TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

騎士「じゃあ、行ってきます」反応速度「うん。行ってら」

ゆゆゆ「ちょっと待ったぁー!」

魔法少女の調査の甲斐あってクゲヌマ廃道の場所を突き止めた一行。剣豪と騎士が向かおうとするが、そこをゆゆゆが止める。

剣豪「なんだよ」

ゆゆゆ「なんだよじゃないですよ師匠! 持ち物剣だけですか⁉ 回復薬は⁉」

騎士「あっ……そう言えば、いつも持っていってませんでしたね……」

ゆゆゆ「騎士! あんたも何で気付かなかったのよ! 普通は傷薬と毒消し、魔術師なら魔力回復薬は各一個ずつぐらい肌身離さず……あと野宿のことも考えて色々……」

剣豪「……ま、持っていってみても良いか」

そして剣豪と騎士はそれぞれ薬を用意した。

剣豪「……動きづらいな」

騎士「まあまあ……戦闘中は僕が持ちますから」

剣豪「……騎士。そうやって冒険者のパーティー内でいじめが起きるんだぞ。だいたい荷物持ちっていうのは……」

騎士「……?」

剣豪「もう良い。行くぞ」


騎士「……意外と慣れるとあんまり気にならなくなりますね」

クゲヌマ廃道に到着した二人。次々とモンスターを薙ぎ倒していく。

剣豪「……騎士」

騎士「なんでしょう?」

剣豪「何で俺ら、ここに入れたんだろうな」

騎士「……え?」

剣豪「ここに来た魔法少女が言うには、ここはダンジョンにしては魔力の気配が薄いんだと。そのはずなのに強力な魔法結界で守られていて、それで押し返されたと。でもおかしいだろ? そんなに強力なら、俺らはなんで入れたんだ?」

騎士はしばらく黙り込み、答えた。

騎士「僕らだけを通す……とかですか?」

剣豪「だとすれば、この先のやつは俺らに用があるらしい。そして、そんな奴、俺には一人しか思い浮かばねぇ」

奥から足音が聞こえてくる。

ヴァルキリー「さすが師匠。ご名答です」

ヴァルキリーだった。

騎士「……! ヴァルさん……」

剣豪「んで? ここまでして俺らを呼んどいて何の用だ?」

ヴァルキリー「単刀直入に申し上げます。師匠をこの手で殺す為に呼び寄せました」

剣豪「ふーん。……騎士、下がってろ。後ろからモンスターが来たら相手してやれ。あと傷薬と魔力回復薬、用意しとけ」

騎士「……はい」

剣豪「そんなしょんぼりするなって。これは俺に売られた喧嘩だ。俺が買う」

そう言って剣豪が前に出る。

ヴァルキリー「護身なんて師匠らしくないですね。そんなに私が怖いのですか?」

剣豪「いいや違ぇな、俺がやり過ぎてお前を傷物にしたらあの天使がギャンギャン言うからな」

ヴァルキリー「……面白い。絶望様のことも含めて、後悔させてあげますよ!」

ヴァルキリーの攻撃を、防御を使わず身のこなしだけで避ける。

剣豪「これだけか?」

ヴァルキリーは無言で後ろに飛んで剣豪と距離を離すと、空中で衝撃波を作り、飛ばした。地面が衝撃波の形にえぐられる。

ヴァルキリー「『セレスティアルスター』!」

光の柱が何本も立った。剣豪めがけて降り注ぐが、これも当たらない。しかし、それで衝撃波を見失ってしまった。さらに、先ほどヴァルキリーがいた場所は白い羽が舞うだけで、ヴァルキリーはいない。

剣豪の視界が晴れると、見失った衝撃波が、飛んできているのが見えた。もうそこまで来ている。そして、白い羽と共に、ヴァルキリーが現れた。剣豪の真後ろだ。

剣豪「(挟み撃ちか……! 仕方ねぇ。ジェネラル、ちょっと戦法借りるぜ……!)」

剣豪はその場で思い切り地面を蹴り、廃道の天井まで届く勢いでジャンプした。目標を失った衝撃波はそのままヴァルキリーの方へ飛んでいく。

ヴァルキリー「……!」

ヴァルキリーも後ろに飛んで回避した。ヴァルキリーの後ろ、一足先に着地した剣豪がいるとも知らずに。

ザクッ そのまま背中を裂かれ、ヴァルキリーは崩れ落ちた。

剣豪「はい俺の勝ち」

ヴァルキリーの前に回り込み、剣先をヴァルキリーに向ける。ヴァルキリーは下を向いて何も言わない。

剣豪「(ん? ……あっ! まさか俺、結構ヤバいところ行ったか……?)」

ヴァルキリーには羽が生えており、自由に出し入れすることが出来る。その根元である背中に深手を負ったということは、下手をすると羽の出し入れに影響が出るかもしれない、そういう心配は杞憂に終わった。騎士が傷薬を塗っていると、ヴァルキリーが口を開いた。

ヴァルキリー「あの……師匠? 何ですか、この状況……」

剣豪「は? まさかお前、覚えてねぇのか? 自分で俺に襲いかかったの」

ヴァルキリー「はい……? すみません……記憶が曖昧……というかほとんど無くて……」

騎士「最後に覚えていること、とかありますか?」

ヴァルキリー「えっと……天国に鍵を求めてやって来たお客様がいらっしゃって……その日が最後……確か師匠や騎士の知り合いなんですよね? ……その辺りまでしか……」

剣豪「ふーん……」

剣豪は剣をしまい、事情を説明した。ヴァルキリーの顔が、みるみる青ざめる。

ヴァルキリー「……私はなんて無謀なことを……しかもそんな大口叩いて……それって自殺に近いじゃないですか……」

剣豪「おい。俺を化け物みたいに言うんじゃねぇ」

騎士「まあまあ……それで、一度天使さんに連絡しますか?」

剣豪「いやいい。多分ここまで飛んでくるし、そうしたら俺も天使も無事じゃねぇ。一回連れて帰って、あとは天使になんとかして貰おう。ここに引き入れるならそれでも良いし、天国に帰すならそれでもいい」

騎士「……そうですね」

三人は来た道を引き返し始めた。


天使「ヴァルちゃん! お帰り!」

ホームに帰ると、天使と悪魔が待っていた。

ヴァルキリー「この度は私のせいでご迷惑を……」

天使「良いの! さ、こっち。案内するよ!」

剣豪「……まあ、こうなるとは思っていたがな」

騎士「良いんですか? 師匠」

剣豪「まあ、部屋なら有り余ってるだろ? それに、これでもう一回あいつを叩き直せる。天使に保護されたって聞いてからは何してるか知らなかったが、今日のでよく分かったよ」

騎士「(ヴァルさん大丈夫かな……)」

この作品はいかがでしたか?

16

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