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西暦2026年 世界各地に突如現れた謎の黒き
アーチ 鉄同士が軋む不気味な轟音が市民達にとって悩みの種となっていた。
突如現れたそのアーチは安全性が不明な為撤去作業は難しく市民達の不安は更に増し政府にその不安をぶつけてしまう。国民の苦情は政府に効くが政治家達は「従順な対処を検討し行います」とおだてていたが国民の怒りは爆発、世界は混沌に陥いたのであった。
それから1年後…
「一今私がいるのはアーチの高度100m横 約60m離れた上空をヘリで飛んでいます、今の所変化は無く不気味な音をたてていますがこの音は非常に騒音で市民達に不安を持たせています。政府はこれをどう見ているのでしょうか一」
プツリとテレビが消え仮面をつけた怪しい男達がテレビメッセージでやり取りをしていた。
「本日集まってもらったのは他でもないあの”アーチ”についてだ、現在政府と専門家が謎を突き止めようと必死になっているが奴らに成果はないだろう、それでだ、我々がそのアーチを解明しようと思い調査員に偵察をして貰っているが、未だ情報が掴めない、まだ終わりではない。我々の事だ、あのアーチについては貴様ら達も何らかの情報を持っているはずだ、状況と報告を頼みたい」
一人の男が手を上げ口を開いた。
「いいか?航空部隊からあのアーチなんだが、アーチの物質は9種の未知の硬質化する物質で構成されている事が分かった、石、鉄、プラスチック、どれも似ている構造だが違う、この惑星には存在しない未知の物質で出来ている。またあのアーチに攻撃をした結果傷一つ受けないという情報が入った。」
「なるほど、硬質化する物質は未知の物質で我々からの攻撃は効かない、あのアーチを見ているとどこかに向かっているように見えるな」
「たしか、そのアーチ、数多く目撃されてないか?」と一人のふくよかな男が言った。
「確かに、あのアーチは世界で9本見つかっていてどこかに指していくようにウェーブ状になっていたな」
「失礼します!α調査部隊から通達です!アーチの目標時点がわかりました!!」
U1「指してる場所が判明したか!!」
J6「どこだ!?」モニター上に表示されたのは北部ロシア
J6「ロシア…」
U1「調査員を出すか」
E2「どこのクラスにですか?」
J6「この問題はかなり重要で深刻そして極秘レベル7の彼に頼もう、休暇中に申し訳ないが…」
E2「承知しました、直ちに連絡をし向かわせます」
東京都 羽田空港国際線ターミナル
橘「上のヤツらが急に休暇出すなんてどうなってんだ?あのアーチがあると言うのに」
荷物を持って飛行機場に向かう橘に一人の黒スーツの女性が立っていた。
黒スーツの女性「お疲れ様です、エージェント」
橘「あ?お前こっちのものか?」
黒スーツの女性「はい、恐れ入りますが上からの指示で大至急向かって欲しい所があります」橘「まぁ、こっちは急に休めって言われたもんだから暇だったし連中も気が利くね、予定をキャンセルしてくる、ついでに場所も確認したいから場所を教えてくれる?」
黒スーツの女性「誠に申し訳ないです」
黒スーツの女性は深く頭を下げ場所が書いてあるメモを渡し飛行場を後にした。
橘「場所は……ここって、まさか…ロシア!?」ロシア ナホトカ都市 アンダーソン家 門前
橘「場所はここだけど、うぅ寒っ!!」
メモ見ながら歩いていると執事らしき人物に声を掛けられる。
執事「失礼、お伺いしますが橘 大夢様でしょうか?」
橘「ええ」
執事「おお、お久しぶりです、大夢様」
橘「ジョンか?久しぶりだな、護衛から執事へクラスアップか?」
執事「はい、護衛を続けて16年それが応えシグレ様の執事へと変わりました。大夢様お仕事の方は?」
橘「上からの指示で休暇を取れだとさ、調査したいのにのんびりしろなんて残念だけどな」
執事「心中察し致します」
玄関で世間話に耽っていると奥の方から女性の声が聞こえ大夢は玄関の中を覗くと髪の綺麗な女性が胸をタオルで隠して現れた。
橘「し、シグレ!?」
シグレ「大夢お兄様?わぁ〜!!大夢お兄様〜!!」シグレ・アンダーソン 二つ名ではモスクワの悪魔、ロシアの英雄 ジーク・アンダーソンの娘で10歳にてアンダーソン家当主になった。ジーク・アンダーソンはロシアで大規模テロ組織を一人で滅ぼし誘拐された女性や子供を助けたという伝説があるシグレの年齢13歳。そして俺の親父とジークは命の恩人として、頼れる戦友として今でも仲が良く時々に飲みに行っている。シグレは大夢の胸に飛びつき強く抱き締めると身体に巻いていたタオルが取れてしまった。
