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途中から涙滲みすぎて文字が見にくいくらい感動しました、、😶 続きめっちゃ気になります、、
まじで待ってましたぁ!!最高です!いやぁこれからどうなって行くのか……
それから俺の妊娠生活が始まった。
改めて祖母や親戚、電話越しで親と話をして出産が終わり子供が大きくなった時は、従兄弟が働いてる会社へと就職する事になった。
どうやらエンジニアの仕事らしく、製品、システムの設計・開発・運用等を任せられた。小さい頃からゲームだったり、PCも触るのが好きだった俺には嬉しい仕事だった。
子供が大きくなるまで、子供を育てるのが俺の仕事だと、みんなから言われてしまった。
『こんな感じでなつは大丈夫か?』
赫「うん…ありがと…」
日を跨ぐ前の夜、都会にいる親と話をする。あんな形で俺を送り出した癖に、心配になってしまってるらしく電話をかけてくる事が多かった。 こういうとこで素直になれないのが、親に似られてるんだと実感し笑えてしまう。
『聞きたい事とかあったら、いつでも電話しろよ?』
そう言われてしまっては、ずっと頭に残ってたものを、母親に吐き出してしまった。
赫「ッねぇ、」
『ん?どうした?』
続きを言いたい開けた口が途中で留まってしまう。でも、無理やり吐き出すように彼の名を出した。
赫「あの、さ…っいるま、は…どんな?」
『…!』
赫「っ…いや、知らんかったらそれでいいし、ッちょっと、気になっただけで…」
あこから離れて1週間は経ち、彼の名前を久しぶりに声に出したかもしれない。ずっと彼が元気なのか、聞きたかった。
でも、なんて言われるか怖くて言い訳を吐き出してしまう。 こういう時でも、なにかに擦り付けようとする自分が嫌だった。
すると、 母さんは少しの沈黙をした後に、静かに呟くように話してくれた。
『…何回も、家に押し寄せてきたよ』
赫「っ!」
俺が家を出た後、数日は学校帰りの夕方や部活帰りの休日の昼頃に家に来ていたという。何回も来て、親の顔を見た瞬間
『なつはッ、どこですか…!!』
と、俺の居場所を聞き出してるらしい。教えずに帰らせても、また明日になればまた訪問をして同じセリフを言う。
数回は、俺がいないことを言って扉を閉めようとした時、閉めようとした扉の隙間に脚を入れて阻止し、1回だけ土下座もしたらしい。 そんな行動に、流石に父に怒鳴られてしまった。
それでも雨の日も吹雪の日も、根気強く彼は、家に来ては同じ台詞を言って、可哀想に出て行かれる。そして最近は家に来なくなった。
赫「っ…」(ポロポロ
俺だけのために、彼は動いてくれてる。 俺の嬉しい気持ちが、余計に苦しませてくれる。
『…愛されてんね、なつ』
離れる前、学校で泣きながら言ってくれた告白は本物なんだと、今になって実感した。家に、一緒に育った街に俺はもう居ないのに、それでも探し続ける彼。
昔から涙脆い俺は簡単に涙が出てきてしまう。
『…ずっと必死に探し回ってるもんだからさ、父さんも俺も、説明すんのが心苦しいんだよ。俺らも昔からお前らを見てたから、尚更』
赫「ッぅ…グスッ…はぁッ、ふ…」(ポロポロ
『辛いのも、悲しいのもちゃんと分かってる。それでも、これもお前を守る為にやった行動なのは分かってくれな…』
泣く俺を慰めては、遅くまで起きている俺を心配してか母さんは電話を切った。その後も俺は静かな部屋の中で1人泣き続けていた。
⚠️嘔吐表現
妊娠6週目
赫「ふッ…ぅ”う……」
今日も悪阻が酷くて、1日中寝込んでいた。
懐かしさと畳の匂いがする部屋で、腹から迫り出してくるものと頭痛と戦う日々。何時でも吐き出せるように傍にはバケツを置いた。
