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一行が最初に向かったのは、烏帽子島のはずだった。だが、そこに灯台の姿はなかった。

まるで、初めから存在していなかったかのように――。


「……ここ、本当にあったよね……?」


観音埼の声が震えていた。


「確かに……数日前までは……」


神子元島も困惑していた。

しかし、ただ一人、部埼だけが沈黙していた。


「……何かが封じられてる。」


角島が、足元の砂を掘りながら呟いた。


「“痕跡”は残ってる。けど、存在そのものが……“引き剥がされた”ような気配だ。」


「引き剥がされた……?」


特牛が小さな声で尋ねた。


「そう。時間と空間の“繋がり”を断ち切るような――外の力。」


「それって……まさか……」


部埼がふと顔を上げ、懐中時計を強く握る。


「“逆光”だ。」


一同が息を呑む。


「それが……仲間たちを消した原因……?」


「断定はできないが、痕跡がそれを指している。」


神子元島が頷く。


「“逆光”……それは、かつて歴史からも追放された禁忌の力。時間を逆流させ、存在の因果を捻じ曲げるもの。」


「灯台たちの記憶からも消された“何か”……。」


角島は剣の柄を握る手に力を込める。


「だが、俺たちは知ってしまった。ここから先は――後戻りできない。」


特牛も、震える手で薙刀を構え直した。


「僕……行くよ。怖いけど……でも、見捨てられない!」


観音埼がその背中を見て、ゆっくり笑った。


「うん、僕も行く。もう一人も欠けたくないから!」


「進もう。」


部埼の低い声が、風の中に溶けていく。


「この“逆光”の謎を解かない限り、誰も救えない。」


そして彼らは、西へ向かった。

“失われた仲間”の記憶と、“逆光”の真相を追って――。

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