橘「ちょっ…!!」
胸の感触と彼女の吐息が胸に伝わってくる、暖かくて落ち着く感覚が身体全体に刻まれている。
シグレ「お仕事から戻られたのですか?」
俺の胸から顔を上げそう言いこくりと頷くとにこりと笑顔で返されシグレはほぼ全裸のまま部屋の奥へ進んで行き俺と執事はタオルを取りシグレを追った。シグレの部屋へ案内された大夢は目の前でシグレが着替えてるのを見守りながら世間話をしていた。
橘「最近、学校はどうだ?」
シグレ「楽しく過ごしているわ、お友達が沢山出来ましたの」
橘「どんな子なんだ?」
シグレ「1人は女の子で落ち着きがあって冷静な子、もう1人も女の子なんだけどね大胆な子なの」
橘「俺を迎える時全裸で行くくらい大胆か?」シグレ「その時は嬉しかったし急だったから!!」
そう言っていると突如地面が揺れ始め廊下にいる執事やメイドが周囲の安全を確認し動き回っている事が分かった。
橘「なんだ!?地震か!?」
シグレ「………………」
シグレは黙ったまま部屋から飛び出し素早くどこかへ行ってしまった。
橘「シグレっ!何処に!!」
橘も廊下へ出ると地面が揺れながら走っているメイドや執事達によって逃がしてまった、すると執事が大きな声で俺の名を呼んだ。
執事「大夢様!!お怪我は!?」
橘「ジョン!!大丈夫だ、今の所はなしかし長いな、震源地はどこだ、そうだ!シグレは?」執事「シグレ様なら大丈夫です、なんとかしてくれます」
橘「なんとか?」
すると蠢く地面は落ち着きを取り戻したかのように揺れをやめると部屋のテレビから緊急地震速報が流れ始めた。
橘「どうなってる?」(まさか、あのアーチか?それにあの執事が言ってた事、シグレがなんとかする?どういう事だ?彼女は13歳あの子に何が…)すると薄暗い奥の方から微かな歌声が聞こえはじめた。小さくか弱い声量だが引き継がれるように奥へと足を運ばれてしまう。地下室らしき場所に着いた大夢は辺りを見渡しながら歌が聞こえる方へ歩いていくと歌声が大きく聞こえはじめた。忍び足で近寄り目の前に青い光が漏れている部屋に着くと歌声は大きくハッキリと聞こえ声の主がシグレだと分かり部屋を覗くと青白い閃光を放つ球体に向かってシグレがぶつぶつとなにかを囁いていた。
橘「シグレ?」
シグレ「……………」
おかしいと思った時、背後から気配を感じ振り向いた瞬間首から強い衝撃を受けると意識が遠のき最後に見た景色にはぶつぶつとなにかを言っているシグレと執事だった。
橘「な、なんで………」
意識が戻り目をゆっくりと開けようとすると人の足音が聞こえすぐさま目を綴じる、ふと目を開け周りを見落とすと屋敷の部屋にいるのがわかる、立とうとベットから起き上がり部屋の扉を開けた。ドアノブが重く感じ扉を開くと目の前に執事が立ちはだかっていた。
橘「ジョン…」
嫌な記憶が蘇る、広い空間の地下室、ジョン、気絶、青白く光を放つ球体、シグレ…そうだ!!シグレはっ!?シグレはどうしたんだろうか、目の前にはジョンがいる、聞くか。
執事「大夢様、おはようございます、よく眠れましたか?」
橘「ああ、お蔭さまでなジョン」
二人の中では闘争心が湧き、胸ぐらを掴んで足で顎を蹴りたくなったがその欲を抑え橘はシグレがどこにいるか質問した。
執事「シグレ様ですか?シグレ様は今自室でお勉強中です」
橘「会ってもいいか?」
鋭い目付きで質問するとジョンも鋭い目付きで見返す。
執事「いいでしょう、大夢様」
橘「なんだ?」
執事「あまりお屋敷を廻るのは控えてください、背後から誰かに襲ってくるという噂がありますので」
橘「ご忠告感謝するよ」
背後を警戒しつつ部屋を後にする、長い廊下を歩いているとシグレの部屋の前に着いた、扉をノックしようと近寄ると違和感に気づく扉が少し空いている?そしてそこから聞こえる誰かの泣き声静かに扉を開けると床一面に本の切れたページが散乱して床が見えない状態にそしてそこにしゃがみ込みすすり泣いているシグレ…
橘「シグレ!!、どうしたんだ!?」
シグレ「わからないの」
一体どういう状況だ?散らかってる部屋にすすり泣くシグレ
橘「錬金術でも使ったのか?」
シグレ「いいえ、でも声が聞こえるの」
橘「声?」
シグレ「悲しむ声なの、苦しい、助けてって毎日聞こえるの…」
橘「いつからだ?」
シグレ「1年前…」
橘「一年前?最近じゃないか、」
シグレ「お父様からこの”龍ノ書物”をもらってそれを読んだら声が聞こえて、誰に言っても信じてもらえなくてどうしたらいいんだろうと龍ノ書物を読んでたら書いてあったの彼女を救ける方法が…」
