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第五章:俺のもんに、触んな
昼休み。学校の中庭。
スンリは1年のクラスメイトに頼まれて、忘れ物を渡しに来ていた。
ミンス「……あれ? お前、美形って話題の1年笑?」
声をかけてきたのは、3年の不良先輩、カン・ミンス。
かつてジヨンと対等にやりあったこともある喧嘩自慢だが、今は裏でしがみつくように存在している。
🐼「先輩……こんにちは」
スンリは丁寧に頭を下げる。だが、それが逆に“隙”だった。
ミンス「へぇ、ジヨンの新しいオモチャかと思ったら……本当にかわいらしいな。お前、あんなやつとつるんで楽しいか?」
🐼「……ジヨンヒョンは、俺を守ってくれてます」
ミンス「フン……アイツは誰かに縛られるタイプじゃねぇ。いつでも飽きたら捨てんのさ」
ミンスがスンリの手首を掴んだ。
ミンス「お前みたいなタイプ、昔っから好みなんだよな。今夜、ちょっと遊んでやろうか」
🐼「っ……やめてください……!」
ミンス「声出すなよ?」
──その瞬間。
🐲「てめぇ、何してんだ」
鋭く、低い声が響く。
スンリの視線の先にいたのは、制服の襟元を乱し、まっすぐ歩いてくるジヨンだった。
ミンス「……ジヨン、てめぇ」
ミンスが言いかけた瞬間、ドンッと壁に叩きつけられる。
🐲「二度と、スンリに触れんな。次やったら、骨折る」
目を見開くスンリ。
ジヨンの瞳はいつになく冷たく、怒りと……何より、独占欲で満ちていた。
ミンス「……お前、怖ぇな。……マジで惚れてんのか、あいつに」
ミンスが薄笑いを浮かべながら去っていく。
スンリは、震える声で呼びかけた。
🐼「ヒョン……」
ジヨンは振り返り、無言でスンリを抱き締めた。
🐲「……はぁ、クソ……心臓おかしくなるかと思った」
🐼「俺……ヒョンに迷惑かけて……」
🐲「うるせぇ。お前が泣きそうな顔してんの、マジでムカつくんだよ。……俺以外のやつの前で、そんな顔すんな」
スンリの耳元で、囁くように、だけど強く。
🐲「お前は俺のもんだ。忘れんな」
🐼「……うん、俺はヒョンだけです」
ギュッと抱き締め返すスンリに、ジヨンの声が少しだけ震えた。
🐲「……俺も、お前だけだから」
その日、ジヨンはスンリをずっと離さなかった。
放課後も、帰り道も、夜も。
まるで、二度と奪われないように、ずっと手を繋いでいた。
もー下手
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