橙「ん〜、」
橙「今日も都は平和やなぁ…」
今日も今日とて、姿の見えぬような術を己にかけ、西の街をのらりくらりと見て回る。
この国には『四神』という守り神が存在する。
東の青龍、南の朱雀、北の玄武、そして西の白虎ことうるみや。
基本的に四神の役割は国を東西南北に4分割した自分の地域を護ること。
そして、国民の信仰対象として良い方向に導くこと。
うるみやには商業施設や繁華街の多い西区域の神様。
人が集まることの多いこの区域ではでは毎日の見回りが欠かせないのだ。
橙「最近はごたごたが片付いて治安も良くなったから四神みんなで顔合わせてもええかなぁ?」
基本的に四神が集まることはあまりない。
現に、お世話になった朱雀の代替わりのときに顔を合わせた以降500年ほど四神が集まったことはない。
橙「玄武は危なっかしいやつやったからなぁ…」
橙「元気にしとるやろか…」
「びゃっこ、さま…?」
自分を呼ぶ声がした。
術をかけているはずなのに。
橙「なっ…」
「おとうさんがいってたとおりだ?!」
橙「君うる…じゃなくて自分が見えるんか?」
「うん!」
青「おれはね!しゃるろっていうんだ!」
橙「そ、う、なんやね…」
橙「なんでしゃる…?は」
青「しゃるろ!」
橙「しゃるのほうが呼びやすいししゃるでもええやろ?」
橙「まあええわ」
橙「なんで白虎がみえるん?術かけとるはずなんやけど…」
青「わかんないw!」
青「びゃっこさまはなにしてたの?」
橙「街の見回りやで〜」
青「おれもついていきた〜い!」
橙「まじで言っとる?」
青「うん!」
橙「う〜ん…まぁ邪魔せんならええよ」
青「やったぁ!!!」
青「そうやって俺を一緒に見回りに連れてってくれたの、覚えてる?」
橙「覚えとる、覚えとるよ」
青「あの頃から全然変わってないよねw」
橙「そりゃ、神様は長寿やからな」
青「俺、東区域にいたときも白虎様のこと考えてたから」
橙「ちゃんと青龍のこと崇めてやれや…w」
青「白虎様は?」
橙「何百年生きとると思っとんねん」
橙「たった十数年ぐらい…」
青「寂しかったくせにw」
この二人が愛し合うまであと一ヶ月。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!