シグレがそう話しながら古い本を取り出し俺に見せてきた、かなり劣化しているのか本のカバーは茶色く変色し、ページをめくると古代の文字がびっしりと書かれていた、全く読めない文章では無いのが怪しいところだが、これは本物、嘘のように思えないほどびっしりと書かれている。文字は日本語のカタカナがチラホラあり、ロシア語、マレーシア語、英語、ハングル文字が多く後は古代の言葉が多い、これを読み取る事が出来るなんて俺の所だと早くても6年遅くても17年必要になるぐらいの解読不能な物だ。
橘「シグレ、聞きたいことがあるんだがいいか?」
そう言うと小さく頷くシグレ
橘「昨日の昼過ぎ地下で何してたんだ?」
シグレ「彼女を起こす儀式してたの」
橘「儀式?」
シグレ「彼女を起こすには9本のアーチを起動させる必要があるの」橘「起動させるとどうなるんだ?」
シグレ「9本のアーチが起動したらアーチ付近の生命体は生体エネルギーを吸われて彼女の養分になるの」
まずい状況だ、彼女は恐らく禁忌の書物に手を出したのであろう。
橘「彼女が起きたらどうなるんだ?」
シグレ「……わからない、この本に書いてあるのは凡てを浄化する竜が現れ世界を終焉から治し人々から崇められるって書いてある」
橘「彼女の名は?」
シグレ「アシナス…」
名を呼ばれ答えるように突如地面が激しく揺れ本棚に並べられている本が地面に散らばり本棚がシグレに向かって倒れ出す、橘はシグレを抱きかかえて回避し扉を蹴破り廊下を出る抱きかかえながら外へ向かって走っていると窓側から空の色が豹変し気味の悪い色へとなっていた。外へ出る事が出来た橘はシグレを下ろし辺りを見渡した。
橘「これは、一体…」
シグレ「アシナスが目覚めたサインだわ」
すると橘の携帯から着信音が鳴りそれに応え携帯を耳に当てると上の者の声だった。
J6「私だ、現在の状況は?」
橘「J6…空を見てみろ、わかるはずだ」
J6「なんだ、この景色は!?」
橘「状況を伝える、目的地に到着、アーチの正体それは未確認生物アシナスを蘇らせる為のアーチでアーチ付近の生命体が原料なようで」
J6「それで、そのアシナスはどこにいる?」
橘「わからない」
するとシグレが指を空に指し指した方向へ視線を送ると真っ黒なドラゴンが上空を舞っていた。
橘「あれが、アシナス?」
シグレ「違う…」
橘「えっ?」
シグレは何が起こったか理解出来ず呆然としていると執事のジョンが近寄り声をかけていた。執事「シグレ様!!、あれは…」
橘「ジョン!!」
俺はジョンの胸ぐらを掴みその場で尋問した…
橘「あれはなんだ!?シグレに何を読ませた!?答えろ!!」
執事「大夢様、落ち着いて!!」
橘「お前が気絶させたには理由があるんだろ!?答えろ!!ジョン!!」
怒りの声がジョンの耳を貫く、ジョンはぐったりとしゃがみ渋々応えた。
執事「あの本は龍の書物、あれを解読し終王龍、アシナスを召喚すれば世界は終演と絶望を齎す。かつてアンダーソン家の1代目ロナウド・アンダーソンが龍騎士になって終王龍アシナスから世界を守った英雄、ロナウド様はアシナスの力が恐ろしく倒す事は不可能とわかり本に封印を行ないそこに閉じ込めた」
橘「あの本のことわかってたのかじゃあなぜ止めなかったんだ!!」
執事「怖かったんだ、アシナスは本であって本じゃない、シグレ様が声を聞いたと言って信じたくなかった、それにアシナスの書物は二つある一つはアシナスが希望の龍だという洗脳の書物とアシナスの封印と召喚してはいけない禁忌の書物があり、それを誤って洗脳の書物を屋敷に残してしまって禁忌の書物は洗脳の書物と思ってしまって処分してしまった」
橘は胸ぐらを掴みジョンの顔を強く殴り吹っ飛ばす、口から血を吐き左前歯が取れ左の目元は青く腫れ上がり身体は震え情けない声で泣き始める。
執事「うわぁぁああ!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!許してくれぇぇ!!」
これは相当参っているな、再び振るおうとした左拳に力を抜いて殴るのを止める。今こいつを殴ってもどうにもならない、なにか打つ手は無いのか、シグレの方を見るとシグレは呆然としながら空を見上げている。
ジョンは使い物にならない、するとアシナスの方向から耳を引き裂く駆動音が広がり空を見上げると戦闘機がアシナス周辺を飛び回りながら射撃していた、戦闘機の羽にある国籍マークを見るとイギリス、ロシア、ドイツ、中国などのマークがちらほら見つかり国籍マークの隣にEPSのマークが付いていた。
