テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
はいテラーノベル更新は3ヶ月ぶり
ヤバい街のヤバい家族に至っては半年ぶりの更新でございます!
これは酷い!
いや、マジで
ホンマにすんませんでした…
小説は筆が進まず
リクエストを募ったはいい物の悪戦苦闘しイラストは半端にしか描けず
リアルが忙しかったのもあるんですけど、普通に八割怠慢です…
言い訳も出来ない
はい、とりあえず今回はね
有馬記念配信に感化されてぺ神さんを書きたいと言う欲望のままに一気に仕上げたものです。
なんかもう久しぶりすぎて出来がどうかとかもよく分かりません!
とんでもない駄作の可能性も全然大ありなのであまり期待はせず読んでください
では、どうぞ……
【隣人編】
あの兄弟に出会ったのは、本当にたまたまだった
30年ほど前の冬の日
あの日はお馬さんの調子が良くて、るんるんと鼻歌を歌いながらお酒を買って家に帰る途中だった。
すっかり日が短くなり、本来夕方と呼べる時間帯だと言うのに空はとっぷりと夜に沈んでいる
俺の主な仕事は『ナニカ』に誘われ来てはいけない場所に迷い込んだ子達を送り帰すこと
だから世界の境目があやふやになってしまう時間の多い冬はあまり好きではなかった。
仕事が増えるのは誰だって嫌だよネ
どこかふわふわとした気分の中歩いていると、街灯の下にある人影が目に留まった
長身の男らしき影がひとつと、手を繋いだ身長差のある子供の影がふたつ
どうやら子供たちは兄弟らしかった。
ぼーっと彼らを眺めていると、いきなり長身の男が兄と思しき子供の手を強く引いた
なんとか手を振り解こうとする子供を見て、咄嗟に体が動いた。
「あー⁉︎やぁっと見つけた!」
「っえ」
『…!』
「も〜!出かけるんやったらちゃんと声かけてって言うとるやろ!」
「…ご、ごめんなさい」
「…で?アンタ誰なん。うちの子に何の用?」
『……あァ、いや…どウやら人違いダったようでス。ゴ迷惑をかけて申し訳ありマせん』
そう言い、男は背を向け歩いて行く
十数歩ほど歩いて行った後、男は闇に溶け消えた。
あの男に見覚えはないが、あの拙い人語を聞くに“なりぞこない”か何かだろう
今度の集会で報告をしなければ
そんな事を考えながら子供たちに向き直る
怯えさせないように、出来るだけ柔らかい表情で
「ごめんなぁ、びっくりしたやろ。怪我してへ、ん…」
思わず、声が詰まった
不安げな表情の少年を前に、ひくりと喉が引き攣る
なんて美味そうな子だろう
底の見えない『素質』と『チカラ』
下手をすればその辺にいる位の低い神なんかよりもずっと…
異種族からすれば極上の餌のようなものだ
今までどうやって身を守って生きてきたのだろう
…いや、“手を出せなかった”のか
白、銀、真珠、クォーツ、オパール、ダイヤモンド
似ているものはいくつも思いつくのに何ひとつ当てはまることのない、透き通った、どこまでも純粋無垢な、そんな瞳
最早恐怖すら覚えるソレに、射抜かれたように身体が動かない
あの…と言う小さく、存外低い声に漸く我に帰った。
「助けていただいて、本当にありがとうございました」
「いッ、いやいや!こっちこそごめんねイキナリ。二人とも怪我してへん?」
「はい、お陰様で…本当に助かりました。弟まで巻き込まれたらどうしようかと…」
心底安心したと言わんばかりにへにゃりと顔を綻ばせる少年に、酷く焦燥感を掻き立てられた
痛ましい自己犠牲、己の身を案じられない厄介な性
嗚呼、きっとこの子は長く生きられない
ふと視線を感じ目線を下げてみれば、こちらをじっと見つめるこれまた綺麗な瞳があった
深い焦茶の中に柘榴のような鮮やかな赤
彼の隣では霞んでしまうけれど、この子も強力な『素質』の持ち主だ
なんて綺麗で、危うい兄弟なのだろう
護ってやらなければ
そう思った。
「二人とも、送って行くから早く家に帰り」
「え…でも」
「さっきの奴、まだ君たちを狙ってるみたいやからね」
「!」
「俺が近くにいる間は、そう簡単には手出せへんから」
だから、安心して
そう言えば、少年は小さく頷いた
でもその瞳の中にあるのは警戒や不信感ではなく、申し訳ないと言わんばかりのこちらへの気遣い
つくづく自分の価値を知らない子だ。
兄の名前はエーミール、弟はトントンという名前らしい。
二人の頭をわしゃっと撫でて歩いて行く
二人は少しポカンとして、照れくさそうに小さく笑った
この子達の両親は、あまりスキンシップを取らないのだろうか?
