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注意書きは一話にあります。
日常国から帰って来て数ヶ月がたった。数ヶ月も経ったというのに恐ろしいほど何も変わらない。今まで起きていたことが早回しで来ていたからあの戦争も早く来るものだと思っていた。だが何も変わらない。
みんなも忙しいとか暇だとか大怪我をしたとかそんなことは起きなかった。まぁトントンや大先生が忙しいと言っているのはいつものことだから考えないこととするが。
俺が一番忙しくしているのではないか。ここでの仕事をこなしながら向こうに情報を渡す。自室に隣接している実験室で能力を使い報告する。とは言っても、何も変化がないのだから伝えられるのもの少ないのだが。
だから中途半端な報告書しかできず、あの方はイライラいているのがひしひしと感じ、胃が痛い。あー考えだしたら痛くなってきた。胃薬をしんぺいさんに取りに行かなくては。
エーミール:大丈夫ですか?
チーノ:あ、エミさん。
エーミール:ふらついている様ですがなにかありました?
チーノ:あいや、胃が痛くて薬をもらいに行こうかなって
エーミール:あーなるほど。それにしては最近薬を飲み過ぎなのでは?薬を飲み続けると効かなくなりますよ?
チーノ:そうなんやけど……
エーミール:今からオスマンさんのところでお茶をするのですが、一緒にいかがですか?オスマンさんなら胃に優しいお茶を知っているかもしれませんし。
チーノ:………じゃあお言葉に甘えて。
エーミール:はい。一緒に食堂に行きましょう
そう言って手を差し出される。(なんやねんこいつ……)なんて思っていると、「辛そうにしていたので手を出したのですが一人で歩けます?」なんて言ってきた。元気ではあるのだが、歩くのはちょっと辛い。そのご好意に甘えるのだった。
これを女性にも出来たらなと思っていたら、どうやら口に出ていたようで「キンキンに冷えたブラックコーヒーをお望みですね?用意しときます。」と言われてしまった。どうやら図星らしい。暖かい胃に優しいお茶でお願いします……
オスマン:エミさんいらっしゃーい。
エーミール:こんにちわ。チーノくんもいるのですがよろしいですか?
ひとらんらん:もちろん。ちょうど今日はホールケーキ作ったから四等分に切り分けるね。
オスマン:えーいっぱい食べたいめぅ
ひとらんらん:ダーメ。均等に分けるからね。
オスマン:う〜
エーミール:今日のお茶は何ですか?暖かくて優しいお茶だと嬉しいのですが……
オスマン:美味しいお茶あるよ〜準備する〜
ひとらんらん:チーノくん大丈夫?ブランケットかける?
チーノ:いえ、大丈夫です。
ひとらんらん:そう?無理しないでね?
オスマンさんがルンルンでキッチンに立ち、戸棚からお茶の入った缶を取り出している。ひとらんさんはケーキナイフで切り分けているのだった。
今思えば、あの戦争が起きたのはあれがきっかけだった。
オスマン:うっ…ゴホッ、カッホ……
ひとらんらん:マンちゃん!?!
俺とオスマンさん、ひとらんさんの三人であの国に行った。俺らはお茶会に誘われたのだ。
良いも悪いも掴みどころが無かったために、一種の社交界だと思って行くことになった。
俺が誘った。
合図だった。
ニコニコであの方はお茶とクッキーを出す。見た目も匂いも悪くない。
ひとくちクッキーを囓っても、ひとくちお茶を流しても何も変わらない。普通のお茶とクッキーだった。
でも、談笑しているといきなりオスマンさんが苦しみ始めた。それを心配するひとらんさん。
あのお茶とクッキーには無味無臭の遅効性の毒薬が含むれていた。郊外士官であるオスマンさんを殺そうとするのはオスマンさんが失礼なことをしたか、俺らに戦争を仕掛ける合図か。
この場合は後者だ。
命かながら帰ってこれたのだが、オスマンさんは毒で、ひとらんさんは逃げる途中で撃たれた銃弾が足に直撃していた。二人は治療のために休まざるを得なかった。
とは言っても、ちゃんとした治療は受けられていない。なぜなら俺がしんぺい神を殺しているから。看護師でもできるよ、一応ね。しんぺい神以外にも医師はいる。
でも俺が二人を誰も知らない森へ連れて行ったら?
あはは。
どうやら、見つからなかったみたいだ。
ずっと二人は消息不明。