整理収納の心得その②、生活動線を意識して収納場所を決めるべし
「お洋服をここに放って置くということは、ここが一番着替えやすい場所なんでしょうね 」
アリスはリビングの巨大なソファーに、山のように積んである洋服を眺めながら言った
「そうなんだ・・・朝は寒いだろ?ここはファンヒーターの前だし服を温められるんだ、ちゃんと自分の部屋で着ないと
いけないってわかってるんだけど・・・」
直哉が申し訳ないと言った感じで、両手を広げた
「あら!いけなくはないわ、生活動線に沿ったモノの配置でないと、また結局散らかるの!ここで着替えやすいんなら、将来ここにクローゼットを作ればいいの、今は取りあえず、服を全部ハンガーにかけてお洋服を壁に掛けるといいわ、要はソファーに置きぱっなしが問題なのよ」
「そうか!ここで着替えていいんだな納屋にハンガーラックがあるよ!持ってくる! 」
「それと3年経っても着ないお洋服は、もう一生着ないものなの、ここ最近買ってよく着るお洋服と着ないお洋服を、選別してね 」
整理収納の心得その③、三年経っても着ない洋服は一生着ない
捨てる洋服を選別しろと言われた直哉は、少し顔をしかめて頭を掻き出した、あきらかにノリ気ではない
「でもさ・・・せっかく買った服だから、また着るかもしれないと思ったら捨てられないんだ」
「そうね・・・でも想像してみて、ここが綺麗になったら何をしたい?何を置く?」
直哉の瞳が輝き出した
「ギターを置きたいんだ!ただ置くだけじゃなくてディスプレイ調に!ちゃんとショーケースを買って!やっぱりそうだな!ここをかたずけよう!」
直哉が身振り手振りでギターコレクションの場所を、アリスに教えている
「実際、統計で出てるんだけどお洋服は三年経ったらよっぽど良い生地でないと、伸びたりヨレが目立って古さが際立つの、なのでまた買い足すでしょ?それでどんどん箪笥の肥やしが生まれるのよ」
直哉が洋服の地層から取り出したジーンズを、マジマジと見る
「これも三年前に買ったんだ高かったからとずっと置いてたけど、思えば着てないな~・・・捨てるか!」
「最近ではリサイクルショップに売るという手もあるわよ、あと発展途上国に寄付も出来るわ」
アリスが直哉にウインクして言った
「義姉さんの言う通りだ!隣町のリサイクルショップにまとめて持っていくよ、今まで思いついても実際にはめんどくさくて行動できなかったんだ」
「一人じゃ大変でも私もアキ君もいるわ、みんなで協力したら簡単よ、お片付けは一人じゃなく家族や友達とすることで相乗効果が生まれるものなの」
「ほんとだな!」
直哉が感心したように言った
「ありすぅ~~!僕のもの集めたよ~~~~!」
明がスイッチやら本やら、黒板など自分の私物を、こんもり一山にして得意そうにアリスに言った
「やっぱりアキ君も自分のお部屋より、ここで過ごす事が多いのね!、それじゃこのソファーの横に「アキ君ゾーン」を作りましょ! 」
「僕のゾーン?」
「ええ!ここで遊んだり、学校が始まったら宿題するでしょ?だからここにアキ君の棚とお勉強できるスペースを作るのよ 」
「わぁ~い! 」
「お~い!マジックリンを買ってくるけど、他に何かいるものあるかい?」
「沢山あるわよ~! 」
「僕の棚がいるんだ!ナオ!」
「いいよ!作ってやる 」
ワイワイ三人はテーブルに頭を突き合わせて買い物リストを作った
夕方北斗が母屋に入ってくると、すぐに異変に気が付いた
なんと玄関の床が見える
北斗は目を見張って考えた
母屋の玄関の床をこんなにハッキリ見たのは
何年ぶりだろう?
もしかしたらこれが初めてかもしれない
そして玄関の素材は大理石だったんだ
知らなかった
靴は全部下駄箱に収まっていた
キッチンを見回してみると
信じられないゴミがない
北斗は一度外に出て外観を眺めた
間違いない
我が家だ
なぜだか靴を脱いで綺麗にそろえた
そっとリビングに入ってみる
ゴミ一つ落ちて無く床は艶々だ
美しく磨き上げられた
大きなテーブルの中央には
花瓶に花まで飾ってあった
こんなにこの家は広かったっけ?
スッキリと綺麗に片付いており
ゴミはどこにも見当たらない
どこにいった?
どこもかしこも光っていてリビングの
レースのカーテンからはそよ風が吹いてくる
陽の光と家の電球が綺麗に水拭きされた
ピカピカの家具に反射して
とても部屋が明るい
リビングでは山積みだった服は綺麗に
ハンガーラックに掛けられてあり
その量も半分になっている
小さな作り付けの棚には
細々したものが飾られている
北斗は棚をマジマジ見た主に明のものだ
無くしたと思っていた
ジンの新婚旅行のお土産のインドの神様を象った
木彫りのお面はテレビの横に飾られていた
・・・何があった?
北斗は聞こえてくるにぎやかな声を頼りに
二階に上がっていた
どんより埃がこびりついていた階段もピカピカだ
アリスは他の兄弟達と子供部屋にいた
三人は部屋の真ん中の丸いラグの上に座り
アリスは正座で折りたたんだ足を上品に
スカートでくるんでいる
そして彼女の両隣りには
二人のチビども―
もう大きくなった弟もいるが
北斗にとってはどっちも今だにチビだ
二人はアリスを取り囲むように座っていて
その輪の真ん中にはトランプと
横にタブレッドがあった
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