希望が見えた、だが相手はあの巨大なドラゴン榴弾がアシナスの身体を剃るように当てるが効果は無くどうしようもない状況に見える、早く手を打たなければ世界が終焉を迎えてしまう、そう考えているとシグレが生命体の書物を取りページを開くペラペラとなにか探しているかのように開いていくとあるページに目をやる、橘はページの中身を覗くとそこには人間と龍の力を融合させ龍騎士を創るというカルト宗教な儀式が表示されていた。
橘「龍騎士、龍の書物のページ一枚と生きた
人間、そして呪文…パッと見れば狂ったジョークにしか見えないが、誰かが龍騎士になってあの終始龍を倒さなくちゃいけないのか」
隣にはシグレが俺の顔を真っ直ぐ見つめる。
橘「覚悟はいいってか?世界を救う為ならこの命を捨てる覚悟はある、シグレやってくれ!」シグレの前に立ち背を向け終始龍を見つめる、シグレは本に書いてある文を読みぶつぶつと呪文を唱えはじめる、龍の書物のページを一枚破き橘の背中に向けて離すとページが燃え無くなると橘の背に呪文が刻まれていく
橘「うぐっ!」
痛みがあるが気にはならない、ふと辺りが紫色に輝き足元に六芒星の円が広がり身体全体に蒼白なガラスの結晶が橘を覆い隠す。
橘「動けない…」
腕を上げようとするがビクともしなかった。
身体中が謎の違和感に包まれる、身体が龍騎士に変身してると分かる。
すると脳内に謎の声が聞こえてきた。
???「ニンゲンヨ…」
橘「あ?」
???「ニンゲンヨ…オマエニトッテイノチトハナンダ?」
橘「命?命とは生きる為に必要な消えない燃料、かな」
???「オモシロイコトヲイウナニンゲン、オマエナラタクセルカモシレナイナ、カノジョヲタスケテアゲテクレ」
謎の声がそう言うと視界が白い光に包まれると身体の周りに着いていた結晶が弾け飛び結晶が大地に触れ溶けだし染み込むとその地に蕾の花が急激に成長し辺り一面咲きはじめた、自分の目線が少し上がったのがわかる、
身体が軽い右手の平を開けると剣が出現する、剣を眺めているとアシナスがこちらに気づき殺気を放つ、後ろにいるシグレは腰を抜かしジョンは発狂し頭を押さえてしゃがみ込み震えていた。俺が殺気を返すとアシナスが怯んだ、図体デカいドラゴンが小さな騎士にビビるという。俺はシグレの方を向き小さく頷くとシグレも頷く
橘「反撃開始だ」
空に向かってジャンプし滑空を使ってアシナスに近づくだがアシナスの距離は遠い、ガシンッ!!と金属がぶつかる音が足元から聞こえ下を見ると戦闘機の上にいた。
橘「これは、」
EPS戦闘員「橘さんだよな!1人じゃいけないだろ?あのドラゴンに向かって飛ぶぞ!」
橘「助かる」
EPS戦闘員「掴まってろ!!」
戦闘機が空を裂く程スピードが上がり吹っ飛ばされないよう足で踏ん張る。すると戦闘機の横を謎の紫色のレーザーが通る。
EPS戦闘員「あのドラゴン攻撃してきやがった、あの攻撃を避けながらの特攻は厳しいレーザーが来たら剣でガードしてくれないか?」
橘「ああ!」
アシナスから来る無数のレーザーを出来る限りかわしながら距離を縮め避けれないレーザーは橘がガードしていた。
EPS戦闘員「よしっ!こっちの射程距離になった!」
そう言うと戦闘員は榴弾をアシナスの身体を舐めるように撃ちまくる、アシナスには榴弾が効かない橘がそれを伝えると戦闘員は小馬鹿するように言った。
EPS戦闘員「まぁ、見てな」
再びアシナスの身体を見た瞬間、激しい爆発が連続で起こり爆煙から青い稲妻が走る、この攻撃は一体
EPS戦闘員「我々独自で開発した新兵器、”雷撃龍弾”橘さん!あいつの所に行く前に下に着いている雷槍を落とす、それを持って行ってくれ!」
橘「今の攻撃が効いたから使えってか、わかった!有難く頂戴する!」
橘は戦闘機から飛び降りそれと同時に雷槍を手に取る滑空中に飛んでくるレーザーを交わしながら距離を縮めていく、そして目の前にアシナスのこめかみが見え左手に力を入れそこに向かって雷槍を離した。
橘「うおおおおぉ!!!!」
雷槍は音速を超え命中アシナスの頭から青い稲妻が激しく揺れ動く、灰色の煙が消えると割れた頭の方から蒼白な結晶が見える、橘は結晶へ近づくと脳内に呪文のような歌が聞こえてくる、それは近づく度に大きく聞こえ見た事無いドラゴン達の姿がフラッシュバックで映る、そして結晶の目の前に立ち手を結晶に添え自然と頭の中から出てくる呪文を唱える、女性の悲鳴とドラゴンの鳴き声が同時に聞こえドラゴンの身体は白く光だした。アシナスの身体が光り出すと9本のアーチは消えた。手を下ろすと結晶が熔け中から女性が出てきた橘はそれを優しく抱きかかえてその場から離れた。草原に着地すると上空に戦闘機が通過する。
