「ミノルの気持ちには、応えられない」
「…っは、分かってたよ…」
俺は新之丞を見詰め、ニコッと笑った。新之丞は、ごめんと手を合わせていた
謝んなよ、憎たらしいな……
心は空っぽで、寂しかった。悲しかった。
「そういやお前、殿って呼ばれてたよな」
「殿って、お前凄い奴なのか」
「……あぁ、少しばかり」
「新之丞、この後どうすんの」
俺は疲れきって地べたに座った。辺りは暗くなっていた
「お前は、迎えに来てくれる奴おんだな」
知らん奴らが、俺らの間にずかずかと入ってきた
行き先もなく、俺は途方にくれるのだろうか。
「さぁ、行きましょうか。」
「……は?」
「わたくしの守護神。」
振った相手に、よくその態度見せれんなと思えた。早く、コイツを嫌いになりたい
明日…友達を失うのかと思うと、胸が痛くなる
「……ッ、くそ…、」
俺は差し伸べていた新之丞の手を掴んだ。今日は、よくコイツと手を繋ぐ。
俺の心臓の音が新之丞に届きそうで、しんどかった
「新之丞明日、何する。」
馬を、操作していた新之丞に俺はそう問いかけた。新之丞は少し考え込んでいた
「なぁ、射的しようぜ。明日」
「弓があれば、鉄砲ぐらいあんだろ」
俺はヘラヘラと笑った。明日、新之丞が居ないなんて考えたくなかったから
消えるのを拒むように、明日の予定を伝えた
「……ええ。」
新之丞の優しい声が聞こえた。もっと沢山話してくれよ…
俺は、ぎゅっと新之丞を抱き締めた。
新之丞の心臓の音が聞こえる
あぁ しんど 。