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『 ア イ ビ ー 』
# 1
〘 瑞 視 点 〙
瑞 ⌒ あ ぁ ほ ん ま か わ え ぇ … ᡣ𐭩
少し前に隠し撮りしたこえくんの写真。
少しうわづいた声で独り言を零す。
画面を撫でるみたいに、指先が止まらへん。
… 胸の奥が勝手にあったかくなる。
赫 『 れ る さ ~ ん 』
赫 『 ぽ ら め ん で 飲 み い か な い ? 』
こえくんのアイコンが、ぱっと上に表示される。
その瞬間、自分でも自覚してまうくらい顔が明るくなって
鼓動が高まる。
丁寧に、でも急いで返事を返す。
癖で監視カメラを開いて
こえくんの服をみながら、 お揃いになるように服を選ぶ。
常にみてへんと落ち着かんのは、習慣やからやろか
一瞬たりと、こえくんから目を離したくない。
いつでも見れるから、
監視カメラは大切やんなぁ
……バレたら、引かれるんやろか。
瑞 ⌒ … 怯 え て ん の も え ぇ や ろ な ぁ ᡣ𐭩
なんて思ってまう自分は、きっともう手遅れ。
こえくんに気づいてほしくて
普段せーへんようなヘアセットにしてみてん。
どき〃と変な緊張を感じながら
集合の場所へ足早に向かう。
赫 ⌒ ぁ 、 れ る さ ~ ん ! !
ぱちっと目が合って、こっちにたっとかけてくるこえくん。
思わず、見つめてまう。
“好き”って沢山思うんに、 伝えられへん。
なんでこえくんはれるを好きになってくれへんねやろ…?
赫 ⌒ れ る さ ん ?
こてっと首を傾げてれるの顔を覗き込むこえくん。
やっぱれるのこえくんが一番やなぁ♪
瑞 ⌒ … ご め ん ボ − っ と し と っ た わ 笑
赫 ⌒ そ 、 無 理 せ ず ね
そう言って笑うと、
こえくんはもう、次の人に向き直っていた。
…少しもやっとした気持ちを閉じ込め、
にぱっと笑顔でみんな元に向かう。
赫 ⌒ ぁ れ ! く に お 髪 可 愛 い じ ゃ − ん !
橙 ⌒ で し ょ ! ?
橙 ⌒ セ ッ ト し て き た ん だ よ ! 笑
くにおの頭を触りながら、にこ〃と話すこえくん。
今日はいろんな人ちゃんとみてんねや…
れるのはいつゆ~てくれるんかなぁ♪
気づいてないわけないよなぁ
やって”れるの”こえくんやもんなᡣ𐭩
店の暖簾をくぐった瞬間、
油と出汁が混ざった匂いが鼻をくすぐる。
六人掛けのテーブル。
自然と、こえくんの隣にくにおが座る。
正面はこったんがいて、その横にゆうくんが座った。
…心臓が一回うるさく鳴る。
気にしすぎや。
たまたま、やんな。
自分にそう言い聞かせながら、
れるはくにおの横に腰を下ろした。
こえくんはメニューを広げて
「何にする?」ってみんなに聞いてる。
横顔は近いのに、
視線は一度も、れるに向かへん。
グラスが置かれて、
乾いた音が小さく重なる。
照明に反射して、
ガラス越しに自分の髪が映った。
……ちゃんと、セットしてきたんやけどな。
無意識に前髪を直す。
ほんの一瞬、期待してまう。
それでも、こっちに声はかからへんかった。
笑い声が上がる。
れるのグラスの中身だけが、少し揺れた。
ぐーっと痛む胸を、気の所為だと言い聞かせて
れるはまた、
何も言われへんまま笑った。
…今は、たまたまこえくんが隣におらん。
嫌いなわけない、たまたま。
そう思いたくて、
そう思うしかなくて。
……れるのは、いつなんやろ。
気づいてないわけ、ないよな。
“れるのこえくん”やもんな
もやっとする気持ちも、全部心の奥に押し込んで
アイドルの”Relu”で
また、笑う。
こえくんが、好きやと言うてくれた笑顔やから
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