テラーノベル
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私が真っ先に描ことしたのは迷うことなく ’小鳥’だった。
キーホルダーのことを私から話すのもなかなか勇気のいる事だった。
[最初にカフェでお会いした時に小鳥のキーホルダーを見て…多分一対の片方だと思うんですけど私も同じの持っているんです!]と軽く言えば取り立ててハードルの高い事ではないのだけど…。
次に会った時も何度か言おうとしたけど言い出せずにいた。
その返答が予想もしてないことで ガッカリや怖さや何かわからないが私にとって良くない場合を想定してしまっていたからだ。
そう。持ち前のマイナスモードの発動だ。
小鳥を描くのにキーホルダーを見ながら描きたかったがもちろんそれは出来ない。
下手な上に思い出しながら想像して描かなければならない訳だから似ても似つかない物を描き上げてしまう可能性大である。
(とりあえず鳥に見える様に描かないと。)
今私は確実にこの教室イチ低レベルなテーマを掲げて取り組もうとしている。
「お姉さん何描くのかなぁー」
「大人はめっちゃ上手いよね〜お姉さんの絵楽しみ!」
「えー、差がつくからお姉さん本気出さないでねぇ〜」
子供達は口々にそんな事を言っている。
私がとりあえず鳥には見える様に描かないと…などと思っているレベルなんて想像もしていないだろう。
今から描く絵がキーホルダーの話しや絃さんの素性に繋げられるかどうかにかかっているので、下手な絵が恥ずかしいのと相まって最高潮のドキドキの中絵筆をとった。
コメント
1件
第38話、読みました……!主人公が小鳥のキーホルダーを思い出しながら絵を描くって設定、すごく切なくて刺さりました。子供たちの無邪気な「お姉さん上手いよね〜」って言葉が、内心のドキドキや不安とギャップになってて、読んでて胸がぎゅっとなりました。キーホルダーの話を切り出せなかった過去の“マイナスモード”も、すごくリアルで共感します。絃さんの素性に繋げられるかどうか、って緊張感がいいですね。続きが気になります🕊️