「「もしもし、聞こえてますか?」」
トントンとドアを叩きながら、外から誰かが私に声をかける。
私は眠ったふりを続ける。
心の中で、
『お願い、誰か助けて。早くいなくなって』
と願いながら。
「「もしもし、もしもし。大丈夫。何もしないから。ドアを開けて。」」
“誰か”は淡々と女の声で言う。
そのまま10分近くが過ぎ、かすかな振動を背中に感じたときだった。
「咲良、ついたぞ。車から早く降りろ。」
お父さんの声に、私は目をつむったままゆっくりと口を開く。
「待ってお父さん。絶対に開けちゃダメ・・・・・・」
コメント
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分からねー!