そんな疑問を抱きつつも軽くお喋りしながら歩いていけば「ここです」と声が上がる
案外俺の家の近くだった
かなり立派な一軒家だったが、電気が付いていない
ご両親はいつ帰ってくるのかと聞けば、もう数ヶ月顔さえ見ていないと言われ思わず大きな声を出してしまった。
「えっ⁉︎ちょっと、ソレ駄目じゃない?家に子供二人だけって…!」
「仕事が忙しいみたいで…弟が生まれてから、特に」
「…ホンマ、今までよく無事やったね」
「?…それは、どう言う…」
警戒心のなさに、ついため息が漏れた
二人とも手を出して、と言えば、素直にふたつの手が差し出される
ペンだこのできた手と、まだ小さくて柔い手にひとつずつ御守りを握らせた
きょとんと同時に首を傾げる子供たちに思わず笑みが浮かんだ
「いい?外に出る時はこの御守り絶対持っててね」
「はい…でも、なんで」
「なんかに巻き込まれそうになったら、その御守りに向かってこう呼んで」
『しんぺい神』
「そしたら、いつでも俺が助けてあげるからね」
「何でそんな事できるん?」
「ん〜?だって」
「俺、神様やもん」
え…と戸惑った声を上げる二人の頭をもう一度撫で、ひらひらと手を振った
「じゃあまたね。トントン、エーミール」
そう言い帰路に着く
後ろから慌てたように「ありがとうございました!」と言う声が聞こえ、またひとつ笑みが溢れた。
家に帰ったら、“あの子たちの場所”に結界も張ってあげよう
特別出血大サービス
僕のお気に入りなんだから、そう簡単に手を出されるのは困る。
まだまだ沢山心配なことはあるけれど、とても気分が良かった
ふと、ある疑問が頭をよぎる
何で今まで、あの子たちに気付かなかった?
あれほどまでに『素質』を…『チカラ』を持って生まれた“人間”に
この場所の、この土地の守神である自分が
何故今日まで
いや
あの子たちの目を見るまで
どうして、気付けなかった?
「…ホントに、面白い子たちだな」
思わず言葉を溢したと同時に、家に着いた
埃が拭き取られ、花が新しくなっている事に気付く
誰のものかもわからない心遣いに、モヤモヤが少し小さくなる。
「…まぁ、あと数十年はあの子たちの観察をしようかな」
とりあえず、一杯やろう
“祠”に手を伸ばしながらそんなことを考えて、お馬さんとお酒以外にも楽しみができた事を柄にもなく素直に喜んでいた
本当にたまたまできた関係
細々と続いたソレがどうにも心地良くて、自分を慕ってくれるのが嬉しくて。
二人の子供はたった数年で、立派に青年と呼べる年になった
その間にもいろんなことがあったけれど、悪いことよりは良いことの方がずっと多かったと思う
あの御守りだって、全く使わなくて良いわけじゃ無かったけど、思っていたよりは平和な日々が過ぎて行って
きっとこのまま、ずっと
そんな自身の、半ば願望に近いソレにかまけていた
自分が“万能の神”でないことぐらい知っていたのに
「…トントン?」
「……しんぺいさん」
久しぶりに名前を呼ばれた
他人の世話になるのをやたらと嫌がる彼らに呼ばれたのは、それこそ何年かぶりだった。
余程厄介なことだろうと急いで来てみれば、そこは彼らの家の中で
御守りを握りしめるトントンの姿だけがあった。
見たところ怪我もなく、周りに危険はなさそうなのに
目の前にいる、心優しく優秀な青年の綺麗な瞳は
怒りと憎しみに満ちていた。
「なぁ、しんぺいさん。頼み、あんねん」
「…な、ぁに?」
「兄さんのこと汚したヤツ、みっけて」
ギラギラと、血液のように揺らぐ瞳に気押された
兄、汚した…つまりは、エーミールに何かあったと言うこと。
「エーミールは…?」
「寝とる」
