「ん、」
頭…痛い。それに身体もダルいし、熱い。熱あるかもな。
部屋の扉を叩く音が聞こえた。
「は“、は~い」
「etさん、入るよ」
扉を叩いたのはjpだった。
「まだ、寝てた?」
「ううん、今起きたとこ」
「よかった。今、1時なんだけど」
「naさんが熱出しちゃったぽくて」
「悪いんだけど看病手伝ってくれない」
「もちろん、いいよ」
「naさんの着替えを頼んでいい」
「わかった」
「部屋入ってくる時はちゃんとノックしてね」
「忘れるわけないよ」
「そうだといいけど」
jpとnaさんの部屋に向かった。jpには部屋の前で待っていてもらい。naさんの着替えと身体を拭く。naさんはかなり汗をかいているようだった。私よりも体調が悪そうだな。私は我慢できるし、naさんの看病頑張んなくちゃ。
「どうぞ」
「えとさん、ありがとう」
「いいえ」
そこから私とjpでnaさんの看病を6時までやって、他のみんなを起こしてjpがみんなに指示を出してくれた。
私はjpがみんなに指示を出しているときにゼリー飲料を食べていた。
「私、他のみんなの洗濯物も回収してきちゃうね」
「そうだね。naさんのだけよりみんなの一気に回したほうがいいもんね」
「うん」
「その前に他メンの役割教えとくね」
「svさんとttにお粥を作ってもらってて、mfくんとdn、no兄には買い物を頼んでて」
「yaくんには俺の代わりにゴミ出し、urとhrくんは看病の交代人員として待機してもらってる」
「了解」
あぁ、やばい。起きた時よりもキツくなってきた。身体のだるさと頭の痛さが増していく。私まで寝込んだら迷惑になっちゃう。それに私のキャラ的に言いにくいし…。
頑張らなきゃ。
全員の部屋を回って、洗濯物を回収した。家にいる人には部屋に入ることを伝え、いない人にはメールをした。naさんのこともありメールの返信もすぐに帰ってきた。
みんなの部屋を回るのにいつもの2倍以上の時間がかかった。部屋を回るついでに自分の部屋に常備している解熱効果のある薬と頭痛を抑える効果のある薬を飲んだ。洗濯機が稼働している間は少し休憩することができ、薬が効いてきたのか、頭の痛みも治ってきた。身体がだるいことに変わりはないから思いようには動けない。熱も薬のおかげで飲む前ほどはキツくない。洗濯物が洗い終わった。干すのにもいつもより時間がかかってしまった。洗濯が終わったから、部屋に戻った。私はベットに倒れ込んだ。薬の副作用と熱が出ているのにも関わらず、身体を無理に動かしていた反動だろう。私はすぐに眠りについてしまった。
「…ん、e…さん」
「etさん!」
「ん…、j…p」
「起きて、朝から仕事させちゃって眠いのは分かるけど、naさんが苦しんでるんだよ」
「もうあれから2時間経ったんだけど、etさんが戻ってこないから気になって部屋に来てみれば寝てるし」
「はぁ~、naさんが苦しんでるのに」
「ご、ごめん」
jpは呆れたように部屋から出ていった。
私だって…頭痛いし、身体は熱くてだるいし、寒気も感じてるのに…。naさん、naさん、ってなんなの。確かに隠してる私の悪いけど、そんなに言わなくたっていいじゃん。
寝たことによって、身体のだるさは少しだけ楽になった気もするが、熱は上がった気もする。でも、部屋から出なければまた何か言われる。我慢して、やり過ごさなくちゃ。薬…まだ飲んじゃだめか。
「naさん、体調はどんな感じ」
「あ、etさん」
「熱は、37.9から37.5に下がりましたよ」
「よかった」
「…、etさんも体調悪いんですか」
「え、私は元気だよ」
「どうして」
「いつもよりも、静かだなって思って」
「病人がいるのに大きな声出しちゃだめでしょ」
「それもそうですね」
「naさん何か欲しいものはある?」
「私取りに行ってくるよ」
「そうですね。ゼリーが食べたいです」
「わかった」
「みんな、naさんがゼリー食べたいって言ってたんだけどある?」
「あ、ゼリー買ってくるの忘れちゃった」
「そういえば」
「じゃあ、etさん行ってきてよ」
「え、私…!」
「俺らみんな疲れてるの」
「etさん、さっきまで寝てたんだから」
「行けるでしょ」
「え、etさん寝てたの!」
「じゃあ、元気だろうから行ってきてよ」
「ついでに、脱水症予防のドリンクも追加で買ってきてください」