EPS戦闘員「こちらデルタ対象を捕獲…RTB」
それから1週間後…世界に多数目撃されていた9本のアーチは姿を消し人々は何故消えたのか疑問に思っていたが時が経ちそれをもう忘れまた平和に過ごしていた。
南極大陸 EPS大地下本部「アルカディア」
AI「ICカードを挿入してください」
AI「挿入完了、ようこそEPSへ」
スっと開く扉を通りスタスタと急ぎ足で向かう、重要な会議を遅れてはいけない。
シグレ「大夢お兄様〜!!こっちこっち〜!」
こちらに向けて手を振るシグレ奥部屋に入ると会議室の中には多数のモニターが設置されていた。
橘「はっ!流石に南極まで来れないか」
シグレ「南極に来れるのは上の方か私たちだけだよ?」
シグレがはにかんだ笑顔で言う、こちらもそう答えるように笑う、モニターの電源がつき画面からは各地の国のトップとEPSのトップが仮面を着けた状態で映っていた。
J6「みんな、良くぞ来てくれた」
5b「なんかまた”ドラゴン”が出現したんだって?」
橘「なに?」
辺りがざわつく当然だ、前の件でアシナスが出現し落下した肉片やレーザーの被害で苦情が多数あり政府も対処に追われている中、また大きい被害があると色々と面倒なる。
J6「静粛に、では本題に入る」
J6「最近、世界各地に多発に起きてる地震があるのは皆も知っているな?」
4W「有名だからな、関東関西同時大地震マグニチュード5.0九州の方はマグニチュード9.0それが同日で同時刻に起きた事やアメリカの事とかな」
J6「その通り、人工地震ハープではないかと疑ったがこれを見てくれ」
モニターに写っているのは火山にある溶岩だまりそこになにやら蠢くものが撮られていたしかもそいつが動き溶岩の中へ潜ると火山は揺れ溶岩が吹き溢れた危険を感じた撮影者は逃げるように走り映像は乱れ途中で切れた。
橘「あれは…」
J6「エージェント知ってるのか?」
橘「ああ、アシナスのコアに触れた時に一瞬だがそういうドラゴンの姿を見た。名は分からないが…」
すると後ろの方から声が聞こえ全員が振り向くとそこにはダボダボのワイシャツを着た黒髪ロングの少女がこちらに歩いていた。
アシナス「彼女の名はボルカディオス私の妹よ」
5b「おい、誰だこいつは?」
橘「アシナス!てかそれ、俺のシャツ…」
J6「どうしてここに!?収容部屋に行かんか!職員は何をしている!」
橘「落ち着いてください彼女にもう害はありません、彼女と私たちは今では仲間です」
J6「仲間?」
橘「ええ」
5b「裏切るかもしれねぇぞ?」
4W「そうだ、そうだ!」
アシナス「貴方達が言わないでくれる?私は貴方達の様にゲスな人間じゃないのよ」
4W「何っ!?」
5b「もう一度言ってみろ貴様!!」
9z「じいさん落ち着けよ」
J6「静粛に!ではアシナスさんどうぞ」
アシナス「ありがと、あれは滅烈龍ボルカディオス略してカディ私の68下の可愛い妹よ、あのアーチが出現し私達姉妹は深い眠りから覚めたの、シグレちゃんの歌声によってね」
シグレ「起こしちゃってごめんなさい」
アシナス「いいのよ」
橘「J6彼女が撮られた場所は?」
J6「場所はインドネシア サンガル半島にある火山タンボラ山だ、1815年大噴火を起こして以来エネルギーを溜めて続けている山だ」
アシナス「カディはエネルギーが高い場所を好んで住むわ」
橘「彼女がエネルギーの高い場所を取ったら世界はどうなる?」
アシナス「彼女がエネルギーを吸ったら地脈を使って移動するわ、移動する度に毎日地震が起こるわね震度5強くらいかしら、その後溜めたエネルギーを口から思いっきりブレスのように放出する、世界は火の海に包まれるわ」
橘「そんなに恐ろしいのか」
シグレ「まさか、世界を終焉に齎す龍が他にもいたなんて」
アシナス「カディと同じようにあの娘も起きたはず…」
橘「誰の事だ?」
アシナス「それはまだ言えないわ、お楽しみは最後に取っておかないと、ね♪」
彼女は俺の口元に指を当て見つめる、シグレは少し頬を赤らめ顔を隠していた、俺は顔を横に振り引き離す。
J6「ではエージェント、滅烈龍ボルカディオスの調査を頼む」
橘「了解!!」
インドネシア サンガル半島 タンボラ山付近
橘「暑い、なんて暑さだ…」
シグレ「大夢お兄様〜み、水〜」
アシナス「ひ弱な人間ね、でもこの暑さはおかしいわ…カディ大丈夫だといいんだけど」
