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53
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551
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ユーカ
201
ゼノスの身体に無数の斬撃が刻まれる。
鮮血が雪の上に散った。
だが――
「甘い」
ゼノスは笑っていた。
「なに……!?」
唯我の目が見開かれる。
次の瞬間。
ゼノスの拳が唯我の腹部へめり込んだ。
「がはっ……!」
衝撃で吹き飛ばされる唯我。
鉄骨に激突し、床へ転がる。
美鈴が息を呑んだ。
「唯我!」
だが唯我は立ち上がる。
口元から血を流しながらも、その瞳は死んでいなかった。
「そうだ……それでいい」
ゼノスは剣を肩に担ぐ。
「憎しみだけで来るなら失望していた。だが今のお前は違う」
唯我はゆっくり龍焉刀を構えた。
父の言葉が脳裏に響く。
――剣は人を守るために振るうものだ。
母の笑顔。
仲間たちの姿。
美鈴の涙。
すべてが胸の中に重なる。
「俺は復讐のために戦うんじゃない」
唯我の身体から静かな気迫が溢れ始める。
「守るために戦う」
ゼノスの表情が初めて変わった。
「……ほう」
唯我が踏み込む。
地面が砕ける。
龍焉刀に宿る力が限界まで高まる。
「これが俺の答えだ――!」
ゼノスも同時に飛び出した。
二人の姿が消える。
そして――
一閃。
静寂。
数秒後。
ゼノスの胸元に一本の斬線が走った。
「……見事だ」
膝をつくゼノス。
唯我は静かに剣を下ろす。
雪が降る。
まるで長い因縁を包み込むように。
ゼノスは空を見上げながら小さく笑った。
「どうやら……お前は、お前の父を超えたらしいな……」
その言葉に。
唯我は初めて、自分の過去と決別したのだった。
コメント
1件
いやー、第39話読み終わったわ!唯我の「復讐じゃなくて守るために戦う」っていう覚醒、めっちゃグッときた😭 父を超えたってゼノスに言わせるところも熱いし、戦闘描写の解像度が相変わらず高いね。雪の演出も雰囲気あって好きだわ。次も楽しみにしてる🔥