私が行かなくてはならない感じになってしまった。階段を上り下りするだけでも辛いのに、一番近くて家から歩いて15分はかかる薬局に行くのは流石にきつい。
「ほら、etさん早く買ってきてよ」
「わ、わかったよ」
寒くないように厚着していけば大丈夫だよね。たぶん…
「はぁ、はぁ」
普段なら15分の薬局に行くのに3倍の45分かかってしまった。外に出てから段々と体調が悪化していくのがわかった。身体はだるくて熱い。頭もズキズキと痛い。何より息が苦しい。呼吸する回数が増えていっている。お会計をするときに店員さんにスタッフルームで少し休んでいかないかと心配までされてしまった。今の私は、そんなにも苦しんでいるように見えるなだろうか。
ガチャッ
「た“だい“ま」
「etさん、遅いよ帰ってくるの」
「etさんを待ってる間にまたnaさんの熱上がってきちゃったんだから」
「はぁ、はぁ」
「息遣い荒いけど、走って帰ってきたの?」
「往復30分のところをなんで1時間半以上掛かってるのさ」
「別に体調が悪いわけでもないのに」
「じゃぱさん、早くしてください!!」
「あ、ごめん今行く!!」
「貸して」
jpは私の買ってきた荷物を持っていってしまった。
あ、もうダメだ…。
バタンッ
玄関の方から大きな音がした。他もみんなはnaさんのところか動画編集も進めなければならないからそっちにいっていていない。俺が見に行くしかないか。共通スペースを抜けた先には目を疑う光景があった。
俺の中では、一瞬時が止まった。俺の大切な彼女であるetさんが倒れていたのだから…。
「はぁ、はぁ」
「e、etさん、大丈夫」
「って、熱」
「体調悪かったのに無理させちゃったのか」
naさんよりも酷い。こんな状態で買い物に行ってたんじゃ遅いのも当たり前だ。急いで部屋に運ばないと…。
ガチャッ
机の上には解熱剤と頭痛薬が置いてあった。たぶん朝から体調悪かったんだ。なのに、naさんの看病したり、全員分の洗濯物をやってくれてたんだ。体調悪いなら言ってくれればよかったのに…。まぁ、etさんの性格上言えなかったんだろうけど。そんなとこも大好きなんだけど、流石に今回は容認できないな。
etさんをベットに寝かせたときにjpから氷を持ってくるように頼まれた。etさんの分も持ってこないとな。
「jp持ってきたよ」
「あ、ありがとう」
「なんか量多くない」
「これは、etさんの分もあるからね」
「え、etさん」
「そう、etさん朝から体調悪かったぽい」
「じゃあ、体調悪い中買い物行ってくれたの」
「そうだね。jpに買ってきたもの渡した後に倒れちゃってさ」
「じゃあ、僕もそっち行きましょうか」
「あ、俺だけで看病するから大丈夫だよ」
「体温計借りてくね」
「yaくん、etさん起きたら呼んでくれない」
「わかった」
etさんの体温を測ってみると39.7だった。脱水症予防のドリンクとタオルで巻いた保冷剤などを用意した。保冷剤は両脇と膝の裏に置いたり、おでこには冷たいシートを貼ったりと一通りの作業を終え、etさんのベットのそばで座っていた。
「ん…、y、yaくん」
「あ、起きた?」
「体の調子はどう」
「あつい、でも体のだるさと頭が痛いのは治まってきてる」
「ならよかった」
「ちょっと、jp呼びに行ってくるね」
「ん~」
「etさん、ごめんね」
「体調悪いのに気づかないで、責めるようなことを言っちゃって」
「黙ってた私も悪いから大丈夫」
「これからは無理せずちゃんと教えてね」
「わかったよ」
etさんがjpと約束しているのを見て、心がモヤモヤした。
俺もちゃんと約束させなきゃ。
jpが部屋から出ていき、2人っきりの空間になった。
「etさん、俺とも約束してね」
「何を」
「もう、無理しないって」
「みんなに言えなくても俺だけには言ってほしい」
「でも、迷惑かけたくないし」
「俺には、素直になって」
「う~ん」
「今、約束しないと風邪治った後に後悔するけどいいの」
「え、どういうこと」
「ん~、身体に教えようと思って」
「……!、ぁ、え…」
「どうする、今約束してくれる」
「する、する」
「今約束する」
「ざんねん」
「ざんねんじゃない」
「あはは、早く良くなってね」
「うん」
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