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「きれいだ」
「何が?」
「君が」
「嘘だ。ボクの体は――」
「きれいに決まってる。だから見せて」
「分かった」
彼女はベッドの上で膝立ちの姿勢になり、魅入られたようにブラウスのボタンを一つずつはずしていく。ブラウスもスカートも脱いでベッドの隅に片づけると、腰を落として正座に座り直した。
「きれいだ」
「それしか言えないのか」
「本当にきれいだから」
「童貞のくせに女ったらしみたいなことを言うな」
照れ隠しなのか、後ろ向きになる彼女。
「あとは夏梅が脱がせろ」
「分かった」
彼女は上下おそろいの鮮やかなグリーンの下着を身に着けていた。動画の中の彼女はどんな色の下着を身に着けていたっけ? 薄いピンク色だった気がする。これから好きな色はと聞かれたら緑と、嫌いな色はと聞かれたらピンクと答えよう。
生まれて初めて女の子のブラジャーを脱がせた。彼女が僕に背中を見せたのは僕がブラをはずしやすいように気を遣ったのだと分かった。僕の方を向いたままならうまく脱がせられなかったと思う。
それから彼女を仰向けに寝かせてショーツも脱がせた。動画で見た通りの白い下半身と黒い茂みが現れた。でも動画の彼女と目の前の彼女は違う。動画の彼女は陸たちのセフレで、目の前の彼女は僕の恋人。世界で一番大切な、僕の人生になくてはならない人だ。
「きれいだ」
もう彼女は嘘だとは言わなかった。