「様子、見てもええ?」
「……おん」
案内された寝室のベッドに、エーミールが横たわって居た
窶れた顔、濃いくま、細い身体、傷んだ髪
そして微かな血の匂いと、イヤな気配
そりゃあ、トントンが怒る訳だ
赤くなった目元を撫でる
小さく聞こえた呻き声は掠れていた。
「働いとるとこのヤツにやられたんやって」
「名前までは聞き出せへんかってん」
「やから、なぁ、ぺ神」
やったヤツ、見つけてや
地を這うような低い声
憎しみに支配された者の行く末を、俺はよく知っている。
「……悪いけどな、トントン」
「それはできひん」
しっかりと、目を見つめてそう答える
ドクリと揺らぐ空気
重苦しい雰囲気に背筋が伸びた
「何でやな、アンタやったらそんくらい簡単やろ?」
“神様”なんやから
嗚呼、本当に
君たちだけの神様であれたら良かったのにね
「…そうやね、俺は神様や」
「なら」
「でも、神様やから」
「エーミールが傷付くことはできひんねん」
「…は?」
どこまでも、優しい子たちだ。昔から何も変わってない
お互いが大切で仕方ないのだこの子たちは。
大切で大切で、何よりも重いと信じて疑うことが無いから、自分の価値を理解できない。
「トントン、エーミールにとって、お前が一番大事なんや」
「エーミールが優しいんは、お前が一番よく解ってるやろ」
「だから、例えエーミールの為でも、お前だけは穢れたらアカン」
「自分の為に弟が誰かを傷つけたってこの子が知ったら…独りになってしまったら、今度こそホンマに壊れて、取り返しの付かん事になる」
驚いたように目を見開き固まる青年の瞳に、漸く光が灯る
くしゃりと歪む表情
乱暴に目元を擦る姿は幾らか幼く見えた。
ぐしゃぐしゃと頭を撫で、優しく声をかける
「…なるべく、エーミールの…兄ちゃんの傍に居たげるんやで」
「……ぉん」
小さくもしっかりと返された返事に、もう一度頭を撫でる
その後はエーミールの怪我を治療して、染み付いた穢れを取り除いた
穢れと言うのは身体ではなく心に棲みつくモノである。だから全てを取り除く為には本人の心が強くあるのが絶対条件
今無理に全てを取り除こうとするのは返って逆効果なので表面上のモノだけを取り払った。
そこからの記憶がどうも曖昧だ
たしかトントンに見送られて帰路に着いた筈なのだが、そこからどうやって家に帰ったのかは憶えていない。
憶えているのは、体内を灼く様な激しい怒りと、どうしようも無い寂寥感
お気に入りを穢された事、エーミールの異変に気付けなかった事、苦しむ彼らに何もしてやれない事
そして何より
「どうして、俺を呼んでくれなかったの」
あの子たちの傍にずっと居てやれた訳じゃない
でもそれでもあの子たちの事が大切だったし、あの子たちに心を開かれていると言う自信もあった。
あの子たちが特別で、だから御守りを渡していつでも護れるようにして
実際に護ってあげられた事だって何度かあったのに
頼って欲しかった
神様にあるまじき願望だ
神様に頼らなくて良いならそれが一番なのに。
神様としての矜持が、彼らの前ではどうしてか崩れてしまう
200年ほど前、契約として『チカラ』の殆どを捧げた。
それは人々の安寧と平和を願った末の決断で、それを後悔したことだって一度たりとも無かったけれど
今だけは、あの契約さえ忌々しく思ってしまう。
『チカラ』さえあれば、全部全部無かった事にして
何もかも、元通りにだって出来たのに。
解っているのだ
エーミールが自分を頼らなかった理由くらい
優しいあの子は、神様にさえ気を使う
結局は俺もトントンとおんなじだったんだ。
嗚呼
これが、人間に近づき過ぎた罰なのだろうか?
