看護師「じゃあ、ゆっくりで大丈夫です 」
看護師「あーって言ってみましょう」
莉犬「ぁッ……」
どんだけ踏ん張っても声が出なくて。
どんなに頑張っても掠れた声しか出なかった。
看護師「医師を呼んできます…」
看護師「待っていてくださいね、」
莉犬「…」
現実そんな甘くないなんてこと、子供の時からわかってて。
心のどこかで、想像してた未来で。
でも、その未来は決して願う未来じゃなくて。
望んだ未来じゃなくて。
医師「莉犬さん、おはようございます」
医師「話は聞きました」
医師「昨日お話したものだと思われます… 」
お医者さんは申し訳なさそうに。
寂しそうに。苦しそうに。
そういった。
本当に辛いのは俺自身なのに。
莉犬「どうしてッ…」
俺の声は、誰にも聞こえない。
その現実があまりにも酷くて。
信じたくなくて。嘘であって欲しくて。
夢であって欲しくて。
どうしようもなく苦しかった。
ななもり「莉犬くん…」
気づけば、俺の前にはなー君がいて。
お医者さんはどこにもいなくて。
ただ、ずっと抱きしめられていた。
ななもり「守ってあげられなくてごめんッ…」
ななもり「苦しめてごめんッ…」
ななもり「泣かせてごめんッ…」
ななもり「ごめん、ごめんねッ…」
なー君はずっと謝ってて。
まるで、あの日のお母さんのようで。
大好きで、でも憎くて、今にも〇したくなってしまうようなお母さんだったけれど。
それでもどうしようもなく大好きで。
あの日言えなかった、伝えられなかった言葉を、 今なら言えるんじゃないかって。
ずっとずっと、思ってた。
ななもり「置いてたったり絶対しないから、」
ななもり「だから俺からも離れないでッ…」
なー君はそう言った。
ななもり「俺ともう一度夢を叶えよう。」
ななもり「俺たちなら大丈夫だから。」
ななもり「叶えられない夢なんて無いから。」
ななもり「もう1回笑って。泣いて。」
ななもり「騒いで。はしゃいで。」
ななもり「ずっと、ずっと皆といよう。」
5年間、6年間、7年間。
ずっと欲しかった言葉をなー君が俺に送ってくれた。
もう独りじゃないんだって。
教えてくれた。
なー君が俺に手を差し伸べてきたあの日は。
虹がかかる嵐の後だった。
その時彼は、俺に優しさを教えてくれた。
人の温かさを教えてくれた。
先生が教えてくれないこと。
授業で習ってないことを
沢山教えてくれた。
俺に色んなことを教えてくれたのはなー君だった。
何度だって名前を呼んでくれた。
悲しい時も、嬉しい時も。
いつだって近くにはメンバーがいた。
俺に希望を与えてくれたのは。
ご飯を食べることの幸せを教えてくれたのは。
俺に愛情を教えてくれたのは。
俺に幸せを教えてくれた人は。
他でもないメンバーだったから。
10年後も100年後も1000年後も。
何度生まれ変わったとしても。
会いたいって思えたから。
思わせてくれたから。
俺の代わりなんていくらでも居て。
そうわかった瞬間全てがどうでも良くなって。
俺の存在価値なんて所詮誰かの引き立て役にしかなれなくて。
俺は大きな人生という名のステージの上に立っていて。
でも俺はそこら辺に生えてる雑草のような、脇役でしかなくて。
光が当たらなくて。
誰にも見つけれ貰えなくて。
でも、ある日、光が見えて。
手を伸ばせば、こんなに明るい未来が見えた。
苦しいことも、楽しいことも、何度だって感じてきた。
辞めたいって何度だって思ってきた。
でも今だから言えることがある。
絶対負けない。
俺は誰よりも幸せになる。
そして、大好きなリスナーさんと。
大好きなメンバーに。
笑顔という名の幸せの花束を送るんだ。
コメント
10件
いやん投稿ありがとうございます… もう、神としか言えないんですが… 夢にさとさんでるの好きです… りぬん早く外にでられたらいいですね…!!!
やばい、めっちゃ泣けます(´;ω;`)