赤ちゃんが発覚してから数日は、気持ち悪さはなく赤ちゃんが成長するようにと、おばあちゃんが作ってくれた料理をたらふく食べていた。
基本的に妊婦は悪阻が酷い人がほとんどと言われてる中、軽い人も多少はいると担当医に言われていた。俺は後者だと思い安心しながら暮らしていたのだが。
それなのに、日に日に悪阻が酷くなっていき、気づけば作ってくれた料理を口にしてもすぐに吐き出し、今は口をつけられずに寝込むことが多くなってしまっていた。
「なつ、ご飯食べれるかい?」
赫「っ、ばあちゃんッ、ごめ…」
今日も、わざわざ2階まで俺のご飯を持ってきてくれるおばあちゃん。
だけど食欲が無く、吐き出すのも苦しいのも嫌になってしまった俺は食事から目を離してしまう。それどころか、食い物を見るだけでも汚物が出てしまいそうなとこまできてしまっていた。
「いいのよ。食べれる時にあっためましょうね」
赫「ッ、ばあちゃんっ…」
「ほら、ゼリー買ってきてくれたから飲みんさい?赤ちゃん元気なくなんよ?」
ひんやりとした冷気を感じて向いてみれば、俺の頭の横にはゼリーを置いてあった。
食べたくない気持ちが勝っていたが、用意してくれた優しさに負けて重い上半身を何とか起き上がらせ、カチッとゼリーの蓋を開けた。 吸口を口に含ませて握ると、甘いりんごの味が舌に感じさせる。
「今のうちになつの食べれるものを探そうかねぇ」
俺がゼリーを飲んでるところをおばあちゃんは見守ってくれている。自分が食べているとこを誰かに見られるのは少し照れくさいが、どこか安心感もあった。
すると、腹の底からせり上がってくる感覚を感じさせた。これ以上飲み込むのはダメだと、捻られてるみたいに痛い俺の頭から危険信号を呼びかけている。
赫「ばあちゃんっ、ごめん…」
「ん?いいんだよ、よく飲めたねぇ」
口から離し、蓋を閉めた。沢山飲んだと思っていたのがまだ3分の1しか飲めていない。
「いいんよ?ちゃんと飲めたの偉いわぁ」
ニコニコと笑いながら俺の頭を撫でてくれた。子供じゃないんだから、と思わずそっぽを向いてしまう。
「ゼリー、沢山買っといてあげるねぇ?」
赫「…うん、ありがと」
でも、これで安心してる場合じゃなかった。
妊娠7週目
この時期は、妊婦さんでは悪阻がピークになる時だと言われている。 絶賛、俺も今布団の中でくるまって眠るだけでも吐き気が襲っていた。
頭の痛さもあり、腹は痛くグルグルと汚物を作り、バケツに吐き出しても何も食ってないから胃液しか出てこない。
赫「う”えッ、ぉ゛え”っ…げぼッ、ッぇ”…」
前まで多少摂っていた食事も喉を通らなくなり、好んで飲んでいたりんごゼリーも飲んでもすぐに吐き出した。
挙句の果てには水すらも飲めていないため、尿も出ない。トイレに行きたくなっても部屋から出るどころか布団にすらも出れない状態のため、今では おむつを履いている。
流石にこれだと俺にも赤ちゃんにも危害が及ぶと思い、親戚の車に乗せてもらい、重い体を何とか動かしながら病院へと向かった。
「きっとなつさんは悪阻酷い方なんでしょう」
担当医に検査をしてみれば 俺の母親がつわりが酷かった、睡眠不足や疲労がある、精神的なストレスや不安 を抱えている…
当てはまるものばかり言い当てられて、俺は 何も言えずに黙ることしかできなかった。
「なにか不安な事はありますか?」
医者にそう聞かれ、働かない頭を動かした。悪阻以外なら今のこの生活に不満も悩みもない。心当たりがあるのなら、この子のお父さんである彼が居ないということ。
俺が1人でこの子を育てなきゃいけない。
そう思った瞬間、腹からせり上がってくるものがあった。手で口を抑えて何とか飲み込もうとするが、医者はエチケット袋を用意してくれて我慢できずそこに吐き出してしまった。
