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「ぇ…?」
「ちょ…ッ」
「どうかなさいましたか、」
「いや…っ」
このメイドさん、
僕が知ってる
“メイドさん”
じゃない
体も服もボロボロ
髪だってボサボサ
服も、ボロボロどころか
メイドさんの服
って感じじゃない
継ぎ接ぎだらけの
言ってしまえば
ボロ雑巾のようだ
「黃様、お食事です。」
「ぁ、りがと…」
「..、ッ」
「毎日…本当に、っ」
「ありがとう…」
「いえ、…仕事なので」
「ねぇ、」
「はい、?」
「なんで貴女は」
「他のメイドさんたちと
違うの?」
「え?」
「働いてる場所も
服も髪型も」
「…、それはっ、」
「無理に話さなくていいから」
「いえ、」
「話させて頂きます。」
お城に
入ってきたばかりの頃
皆とても優しくて、
僕のお父様や
お母様のことも、
尊敬してたし
居場所をくれたから
感謝していた。
しかし、
ある日から
皆が距離を置くになった
理由を聞こうにも
話しかけられず
過ぎてゆく1日
王様からある時
告げられた
「君は、クビにさせてもらうよ」
と。
そんな事
許されなかった。
全てを置いて
ここに捧げてきたのに
もう何も無いのに。
「それは困りますッ、!」
「せめて、せめて..っ!!」
その結果
ここで、1人静かに
働くことになった。
「こんな感じでしょうか」
「なぜ?」
「なぜ…、とは」
「なぜ、距離を置かれたのッ」
「さぁ、未だに分かりません」(笑)
「では、黃様、」
「行きますよ。」
「行くって、どこに?」
「逃げます。」
「ぇ…、?」
「今夜、黃様は
処刑されてしまうでしょう。」
「食事を取りに行った時
聞こえてしまったんです。」
「ぅ..、そ…」
「そして私も
逃げようと思います。」
「遠い遠い国へ、」
「計画は完璧です、」(笑
「….それとも、
ここに残りますか?」
「行くッ、!」
「一緒に行きたい!」
「では黃様」
「一緒に行けるのは
ここまでです。」
「はい、」
「この先は自由に
選んでください。」
「…、!」
「それでは、」
「まって!」
「…、?」
「本当に
ありがとうございました」
「はい…、!」(笑)
「じゃあ、さようなら!」
「うんっ!」
「どこに行こうか…、」
メイドさんと別れてから
特に行くあてもなく
お金だって
そんなに持っていないし
1週間ほどは
持つだろうが、
その後
どうすれば良いのだろうか。
「はぁ…ッ、」
栄えてる村は
それなりに物価が高い
無駄遣いは出来ないから
山を超えて小さな村を目指す。
「疲れたぁ~~….」
結構登ったが、
果たして今どこら辺に
居るのだろう
「うぅ…っ」(震
春とは言えど、
夜はまだ冷え込む
流石に山は
まずかったか、
と思いつつも足を進める
「ぁ…、ッ」(フラッ
はは、
結構まずいかも。
そりゃそうだよな
牢屋にいて運動も
ろくにしてなかったし
ご飯だって
毎日食べたわけじゃ
ないから
体が弱ってたのかなぁ。
瞼がおもい…
どんどん落ちてくる
こういう時って
寝ちゃいけないんだっけ
でもすごく眠いや
あぁ、
今日は疲れたなぁ
ここで一休みってことで。