三人はタンボラ山付近を歩いていると低い轟音が島全体に響き渡った。
橘「なんだっ!?」
島全体が動かされているような揺れ方シグレは思わず尻もちを着いてしまう。地面は裂け底から溶岩が吹き始める。近くにある森が燃え危険な状況に豹変してしまう。すぐ様その場から離れようと火のない場所に向かって走っていると、洞窟を見つけそこに避難することが出来た。
橘「何だったんだ?あれは」
シグレ「でもここまで来れば大丈夫みたい」
アシナス「そうね、目的地まであと少しよ」
するとアシナスが指を指す場所に目を向けると奥の方に微かに光が漏れていた。
橘「あれは…」
アシナス「行きましょ」
アシナスの後を二人で追っていく、奥地へ進むと地面はあるがそれ以外は一面上溶岩が広がり地面の隙間からは溶岩が吹いていた。
シグレ「さらに暑くなってません?」
橘「こんな広い洞窟があるなんて…」
すると地震のような揺れが橘達を動かし溶岩の方では流れが速くなると徐々に溶岩が膨れ何かが飛び出した。
橘「なんだっ!?」
大きさで例えると体育館程の巨体で力強い前脚を使って大地を踏み引きずられてる尾は地を削る程の重さ、顔は太く鋭利で立派に生えた下牙が圧をかけてくる。
アシナス「カディ…」
橘「あれが?」
ボルカディオス「ゔゔゔゔっ…」
シグレ「大きい…」
アシナス「あの大きさは、相当エネルギーを溜めているわね」
橘「いつ満タンに?」
アシナス「後1日で満タンかしら、そうなったら、ここと世界が火の星になるわ」
橘「止める方法は?」
アシナス「彼女のエネルギー補給を止める事は出来ないわ、でもあなたの能力”封龍”は私の一部そして”龍騎士”なら攻撃していればエネルギーを逃がして弱体化させる事が出来るわ」
橘「龍騎士か…」
アシナスを回収して3日後に龍騎士テストを行い何回か上手くいったが失敗もあった。そこが心配だ、あまりネガティブに考えてはいけないと思うが人間ネガティブ思考が強くてポジティブ思考が出来ない。そう考えているとシグレが俺の肩を叩き後ろから抱きついてくる。
シグレ「大丈夫、お兄様ならできるわ」
アシナス「さぁ、早く彼女を」
アシナスが細い手を差し出す。手に触れると脳内にボルカディオスの弱点らしきものがフラッシュバックで映り出される。
橘「これがっ!…わかった、いってくる」
橘「エンゲージ!!」
身体の周りに結晶が連なり囲うそして白紫に輝くと周りにある結晶が粉砕し粉々になる、そして身体は騎士の様な鎧に大きく立派な剣を握りしめ赤い目が光る。マントは靡き鎧から高音の鉄の音が歩く度に木霊する。
橘「………」
剣を右手に左手はランタンそしてゆっくりとボルカディオスに近づくすると先程のボルカディオスとは違く一歩下がり喉を鳴らして威嚇していた。
シグレ「す、すごい、あんな小さいのに怯えてる?」
アシナス「あれは私の憎悪と憤怒、悪意だけを吸収した姿だからどんなモンスターでも怖がるわ」
シグレ「え?」
橘「どうした?ボルカディオス、恐いか?」
その言葉に反応するかのように遠吠えを上げ牙を向けて襲ってくるカディそれを華麗にかわし横腹に蹴りを入れる。怯んだ隙に頭部に向かって刃を強く叩き入れる、こめかみが裂けると裂け目からアシナスと同じ結晶が見え広げようと裂け目を左右に引っ張るとカディが暴れ振り払われる。
ボルカディオス「うぉぉぉぉああ!!!!!!」
頭の裂け目から紫色の体液が噴水の様に溢れ出す。橘はもう一度カディの頭に飛び乗り裂け目から見える結晶に手を翳すと脳内にまた見た事ない記憶がフラッシュバックされる。見た事ないヒト達、見た事ない戦争、見た事ない災害。視界が良くなり手に違和感を感じ下を向くと紫色の体液に塗れた少女を抱えていた。周囲を見渡すと溶岩は黒曜石へと変わっていき蒸し暑さは無くなり涼しい環境に変化していた。
シグレ「お兄様!!」
アシナス「カディ!!」
後にEPS調査部隊が駆けつけてくれカディを回収、インドネシア政府はEPS財団に感謝の会見などが行われEPS財団の知名度は少しだが上が
った。
それから二年後…薄暗い部屋の中、ベッドで寝ている橘は悪夢を見ているのか、酷く魘されていた。見た事無い戦場、次々と倒れていく人達、激しい爆風と耳の鼓膜を破くような銃声そして人間達の前に立ち塞がる一人の人影とその背後からは多数の化け物が人間達を貪食している姿そして微かに聞こえる謎の声
???「お前の力はアシナスの憎悪と憤怒だけの力、お前は利用されていたのだ、彼女を救う事など出来ん」