「…悪阻が収まりましたら、また聞きますね」
俺の姿に、医者はこれ以上は聞き出そうとしなかった。今話しても苦しいだけなのは、俺が1番分かる。
「空腹は吐き気を引き起こす原因なので、飴や1口で食べれるものを用意した方がいいんですよ?」
俺のやつれた顔に気にかけて話題を振ってくるから俺も何とか話を繋いでおく。医者から次の通院日を知らされ、俺の手元には漢方薬と吐き気止めの薬が用意されてあった。
検査も終わり、担当医に御礼を言って診察室から出る。まだ吐き気が残ってることを感じながら自分の腹に触れてみる。 まだ膨らんでいないぺったんこなお腹、本当にこの中に自分の子供がいるのかと疑ってしまう。
俺たちの事故が原因であり離れ離れにさせた産まれてくるこの子が、今は憎しみに溢れてしまって、あまりにも可哀想で、
「お父さん!」
隣から聞こえてくる女性の声に顔をあげる。そこには仲睦ましい夫婦が楽しそうに話していた。その女性のお腹は俺と比べられないくらいに大きい。
「性別、どっちだと思う?」
「え〜?どっちでも俺は嬉しいよ?」
ああ、いいなぁ
俺も、彼とあんな風に話したかった
きっと彼と結ばれて、番になって結婚して、今みたいに子供ができる未来になってたら、
『なつに似た可愛い子がいいなぁ笑』
そう言いながら俺の腹を撫でて、ゴールド免許だと言い張る程の怖くて、でも俺を気遣ったゆっくりな走行をした車で送り迎えをしてくれてんだろう。
赫「っ…!」
また、腹の底から渦巻いては食道からせり上ってくるものを感じさせた。
今日の中で1番やばいやつだ、袋貰わんと、
脳内で思いながらも身体は言うことを聞いてくれなくて、病院の廊下に座り込んでしまう。邪魔しないように壁際に身体を寄せた自分を褒めてあげたい。
「え、看護師さん、この人…」
「なつさん!?」
ガンガンと痛い頭でも廊下を歩いてた患者さんが呼んでくれた声が聞こえた。来てくれたのは前に医者と一緒に診てくれていた看護師さん。俺が妊娠してるのを分かってるのか丁寧な対応をしてくれている。
上から視線を感じて向いてみれば、さっきまで楽しそうに話をしていた夫婦がこちらを見ていた。困惑と心配をしてるその視線が、俺にとってはまるで1人ぼっちな俺を馬鹿にしてるように感じた。
看護師さんの手を貸してもらいながら何とか立ち上がり、空いている近くの病室まで案内されては水と袋を持ってきてくれた。せり上がってくる汚物を吐き出していると、さっきまで診てくれた担当医が入ってきた。
「なつさん、今日は入院しましょう?」
赫「ッはぁ、ふ、ぅ゛…」
「来てくれた時にできれば入院させたかったのですが、今の状態だと帰らせる訳にはいけません」
静かに言われたその言葉が心にずっしりと重くのしかかってきた。
何もできないのは、自分でも分かっていた。
1人ぼっちで何も分からない土地に来て、まだ腹も膨らんでないのに悪阻に簡単に負けて、ストレスにも負けて、家族を心配させて、
俺を探してくれてる彼にも___
赫「、ふ、ぅ”うぅ”…ぁあ”ぁッ…」(ポロポロ
こうやって泣く事しかできない自分が嫌だ。
俺の入院生活も始まって1週間が経ち、相変わらず吐いては寝るの繰り返しを続けている。 ただ、入院してから唯一変わったのは少しずつ身体が動きやすくなっていること。
俺の左腕から繋がってる点滴は、医者曰くビタミン剤や栄養・電解質を補給される、簡単に言えば栄養剤みたいなものだと教えてくれた。
それからも吐き出してしまうものの軽いものなら食べれるようになったり、尿を出すために水を飲む回数を増やされたりと、少しずつ体の調子が整ってきていた。
赫「げほっ、ゴボッ…っうえ”ッ…」
それでもやっぱりキツくて吐き出してしまい、着ていた服もベッドのシーツも何回も汚しては看護師さんに謝る日々だった。
