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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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あれから数週間。だんだんと彼女のことが分かってきた。
【本名】愛

【住所】〇〇市〇〇番地

【誕生日】〇〇〇〇年〇月〇〇日

【身長】153cm

【体重】〇〇kg。

【出身】

・〇〇〇幼稚園

・〇〇小学校

・〇〇高等学校

【好きな食べ物】お漬物

【嫌いな食べ物】辛い物

・母、父、祖父、兄の家族構成。叔母は最近事故死。

・最近家族に冷たくあしらわれている事。

・今月の月経は〇日から始まり、〇日に終わった事。

・お気に入りはベッド横にある蛇のぬいぐるみ。

【寝た時刻】

〇月〇日-12時34分

〇月〇日-1時2分

〇月〇〇日-2時51分

〇月〇〇日-2時18分。。。。。。


彼女の情報をノートに、分かっていることを書き込む。

どこに住んでいるかは後を付けてすぐに特定できた。学校は卒業アルバムを盗み、名前を調べ特定。何度かデートをするうちに好きな食べ物や嫌いな食べ物、彼女の家のゴミ袋を漁りナプキンを入手し彼女のベッドにいる蛇のぬいぐるみには盗聴器。寝た時刻は部屋の電気が消えた時間を目安に。

彼女の情報がびっしり敷き詰められたノートを開く。その並べた文字を指でなぞると心が温まるのを感じた。

今も彼女は他の誰かといるのだろうか。

彼女は愛情を欲しているようだった。現に、彼女のバッグに仕込んだGPSはホテルで留まっている。パソコンに映る盗撮した彼女の写真を新たに印刷し、部屋の壁に貼る。いつの間にか貼るスペースは無くなっており、部屋のどこに目線を送っても彼女の写真で埋め尽くされていた。

彼女を自分だけのものにできたなら。

俺だけ見て、俺だけを愛してくれたなら。

「……できるじゃん。」

琉騎亜はパソコンを見ると小さく呟いた。

その瞬間、琉騎亜の電話が鳴り響いた。

「…はい。」

「うな君!君の担当したアイドルが予想以上の人気なんだ!もしかしたら君の名が広まるかもしれない!」

「えっ、本当ですか…?」

息を切らし、スマホ越しでも分かる興奮した様子の編集者は「君の作った歌詞がバズった。これから仕事が流れ込んでくるからその報告だ。あとの事はまた知らせる!」といきなり電話を切り、琉騎亜は呆然としている中ツーッ、ツーッ、とスマホの機械音を聞きながらしばらく立ち尽くしていた。

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