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#友達
たつ
53
#成長
ももは
551
#地獄
ユーカ
201
工場の奥。
月明かりが差し込む鉄骨の隙間から、一人の男がゆっくりと姿を現した。
黒衣。
長い外套。
そして、氷のような瞳。
唯我の呼吸が止まる。
忘れるはずがなかった。
何度も夢に見た男。
憎しみの果てに立つ存在。
「……ゼノス」
男は静かに笑った。
「久しぶりだな、唯我」
その瞬間――
唯我の全身から殺気が溢れ出した。
龍焉刀の柄を握る手が軋む。
「今度こそ終わらせる」
「終わらせる?」
ゼノスは小さく笑う。
「なら、まずは教えてやろう」
静寂。
雪混じりの風が吹き込む。
そしてゼノスは告げた。
「あの日、お前の村を襲った部隊を率いていたのは俺だ」
唯我の瞳が揺れる。
ゼノスは続けた。
「そして――」
その声はあまりにも冷たかった。
「お前の父親を殺したのも、この俺だ」
世界から音が消えた。
唯我の脳裏に、血に染まった父の姿が蘇る。
守ろうとしてくれた背中。
最後まで剣を離さなかった男。
「……貴様」
震える声。
怒り。
悲しみ。
後悔。
あらゆる感情が胸の奥で渦を巻く。
しかしその時――
唯我の中で何かが変わった。
憎しみに呑まれるのではない。
乗り越える。
父の教えを胸に。
自分の意志で。
龍焉刀を構える。
その眼差しはかつてないほど鋭かった。
「ありがとう、ゼノス」
ゼノスが眉を動かす。
「何?」
唯我は静かに言った。
「お前のおかげで迷いが消えた」
刀身が月光を反射する。
「ここで終わらせる」
工場の空気が張り詰める。
宿命の再戦。
復讐ではなく――
覚悟を賭けた戦いが、今始まろうとしていた。
コメント
1件
おお…、ついに来ましたね、ゼノス。第38話、ここまで伏線を丁寧に貼ってきたからこそ、唯我の「ありがとう」がすごく深く響きました。憎しみに飲まれるんじゃなくて、父の教えを胸に覚悟を決める——その成長がかっこよすぎます。次が気になって仕方ない…!