蒸し暑いあの夏の日 、 あの子を私は殺した 。
愛するこの世界を守るためにあの子は己の命を
差し出した 。
本当は私がそうなるはずだったのに 。
気持ちが悪いほどにお人好しな彼女は
最期まで笑顔だった 。
『 おやすみ 、 眠り姫 』
なんて下らない挨拶は
二人だけの薄暗いこの部屋に響き渡った 。
世界はここが中心だとでも言い張るかのように 。
今朝はとても目覚めが悪かった 。
きっと 、 あの気味の悪い夢のせいだ 。
今生きているこの世界も夢であれ 、だなんて
くだらないことを考えてしまう 。
コメント
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