🖤side
🖤「康二」
🧡「どした?」
収録の休憩中、康二を呼んだ。
俺が唯一思い出せないメンバー、阿部ちゃんという人。
スマホの情報を遡って、頭が良くてよく出かける仲だったという事はわかった。
今は収録なんかでもボロが出ないようほとんど関わらないが、何だかずっと引っかかっている。
俺が阿部ちゃんだけ知らないと言った時の、あのみんなの空気。
俺と彼は、本当にただのメンバー同士なんだろうか?
🖤「聞きたい事があって。阿部ちゃんの事なんだけど」
🧡「おん。なに?」
🖤「俺、もしかして阿部ちゃんとなんか特別な関係だった?」
康二は俺をじっと見た。まるで言葉の真意を探っているかのように。
🧡「どしたん?急に」
🖤「いや、何か…わからないけど」
具体的な根拠は何もないから本人にも聞けないし、でもなんか引っかかってて、と説明する俺に、康二は穏やかに言った。
🧡「心配していらん。阿部ちゃんは、俺の大事な人やから」
🖤「え、あ、そう……」
康二が去った後、1人でスマホをまた遡った。
俺と阿部ちゃんの方が、どう見ても一緒にいる。たまに同じ家に帰っていたようにとれるやり取りもある。
逆に康二と俺とのやり取りに、阿部ちゃんの名前は一切出てこない。
ネットや雑誌で阿部ちゃんの評判を見聞きしても、そんなあっちこっちして不誠実な関係を築くような人ではないだろう。
康二は本当のことを言っているんだろうか?
俺はもしかしたら、とても大切な事を忘れているんじゃないだろうか?
考えていたら、急にひどい頭痛に襲われた。
🖤「…おぇ」
吐き気がする程の頭痛に立っていられず倒れ込み、探しに来た岩本くんに見つかって俺はまた搬送される事になった。
コメント
4件
康二の真意がわからんすぎる!!
康二よ…💢