(あ!おむつのお姉さんだ!)
さっきベビールームで見られた子供だ!
(ママーあの人オムツしてたんだよ!)
大きな声で母親に告げると、周りにいた人たちもさゆりの方に視線をやる。
(やめて!見ないで!)
そう思いながら入口の方へ走り出す。
布おむつをたくさん当てられたせいで、ぎこちない走り方になってしまっている。
しかしそんなことは気にしていられず一目散に入り口を目指す!
遠くないはずの距離がオムツのせいで時間がかかってしまう。
スカートを隠している余裕はない。
なんとか店を出てすぐに車にのる!
車に乗ってしまえば一安心なのだがなぜか気持ちが落ち着かない。
心臓の音が聞こえる。
(ドキドキしてる… )
胸に手を当てて鼓動を確認する。
冷や汗も出てきた。
(早くかえろ)
車を走らせた。
今度は渋滞もなく自宅に着くことが出来た。
ふと庭に目をやるといつもよりたくさんの物干しが出ていて、洗濯物の多さを物語っている。
よちよち歩きで家の中に入ると、紙おむつや布おむつが沢山置いてありそれを不思議そうにながめる。
(おかえり、帰ってたの?〇〇さん家からオムツもらってきたから)
〇〇さんとは母親の妹で、その子供に今は保育園児や小学生の子もいる。
いわゆるオムツ卒業した子のお下がりだ。
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