「和樹、行ってくるね」
「おぉ~、行ってらっしゃい」
「うん」
今日は、友達の家に遊びに行ってお泊まりするんだ。月に一回の楽しみの日なんだ。私は今、婚約者の和樹と同棲してるんだけどあいつ浮気してるんだよねぇ。こっちが気づいてないと思って、行動が大胆になってきてるんだよね。気づいてるに決まってるじゃん。女を家に連れ込んでんじゃねぇよ。浮気するんだったら、もっと隠す努力しろよ。まぁ、私も和樹が浮気してるって知ってから2年ぐらい浮気してるんだけどね。自分のことを隠すのも下手なら人のことにも気づかないんだね。なんであんな、バカ好きだったんだろう。今は浮気相手の方が本命なんだ。ちなみに友達って数気に入ってるだけで本当は、今から本命のところに行くんだけどね。
よく言うよね。目には目を歯には歯をって、それと一緒で浮気には…。
「yaくん、来たよ」
「いらっしゃい、やっとetさんとお泊まりの日になったね」
「そうだね」
「早く、別れなよあんな男とは」
「私だって別れたいけどさ、別れるんだったらちゃんと復讐しなきゃでしょ」
「確かにそうだけど」
「だから、後ちょっと待ってて」
「わかったよ」
「今日はどこに行く」
「そうだなぁ、この前新しい服が欲しいって言ってたし」
「ショッピングモールにでも行こっか」
「やった、yaくんが買ってくれるの?」
「いいよ」
「買ってあげる」
「yaくん大好き」
「俺もだよ」
チュッ
yaくんが車を出してくれたおかげで、すぐにショッピングモールに来ることができた。
「~~♪」
「楽しそうだね」
「だって、月に1回しかyaくんとデートできないからその一回一回を楽しまないといけないじゃん」
「そう言ってもらえて嬉しいよ」
「yaくんが私に似合う服選んでよ」
「え、いいの」
「うん」
「yaくんセンスいいし、私もyaくんが来て欲しい服とか着たいから」
「OK、任せて」
yaくんが私の服を選んでくれている間に私は、yaくんとお揃いの部屋着が欲しかったからいいものがないかと服を見ていた。yaくんはかっこいいも可愛いも似合うからどんな服でもいい気がするが、できるなら可愛い系がいい。
「…!」
いいものを見つけた。レディースとメンズの両方がある。
クマのイラストが描いてある黒と白のペアルック。
「etさん、服選び終わったよ」
「私、yaくんとお揃いの部屋着が欲しいんだけど、これとかどう」
「いいじゃん」
「じゃあ、これも買う~」
「OK」
「服選び終わったんだっけ、見せて見せて」
「この服なんだけど」
「わぁ~、可愛い」
yaくんが選んでくれたのは、オレンジと黒のオーバーサイズのトレナーにソロ色のベルト、ニーハイブーツを合わせたコーデだった。
「このコーデにチョーカーも合わせたいんだけど、いい?」
「yaくんの好きにしていいよ」
「じゃ、持ってくるね」
「ありがとう」
「yaくん、どうかな」
「めっちゃくちゃ似合ってる」
「私も気に入った」
「じゃあ、買うでいい?」
「うん」
「さっきのペアルックも一緒に会計しちゃおう」
「じゃあ、脱ぐの待っててね」
「お昼どうする」
「う~ん」
「家で食べる?」
「荷物もあることだし」
「そうしよっかな」
「あ、…」
「etさん…、どうしたの」
「和樹っぽい人がいたから」
「本当に」
「うん」
「どこに行ったかわかる」
「多分、あのレストランに入って行ったんだと思う」
「俺らもいく?」
「証拠欲しいから、行く」
「じゃあ、行こっか」
「まさか、席がこんなに近くなるとは思ってなかった」
「ねぇ~、まさか真後ろの席とはね」
「でも、ソファーの席でよかったね」
「そうだね」
「etさん、俺もそっち側座っていい」
「いいよ」
「愛菜、会いたかったよ」
「私もだよ。和樹」
「彼女さんは、まだ気づいてないの私たちの関係に」
「気づいてるわけないじゃん」
「あははw、それもそうね」
「愛菜、今日家に来るか」
「え、いいの」
「行きたい、行きたい」
「じゃあ、飯食ったら家に行こうぜ」
「うん」
「愛菜、家に帰ったらヤろっか」
「ぅん」
「へぇ~、これから…ね」
「どうする?」
「家に行こうかな」
「そうすれば、もう別れられるよね」
「うん、和樹の家には必要最低限のものしか置いてないもん」
「俺の家に少しずつ移してたもんな」
「うん」
「その荷物もちゃんと荷造りできてるし」
「私たちも早く食べちゃおう」
「etさん、俺車の中で待ってるから」
「わかった」
「頑張ってね」
「ありがとう」
「ぁあ、ん…、ゃ」
はっ、お盛んなことで…あなたたちが家に入ってからまだ10分も経ってないのに、もう始めてるよ。お前は猿なのかよ。ほんと、なんで今まであいつのことが好きだったんだろう。
ガチャッ
「あ、ん…だめ~」
「いいだろ、中に出させてよ」
「今日安全日だからいいよ」
「じゃあ、いくぞ」
バンッ
「和樹、何やってるの」
「e、et」
「あ、彼女さん」
「ねぇ、何やってるの」
「こ、これは違くて」
「何が違うっていうのよ」
「違くないでしょ」
「中にまで出そうとしてたくせに」
「な、なんでそのこと」
「声が大きから、玄関先まで聞こえてたわよ」
「うるせぇな、お前がやらせてくれないからだろ」
「へぇ~、開き直るんだ」
「お前が悪いからな」
「じゃあ、別れよう。この指輪も返すから」
「でも結婚式場のキャンセル料はそっちが払ってよ」
「は…」
「俺が、いなかったらお前どうやって暮らしていくんだよ」
「はぁ、思い上がるのも大概にしてよ」
「私は、あんたがいなくたって生きてけるんだよ」
「そんなにいうんだったら別れてやるよ」
「後悔しても、遅いからな」
「後悔なんかするわけないでしょ」
「はっ、どうだか」
「じゃあ~ねぇ」
よし、録音完了…。お義母さんたちにこの録音とこれまでの証拠を送って、うちらの共通の友人にも送っておいて、何なら和樹の職場にも送っちゃおう。これで和樹は嘘をつけなくなったし、ちゃんとキャンセル料も払わざる終えなくなる。そのためにわざわざ高い式場を予約したんだから苦しんでもらわないとね。招待状を出した友達には事情を話して無くなったことを伝えないとなぁ。ゆあんくんとのことはどうしようかなぁ。半年もしたら、傷ついたところを慰めてもらってとか適当な理由をつけて親とか友達に紹介しようかなぁ。それでいいや。
「yaくん、お待たせ」
「別れられた?」
「もちろん」
「じゃあ、etさん」
「俺と付き合ってくれますか」
「はい」
「よろしくお願いします」
「よかった」
チュッ
「帰ろっか」
「うん」
目には目を歯には歯を
浮気には…復讐を
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