/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
テラーノベル
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
テラーノベル
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
ななもり「莉犬くん」
莉犬 なぁに？
ななもり「お熱あるからさ、ゆっくりしてな」
莉犬 熱あるんだ
ななもり「あるみたいだよ」
なー君は俺の口の動きで何となく会話を合わせてくれた。
莉犬 寒い
ななもり「あ、ごめん」
ななもり「もう1回いい？見えなかった」
今度はもう少し大きく口を開けてみた。
莉犬 寒いの
ななもり「あ、寒いのか」
ななもり「そうだよね、寒気かなぁ、」
ななもり「ゾクゾクって感じ？」
莉犬 こくっ、
ななもり「じゃあ、まだ上がるのかなぁ…」
ななもり「暖房つけてもらおっか、」
莉犬 ねぇ、
看護師さんの所に行くなー君の服の袖を引っ張って、必死に伝えた。
ななもり「あれ、どうかした？」
ななもり「気持ち悪いとか、？」
莉犬 ふるふる
ななもり「どうかしたの？」
莉犬 …
ななもり「言ってくれなきゃ分かんないよ」
莉犬 なんでもない
ななもり「ん？」
莉犬 なんでもないよ
ななもり「あー、なんも無い？」
ななもり「なーんだ笑、良かった笑」
本当は行かないでっていいたかった。
ずっと傍にいて欲しかった。
離れないで欲しかった。
声は出ないし。
会話は難しいし。
なー君には迷惑ばっかかけちゃって。
でもこれ以上困らせたくなんかなかったから。
何も無いふりをした。
少しするとなー君が帰ってきた。
ななもり「はい！毛布！」
莉犬 ありがと、
ななもり「暖房も着いたね！良かった」
ななもり「最近なんも無いんだってね」
莉犬 こくっ、
ななもり 「頑張ってるね、偉い」
ななもり 「看護師さん褒めてたよ」
莉犬 そうなんだ、
ななもり「近いうちに出れるんじゃないかな」
ななもり「きっと、ね？」
莉犬 だといいなぁ、
ななもり「言ってなかったんだけどね、」
ななもり「ジェル君、昨日ここ出たんだ」
莉犬 へ、？
ななもり「莉犬くんが悪いとかじゃなくてね」
ななもり「実家帰ってるんだ今」
ななもり「その方がいいだろうってなって」
莉犬 そっか、
ななもり「責めちゃダメだよ」
ななもり「2人とも頑張ってるんだからね」
ななもり「俺ねいい事思いついたの」
莉犬 …？
ななもり「シェアハウスしない？」
莉犬 シェアハウス…？
ななもり「そう、莉犬くんが外出れたらさ」
ななもり「シェアハウスしようよ」
ななもり「大丈夫そうだったらさ、」
ななもり「ジェル君も呼んで6人で」
ななもり「どう？」
優しく笑って聞いてくれた。
莉犬 いいね。それ
ななもり「でしょ！笑」
ななもり「家探さなきゃ笑」
ななもり「あ、もうこんな時間か、笑」
ななもり「あっという間だね」
ななもり「明日は誰が来るかなぁ、」
莉犬 誰か来るの？
ななもり「もう1人にはさせたくないから、」
莉犬 ごめん、
ななもり「俺ほんとに莉犬くん居てくれて」
ななもり「良かったなって思ってる」
ななもり「莉犬くんじゃなきゃなって、」
ななもり「沢山沢山思った」
ななもり「逆に言うけど、」
ななもり「俺だって莉犬くん離したくないよ」
ななもり「こんないい仲間いないもん、」
ななもり「こんなに認めてくれるんだもん、」
ななもり「大事にしたいなって思うんだ」
ななもり「莉犬くんは俺の宝物だよ」
小さい頃、俺はいらないやつだとしか言われたことがなかった。
役たたずで何も出来ないのに、食費だけは払わせて。
そんなやつだって言われてた。
友達は、そんなこと言うような子はいなかったけれど。
やっぱりなんとなく、察しちゃう子が居て。
必死に守ろう。って考えてくれてた。
俺からしたら逆にその気遣いが辛くて。
苦しくて。息ができなくなって。
莉犬くんは…ってその言葉の続きを絶対に彼らは言わなかったけれども。
俺は分かってた。気遣ってくれてるんだって。
そして、その時に気づいた。
優しさは毒だと。
優しさはまるでチョコレートのように甘くて、
忘れられない味がする。
ひとつ食べれば口の中はチョコレートの味がする。
幸せの味がする。
そして人はそれに夢中になって、目が眩む。
そして、人は甘さという毒に犯されていく。
そして人はチョコレートケーキのように、
柔らかいスポンジを滑らかなチョコレートで
纏っていく。
そしていつしか、本当の己が見えなくなる。
中にある、いちごが見えなくなる。
そうなってしまえば人は簡単には、離れられなくなってしまう。
虜になってしまう。
人はそうやって人に依存してしまう。
でも、なー君だけは、メンバーだけは、後輩だけは。
そうじゃないって信じられたから。
本当の優しさを教えてくれたから。
俺も、俺自身も大切にしたい。
そう思えたんだ。
ここにいるのもメンバーのおかげ。
未来があるのもメンバーのおかげ。
正しくない道から正してくれたのはメンバーで。
愛を教えてくれたのは後輩で。
尊敬と感謝をくれる後輩で。リスナーさんで。
莉犬 俺も離したくない、
そう言えたのは君のせいなんだ。
コメント
10件
投稿ありがとうございます 最高です 次も楽しみにまってます
投稿ありがとうございます！！ もうすごい…なんか…表現の仕方がすごく好きです… シェアハウスかぁ…少しは良くなったらいいですねぇー！ 「優しさは毒」ってよく聞く言葉でもありますけどあんまりしっかり考えたことは無かったですね また1つ勉強になりましたっ！
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