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ブロンド色の長い髪を、右手で撫でる。胸からひく、ひく喉の声がする。シャツが濡れる。彼女の身体は小刻みに震えている。
プナールは顔をあげた。右手を止める。
「ありがとう」
と彼女は言った。俺は、首を横に振った。
再び髪を撫でると、プナールは胸に戻った。固く、固く俺の身体を抱きしめながら。
身体が、温かい。シャツが、冷たい。
土の匂いがする。葉の揺れる音がする。湿気の混じった風が肌に触れる。