日本 S県 エリア24に謎の巨大竜巻発生、住民の方々は至急避難して下さい、繰り返します。警報音が山や民家に響き渡る。
住民「どうなってんだ、こりゃ」
警察「危ないです!早く避難してください!」住民2「おい!あの雲の中に何かいるぞ!」
住民「なんだ?」
警察「う、嘘…だろ?」
空を見上げると雲の中には雷鳴が轟く中黒く映し出される巨大な龍が体をくねらせながら移動している姿が住民達の目に映っていた。
日本 沖縄 EPS第三海洋研究所
広川「橘、この一週間休め」
突如部屋に来た広川は何を言うかと思えば休めという言葉だった、橘はぽかーんと点を見つめる様子で広川を見てると広川が少し頬を赤くしながら口を開いた。
広川「お前最近調査に忙しいだろ、少しくらい休んだ方がいいと思って上から聞いて許可を得たんだ」
橘「休みなら週に一日貰っているが」
広川「それじゃ疲れが取れないだろ、ここは先輩の言う事を聞くべきだ」
橘「は、はぁ」
そう言うと広川は清々しい顔で部屋を後にした。
橘「あいつ、俺より歳下のくせに…」
すると橘の携帯が鳴り出てみると以前お世話になった人からの誘いだった。今日から休みだし断る訳にも行かない、これは受けおった方が適切だなと判断しその人からの誘いを受けた。
その人に会いに行くために2時間車を走らせ更に船を使って2時間使って目的地に着き海岸へ歩いているとこちらに手を振る一人のおじさんがいた。
田中「橘さ〜ん!橘さ〜ん!」
手を振りながらこっちこっちと呼び求める田中、橘は田中の側へ駆け寄り話を聞くと田中の後ろにある建物は温泉になっていてそこで疲れを取れると説明してくれた。しばらくして、温泉に漬かり疲れを取っていると廊下側が騒がしくなった、人の焦り声、足音などが木霊していた。橘はすぐに温泉から出て廊下のガラスから外の様子を伺うと空は曇り風が強く吹き旗が激しく揺れていた。雷が雲の中に鳴り響く中、雷が出す閃光に薄ら黒い影が蠢き出す。
橘「あの影はっ!」
アシナス「彼女が最後の龍よ」
横を振り向くとアシナスが立っていた。
橘「アシナス?なんでお前がここに…」
アシナス「今は話してる暇はないわ」
アシナスは橘の耳元に近づき小声で”行って”と囁くと姿を消した。
???「お前の力はアシナスの憎悪と憤怒だけの力、お前は利用されていたのだ、彼女を救う事など出来ん」
夢の中で聞こえたあの声がふと蘇る、利用…彼女は何をするつもりなんだ?そう考えながら着替え外へ駆け出した。上空には既に自衛隊がヘリを使って威嚇射撃を行なっていた。威嚇射撃から本格的に攻撃を行う自衛隊、しかし彼らの弾は龍から発する風によって弾かれていた。
橘「自衛隊の弾をっ!?」
自衛隊員1「アタッカー1弾が当たりません」
すると龍の口から見えないレーザーが空を切り自衛隊のヘリはすぐ墜落させられた。
アシナス「彼女を止めることは出来ない、彼女は本能で動いているの」
橘「本能?」
アシナス「私やカディは龍ノ書物の呪いに操られていただけ、だけど彼女は違う」
橘「彼女の名は?」
アシナス「天乃神」
橘「アマノガミ?」
その名を口にした時一人の老人がこちらに話しかけてきた。
老人「アンタ、今天乃神様の事言ったか?」
アシナス「知り合い?」
橘「いや、知らない」
老人「ワシはこの村に長年住んでいる者でな、ここは知っての通り神様達が集まる島なのじゃ」
アシナス「まさか…」
橘「どうした?」
アシナス「あなた、天乃神の事知ってるのね?」
老人「ああ、知っているよ」
アシナスは老人の両手を握り顔を近づけ教えてと言うと老人は喜んで教えてくれた。
老人「天乃神は天候を操る禁忌の龍として恐れられていた、昔は人間を愛していた優しい龍だったが人間達は天乃神を戦争の兵器として使おうとした、それを知った一人の騎士がその事を天乃神に言うと天乃神は怒り狂い人間達を滅ぼそうとした、じゃがその状況が非常にまずかったのか、他の龍達が神様にチクリよったんじゃ、神様達は天乃神の暴走を止めるよう必死になったんじゃが天乃神には適わなかった、神様達は二匹の龍と一人の騎士に書物を渡した、その書物とは龍を人へと変え力を封印するという書物じゃった。」
アシナス「2匹の龍と…」
橘「一人の騎士…」
2人はお互いの顔を見つめ再び老人の話に耳を貸した。
老人「二匹の龍が天乃神に事を終わらせようと必死に戦い、お互いがボロボロになるまで戦い尽くすと一人の騎士が書物のページを一枚切り取り天乃神へと走って行った。そして奇跡が働いたのかその騎士は龍へと姿が変わり天乃神の心臓に牙を入れ封印した。」
橘「そんな話があったとは…」