今日も朝、看護師さんから検査を受け 病院食を試してみようとお粥といちごを用意してくれた。
昔の俺だったら、男子高校生特有の成長期みたく全て平らげていた。運動部も入っていなかった俺でもこの量なんぞ足りない程だ。でも今は、少量を1口ずつ食べなきゃ吐き出してしまう程に変わってしまっていた。
赫「ッ…ぅ”ッ…」
胃から食道までの飯が蓄積されたのが吐き出してしまいそうな程の気持ち悪さが出てしまう。ナースコールを押した後近くにあった袋に囲まれたバケツに吐き出してしまう。
「!…すごいですよ、なつさんっ、ここまで食べれたじゃないですか」
赫「ッ、はぁっ…ん”…」
目の前にあるのはまだ数口しか食べていないお粥と、半分に切られていて片方だけ減ったいちご。 毎回ご飯の途中で吐き出してしまう俺に、それでも看護師さんは傍で褒めてくれている。
患者を安心させるのも仕事なんだろうと、ネガティブに考えてしまう俺は嬉しいのか、悲しいのか、苦しいのか、涙腺の弱い俺は半泣きをしてしまう。
吐いたあとも少しは食べたが結局吐き出してしまい、残したまま食事が終わってしまった。
「なつさん?ちゃんと寝れてますか?」
赫「……数、時間はッ…」
「健康管理は絶対に大切なので、今は寝ましょう?」
看護師から睡眠薬を渡され、俺に寝るように言って仕事に戻って行った。吐き出して少しスッキリしたけれど、眠る気がせずに薬は服用しないで病室から窓の外を眺めていた。
窓の外では、あの時仲良く自分達の子の話をしていた夫婦が病院から出るところを見てしまった。女の人の腕の中には小さな赤ん坊が眠っている。
赫「…産まれたんだ……」
そしてまた、無意識に自分の腹を触れてしまう。医者からは精神的なストレスを抱えていると昨日言われたばっかりで、悪いけれどその夫婦に視線を逸らした。
怖かった、もし産んだ時に俺だけ赤ちゃんを殺してしまったらと、無意識に思って、
すると病室から3回ノックされた。驚いて声が裏返った返事をすると病室のドアが開かれ、そこに居たのは病院まで送り迎えをしてくれていた親戚の兄だった。
赫「!兄ちゃん…」
「よ、なつ、暇そうだね?」
傍に置いてあった椅子を持って俺の近くまで来て座った。俺の体調の心配と病院生活の話やおばあちゃんが心配しているとの報告、働く予定の場所の話をされ、思ったより話が弾んでしまった。
「あ、そういや、買ってきたから食いな?」
渡された袋には炭酸水や麦茶、ヨーグルトに梅干し等と身体に良さそうなものばかりが入っていた。
「一応調べて買ってきたからさ、無理して食わんくてもいいし」
赫「ぅんん、ありがと…」
少し嬉しい気持ちを感じていると何故か食欲が湧いてきてしまった。兄の顔を見れば、食いな、と目を配らせたから手を袋に突っ込ませて適当に手を取った。
赫「…と、…飴だ」
「あーうん、医者から持っておくといいって言われてたから買ってきた」
黄色いパッケージに、みずみずしく描かれてるオレンジを見つめる。何故かこのパッケージが見たことがある気がした。
袋を開けてもらい、ジャラジャラと中に入ってる1つの袋を取り、開けて口に含ませた。 さっぱりとした酸味と甘みが口いっぱいに広がる。それが何処か懐かしく感じさせた。
『___はい、なつ?』
『ん?飴?』
『これ美味いからハマってんだよね笑』
赫「………ぁ、」
そういえばよく、彼が昼休みや授業中に食っていた飴のパッケージに似ていたっけ。食べてるとこを俺が見ていたのを気づいてからよく貰っていた。
その時も、彼から貰ったのはオレンジ味だった。
赫「…ッう”……」(ポロッ
アイツは何故かオレンジが好きなんだよな。
持ってくる飴はだいたいオレンジ味だし、
