何回も殺してと言いよってきた死にたがりな🌸を今ボクは首を絞めている。彼女の脈が手のひらに伝わってくる。彼女の顔はどこか苦しそうでそして嬉しそうだった。脈がやっと止まったあと、ボクはそっと手を離した。本当に殺してしまった。今まで感じたことの無い恐怖と虚無感がボクを襲ってくる。彼女はもういないのだと、この体はただの空の入れ物なのだと感じた。彼女の肌は少しボクの体温よりも冷たく、何時間だって触っていられた。だんだんと、彼女の体が硬く、冷たくなっていくのを傍で感じていた。彼女を手にかけたのは真夜中だったのに気づくともう夜明けになっていた。ボクはまだ彼女の死を受け入れられない。彼女の死を受け入れなければならないのに。ボロボロな精神でボクは彼女に最低な言葉を送った。
「ボクなんて死ねば良かった…♢」
ガラスの管のような今にも壊れそうなもので毎日を生きているが、やはり彼女がどれだけボクにとって重要だったかを知らされた。何とか他の人の臓器を入れ替えて彼女を生き返らせることが出来たらと何度も考えていた。そんな考えを頭のどこかでボクは自嘲してた。まるで手入れをしないとその美しさを保つことが出来ない
「トピアリーみたい♣︎」
と呟いた。彼女の華奢な指先に触れているとボクは思いついた。偽物でもいいから彼女は生きている。そうすればいいと。そうすればボクは楽になれる。そこからボクの彼女への想いは偽物の彼女への想いとなり、醜く歪んでいった。しかし頭のどこかでは彼女の死を受け入れていて、後悔とも呼べないような喪失感と共にキミを諦めきれずに無為にすがっていた。しかし僕の歪んだ愛はさらに加速していった。彼女がまるで生きているかのように接していき、生きているように感じてきた。ボクは毎日彼女の死にたいなんて言う洗脳を取り払えるように薬剤とC2H5OH(エタノール)を飲ませた。
「さぁ、飲み干して♡」
そんなボクたちの幸せな生活が終わってしまったのにも関わらず、ボクは1人でその偽りの幸せな生活を続けている。するとある日外がやけに騒がしい。嫌な予感がした。ちらりと外を見てみるとボクの目に広がったのは縦横無尽にきらめくライト、鳴り響く巡回車(パトカー)の警笛(サイレン)だった。「じゃあ逃げよう?」と彼女が言っている気かした。そしてボク…いや、ボクたちは凡てを振り切って逃げた。そしてボクは彼女に問いかけた。答えなんて来るはずないのに。
「灼熱の火焔なんかよりも三十六度五分の方がずっと温かいよ。間違っているかな。」
ボクは彼女とふたりきりでえいえんにいるんだ。はぐれないようにてをつないで、彼女にまた聞いた。
「離さないでいて?♠」
白い脂肪も筋肉組織も吐き出しそうな鉄の匂いも、鼻腔が遮って愛惜しく感じた。傍目からすると悲劇的で、ボクたちからすると喜劇な最後はクローゼットで見つかった。
はい!これで終わりです!ぜひ楽園市街さんのトピアリーという曲、聞いてみてください!ではまたいつか!
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