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-左右特にありませんので好きに想像してください-
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なんの変哲もないある日のこと
スマイルがスマホをいじりながら唐突に聞いてきた
sm「…きりやんって俺のこと嫌いなの?」
…見当違い過ぎて一瞬何を言っているか分からなかった。
kr「…は?何言ってんのお前、んなわけないじゃん。てかなんで?」
sm「えだって、きりやん全然好きとか言わないし、別に俺のこと好きじゃないのかなって」
…そう言われてみると、確かに直接『好き』とかを言ったことはないような気がしてきた。
過去の自分に悪態をつきながら、どうしたものかと考える。とは言え、謝る以外の何も思いつかない訳だから素直に謝る姿勢を作った。
kr「………ごめん。スマイル相手だとどうしてもその、素直になれないっていうか」
スマイルは相変わらずの仏頂面でこちらを見ていた。少しくらい怒っているかと思っていたからか若干だが腹が立った。
kr「てか、お前も別にそういうの言わないじゃん」
sm「それもそうだけど、別にお前だけを責めるつもりで言ったわけじゃない。素直になれないのとかお互い様じゃん、だから直そうぜって話」
その説明に納得はしたものの、それじゃあ素直になりましょうとはならない。色々と難しいのだ。
黙っている俺を見て、スマイルが溜息をついた
sm「…別に、冷たくてもいいけどさ。たまには素直になってみてもよくない?」
「付き合ってんのに何にもないのは、俺でも寂しい」
ここまで言われてしまうと、流石に黙っている訳にもいかなかった。
kr「…分かったって、これからはちゃんと素直になる。だからその、ごめん」
sm「…おう」
素っ気ないけれど、これもスマイルなりの愛情である。本当に、お互い素直じゃない。
kr「…スマイルが寂しいって言うくらいだし、相当俺冷たくしてたよね。……ほんとごめんね」
sm「良いよ別に、その分これからきりやんが俺に優しくしてれば」
kr「善処いたします…」
それに、とスマイルが続ける。
sm「…俺は、きりやんのこと、俺なりに大事に思ってるから。もし素直になれなくても、それだけはお互い分かってるんじゃねぇかなって」
「…お前は違うの?」
ちゃんと言わなきゃ
言わないと、また勘違いさせてしまう。
kr「…違わないよ、俺も大事に思ってる。素直になれないのも、誤魔化すほうが楽だからって逃げてた」
俺がちゃんと大事にしなくてどうするんだよ。
一匹狼みたいに振る舞ってるけど、本当は一緒にいてくれる人がいないとダメなタイプじゃん。
kr「でも、もう逃げないから。スマイルと話す時間…俺は好きだし」
全力で照れを押し殺して言葉を紡いだ。
そうするとスマイルは心底嬉しそうな顔をして
「俺も」と言った。
…明日からはちゃんと素直になろう。