自転車に乗せてもらってる時も、隣にいる時も、いるまから柑橘系の匂いがした。
紫髪の癖に、杏仁豆腐が好きとか言って、
「ど、どうした?ダメだった?」
泣き始める俺に兄は戸惑っている。何処か口調がアイツに似てるこの男が、こんなものを用意するなんて、酷いわ笑
赫「っ、ん”ん…グズッ…ぅまい”ッ…」(ポロポロ
そう言う俺に、兄の安堵を込めたため息を吐き出した声が聞こえた。
泣き続けていた俺を慰めてから兄は仕事の用事で帰って行った。人と話すのが楽しかったのか、一気に疲労が出てくる。
兄から貰った飴玉は既に口の中にはなくなっていて、テーブルに置かれたまだ何粒も残っている飴玉を、また手に取った。
お腹が空いた訳でもなく、でも舐めていたいと思っている今まで吐き出したくないと言って何も食べてこなかった前の自分が居たはずなのに。
袋から飴を取り出して、また口に含ませる。
『まだいっぱいあっからなー?笑』
『どんだけ持ってんのお前笑』
彼との思い出の味は、これだけは、絶対に吐き出したくない。
また泣き出しそうな心の苦しさを感じてしまったが、さっきまでの夫婦の仲睦まじい姿もネガティブに考えていた思考も、全て溶けて消えていたのだった。
「なつはなんでこの子産もうと思ったん?」
運転する兄から放たれた疑問に窓に目を向けてた視線が兄に変わる。
あの後2、3週間病院でお世話になり、お腹の赤ちゃんも14週目になった。
だいたいこの時からつわりは終わりへと変わっていくと言われ、かくなる俺もつわりで倒れる事も減り、今日で退院となった。
病院で受付も 終え、次の検診日も決まり心配するおばあちゃんの元へと車を走らせていっている時、兄から言われた。
赫「産みたい、理由」
「うん、ちゃんと聞いてねぇなって」
赫「…俺の大切な子供だし、堕ろす理由もある訳がないし、」
俺に目を向けずに真っ直ぐ道路を見る兄に、俺は素直に本音を話す。無意識に彼を思い出してしまうこの頭が嫌になる。
「ふーん、見せないの?」
赫「え?」
「お前の夫、確かいるま君だっけ?」
兄の口から吐き出されたその名前に、俺は動揺してしまった。1回も彼の名を吐き出した記憶がないのに
「お前の母さんから聞いたよ?そいつがお前を襲ったんだってな?」
赫「ッ襲ったなんて言い方やめろよっ」
「ごめんって。別に俺はそいつを嫌ってる訳じゃないんよ」
そう言いながらも、さっきの言い方にはトゲがある。納得できずに頬を膨らまして窓の外へと視線を変えた。
夏に来たこの街も少しずつ緑から赤や黄色へと秋の移り変わりが始まっていた。今頃俺が住んでる街は、受験に備えて勉強してる奴らが多いのだろう。
それか秋はイベントが多いし、今だと体育祭の準備中か。それが終わった後にすぐ文化祭の準備も始まって、いるまと2人で筋肉痛だの腰が痛ぇだのぐちぐち言って笑っていた。
今は、俺がいなくなってから彼は1人だけど、別の友達と仲良くしてるんだろう。俺よりクラスとの関わりが多い人気者なんだから
俺とは違う奴らと体育祭の練習をして、よく帰りにクラスから呼び出されて打ち上げをよく誘われていたのに、俺を理由に一緒に帰っていたから、今年は俺がいないし行くつもりなんだろうか。
赫「っ……」
あーあ、焼けちゃうなぁ笑
「お前顔も内面も可愛いし、そんなお前に愛されるなんて、ソイツは幸せな野郎だよ」
赫「!」
「俺だったら、恋人を探し出して嫌がってでも一緒に連れて帰るけどな笑」
彼も、そんな事をしてくれるのだろうか。
車を走らせる音を聞きながら、病院生活でお世話になったオレンジ色の飴玉を口に含ませた。いつになっても、この味は彼が隣にいた俺の学生生活を思い浮かばせた。
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