アシナス「神を殺した神龍、まさか天乃神だったなんて…」
すると上空から戦闘機が5機飛び周り射撃を行っていた。
老人「無駄な事を…ライオンになった蟻はもう怖いもの知らずじゃ、今更奴が怖がるものなどあるはずが無い…」
アシナス「橘さん」
橘「ああ、エンゲージ!」
神集島上空 EPS特殊戦闘機
B「Alpha1ターゲットを確認」
Alpha「こちらAlpha1行動を開始しろ」
B「了解、こちらbravo行動を開始するCharlie1、Charlie2、dog1、dog2遅れるなよ、エンゲージ!」
5機の戦闘機は天乃神の頭にスモークミサイルを発射しスモークが天乃神の視界を奪わせるとそこから青い稲妻が光出した。天乃神は咆哮を上げ体を曲げてスモークを風圧で消した、その威力は凄まじく台風が来たような勢いだ、駐車してる車が中を舞い人は飛びどこかへ飛ばされたと思えばビタン!と鈍い音が時より聞こえた。橘は姿を変え空へ向かって飛んだ。雲がまるでカーペットのような空間に出ると天乃神が体を丸めてこちらを睨んでいた。
天乃神「グウウウ…」
橘「お前が天乃神か…」
見た目は巨大な龍で手と足には羽のような膜が張っており背中には背鰭のような大きな鰭があった。しばらく見つめ合っていると後ろから駆動音が聞こえ始めた。後ろを振り向こうとした瞬間後ろからミサイルが横切り目の前にいる天乃神の顔に当たった。戦闘機が下へ滑空している姿が見えマークを確認すると
橘「この高度に戦闘機を飛ばせる事ができる所は間違いなくEPSだ!」
EPS戦闘員「こちらEPS、特殊部隊balance総理からの全武装解除令がくだされた。これより射撃を行なう。」
とオープン回線で言うと四方八方からミサイルや榴弾が天乃神を襲った。橘はこの場を危険と判断し下へ降りる。
EPS戦闘員「選手交代だ、ここは任せろ!」
戦闘機が激しく空中戦をしてる中、橘は龍の書物を読んでいた。
橘「シグレから借りたがまさか天乃神を封印する事ができる札だとは…」
アシナス「あの子の力は風と龍力よ」
次々とページをめくっていくと龍に関する情報が載っているページへたどり着いた。
ページには龍力と制御という内容だった。
龍力に他の龍力を与えるとその龍は結晶化し全機能停止する。という事が書かれていた。
他の龍力…と考えているとアシナスが言った。
アシナス「私があげた力をその剣に集中させて刺すのはどうかしら」
龍騎士になると剣が生成されるので確かにと思いすぐ様行動に移した。
剣に全ての力を集中させると剣が次第に大きくなり刃のひびから赤色の光が蠢き出す。
橘「お、重い…」
アシナス「ちょっといい?」
そう言うとアシナスが俺の剣に手を当てると剣先が重く感じると力が漲る感覚をかんじた。
橘「おおっ、凄い…これが」
するとアシナスが倒れ橘が慌てて抱き抱えるとアシナスは微かな声で言った。
アシナス「私の…力…全て…捧げたわ…あなた…行っ…て…お…願い…」
するとアシナスの瞳から徐々に光が消え目閉じた。
橘「うああああああ!あぅあああああ!」
声が枯れるまで叫び泣き彼女の手を握り頭を軽く撫でたすると激しく聞こえてくる声
???「ほら見ろ!お前には彼女を救う事など出来なかった!」
???「お前の力は所詮貸された力でしかなかったのだ」
???「お前は無意味だ!」
???「お前は救えなかった!」
???「お前は間違っていた!」
???「どこへ行くのだ」
橘は右手に赤黒く光る大剣を引きづり左手に札を持って歩き出した。
橘「終わらせに行く」
身体から流れる血液が赤黒く輝き目の色は
一瞬爬虫類のような形になっていた。
???「貴様っ、人を捨てるつもりか」
橘「そろそろ正気に戻らないとな」
???「待てっ!やめろ!」
覚悟を決め自分の幻聴を置いて重い足を動かし歩き続け天乃神が暴れている海岸へ着く。
海岸では人や車両があちこち散らばっていた。
天乃神は橘を見つけると雄叫びを上げ真っ直ぐ突進してくる。
顔を地面に突っ込む天乃神、橘は天乃神の頭の上へ歩き札を頭に置きその上から大剣を頭に深く刺す、天乃神はもがきながら空へ登り頭に刺さった剣を払おうとするが深く入っている為か中々取れず最後は衰弱しながら海へ沈んで逝く橘は浅い海辺に落ち一命を取り留めた。
目の前にヘリのライトが見える横を振り向くと海の色は赤黒くなっていた。
救急隊員の声や無線の声が聞こえ私の意識は闇へと沈んだ。
西暦2026年から2028年そして2030年に続いたメディアはこの事件を「龍ノ軌跡」と名を付け皆今後触れること無く幕を閉じた。