青年たちは、いつしか立派な大人になった。
紆余曲折、様々な事柄に溢れながら、今この瞬間も止まる事なく時間は進み続けている
変わっていくもの、変わらないもの
どうしようもない程騒がしいこの世界で
この街で
「トン氏〜!エミさ〜ん!」
「しんぺいさん!お久しぶりです」
「お久やなぁぺ神」
人間にとっては長い年月が過ぎ、二人の兄弟も随分と変わった
「子供らは?家に居んの?」
「うん。みんなもうテレビ張り付いてるわ…ショッピは用事あって居らんけど」
「アイツ当たる気満々やったからなぁ…欲しい物リストまで作ってたで」
「何ちゅう自信や…」
ある日突然できた彼らの息子たちも、もうお馬さんやお酒にまで手を出せる年齢になったらしい。
まるで色ごとの気配がない二人が子供を三人も連れてきた時は天変地異を疑ったけれど、孫ができたかのような不思議な感覚につい感極まってしまったのも、今となっては懐かしく思う。
「しんぺいさんも買うてるでしょ?せっかくやったら家来ます?」
「いいの?」
「しんぺいさんやったら歓迎するわ。あのボウリング玉が来んのは癪やけど」
「まだ言うてたん…?悪い人やないのに」
「人かあれ」
賑やかな友人を持ったエーミールは勿論、それに小言を言うトントンもなんだかんだ楽しそうだ。
生まれ持ったモノに振り回されながらも他者を思う優しい子
そんな彼に巻き込まれつつも家族を守り続ける優しい子
たくさんの事があった
嬉しい事も苦しい事もたくさん
無意識に周りの者を狂わせてしまうあの子
言えない気持ちを抱えたまま生きていかなければいけないあの子
全て思い通りにはいかなかったとしても
それでも
「早よ行こ、ぺ神」
「しんぺいさんが来たらあの子らも喜ぶわ」
深い焦茶の中に、柘榴のような鮮やかな赤を宿した瞳
何にも例えられない様な、何処までも透き通った瞳
嗚呼
これだけが変わらないで居てくれるのなら、俺は
「ねぇ」
「「うん?」」
例え過去に、何があろうと
いつか消えて失くなってしまうのだとしても
「今は、幸せかい?」
その綺麗な瞳のまま
「当たり前やん」
「勿論ですよ」
その答えが聞けるのならば、それで良いのだ。
しんぺい神 年齢不詳[守り神]
ヤバシティを守る神様のうちのひと柱
元は天界に住んで居たが気まぐれで人間に肩入れする事のない神々の中では異端であり、居場所が無くなり地上へと降りた。
その時たまたま行き着いたのが今のヤバシティがある場所である。
昔は全能と言って良い程の『チカラ』を持っていたが、200年ほど前に現れたとある人間との契約で『チカラ』の殆どを捧げた。
その契約はヤバシティをあの世とこの世の間で安定させる為に『チカラ』を譲ると言うもの。
しんぺい神の他にも数名の神が契約を結び『チカラ』を提供している。
人間に対してはとても友好的で、本来人間が来てはいけない場所に来てしまった際に対処するのが彼の仕事。
エーミールとトントンとの出会いは偶然で、実は彼もエーミールの魔性に踊らされた側。
しかし神様なので他の被害者よりはかなり軽症。
穏やかな性格でお酒とお馬さんが大好き。
エーミールとトントンの保護者的立ち位置として今までもこれからもエーミール一家を影ながら見守っている。
はい!如何でしたでしょうか!
ひっさしぶりの小説更新となりましたが、しんぺいさんの口調が全くもって掴めません(泣)
でも書けるうちに書かないとね
さて今年の後半は殆ど更新ができませんでしたが、作者自身は忙しくもそこそこ充実した1年でございました。
この調子で更新スピードが戻せたら万々歳ですね……
イラストの方も落書きはめちゃくちゃしてるんですが何よりもリクエスト優先なのでね、しばらくは更新が出来ないかもしれないですごめんなさい本当に
リクエストしてくださった方もお待たせしまくってるのでね…覚えてるかどうかも分かりませんが
ちゃんと描いてはいるのでもう少々お待ちください。
それでは、また次の作品で……
コメント
5件
初コメ失礼します ずっと前からストーリーを見ていたのですが、さすがの情報量✨無理しないでゆっくり書いてください!

久しぶりの更新きたぁあああ!!!!!(歓喜)何度も貴方の作品を読み直して更新がくる日を楽しみにしてました!これからも作者様のペースで無理がない程度に頑張ってください!!リクエストに関してはゆっくり気長に待っているので大丈夫ですよ。