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昨日の感情は
きっと一時の気の迷いだ
友達に向けるべきじゃない感情を
まさか若井に向けるなんて
そんなわけない
そう思うようにしても
目線は彼を追ってしまう
あ、椅子から立った
…友達と楽しそうに話してるな
僕にはあんな顔、滅多にしないのに
…違う
誰と仲良くしてようがいいだろ
違うこと考えよう
昨日の昼休みは
基本的に若井、隣に座ってたな
何も話してないのに
そこにいるだけで、落ち着かなかった
そういえば
肩が少し近づいたとき
無意識に、息を止めていたな
…なんでだろう
今までも
誰かと隣に座ることなんて
普通にあったはずなのに
若井だと、全部が違った
頭の中で
若井の声がする
「当たり前だろ」
あのときの
少しだけ優しい声
胸の奥が
きゅっと縮む
……だめだ
これ以上はいけない
頭の中で警報がなる
わかっているのに、 思考は止まらない
もし、
若井が誰かと笑って、
一緒に帰ってたら
若井の隣が、
僕じゃなくなっていたら
想像しただけで、 胸がざわつく
嫌だ
理由は、わからない
それでも、それだけは
はっきりしていた
それが、 いちばん怖かった
唇を噛む
「友達だから」
「男だから」
そうやって理由を見つけて
逃げてきたけど
目を逸らしてきたけど
若井が特別で
他の誰かじゃ、だめで
若井が
他の誰かの隣にいるのが嫌で
若井が
僕の隣にいると
安心してしまう
……それって
ゆっくり
息を吐く
心臓の音が
やけに大きい
認めたら
なにかが壊れる気がして
今までの距離も
今までの関係も
戻れなくなる気がして
でも、
もう気持ちに蓋をして
気付かないふりをすることが
できないくらい
僕は、
若井を知りたいと
思ってしまっていた
……ああ
やっと
わかってしまった
これは
勘違いでも
気の迷いでもない
僕は、 若井に
恋をしてる
その事実が
胸の奥に落ちて
少しだけ
世界が静かになった
正直、 めちゃくちゃ怖い
この気持ちが
知られたらどうなるか
考えたくもない
それでも
今までの
若井の隣にいた時間を
後悔はしていなかった
…むしろ、
これからもずっと
一緒にいたいとすら思う
この気持ちは、
きっと彼には届かない
今の関係を崩したくなければ
届いては行けないもの
ずっと若井と笑っていたいから
けど、隠し通せる勇気はないから
その時が来るまで、
僕の中で大事にしてよう
気づいてしまった今
僕はなんだかすっきりして
よく分からなかった
この気持ちに、
そっと 名前をつけることができた