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全身がダイヤモンドでできているドラゴンか……。売ったら結構な額になりそうだな……。
「私の前から消え失せろ! 人間!!」
「人間が嫌いなのか……。まあ、分からなくはないが」
「お前に何が分かる!!」
俺はダイヤモンドの破片が混じっているブレスを回避しながらやつの背中の上に飛び乗った。
「分かるよ。俺も人間嫌いだから」
「嘘をつくな!!」
やつは背中からダイヤモンド製のトゲを生やした。俺はそれを回避するために背中から飛び降りた。
「くらえ! ダイヤモンドレイン!!」
雨は雨でもダイヤモンドでできたトゲの雨だな。射程範囲が広すぎたため俺は回避できなかったが死にはしなかった。
「……終わったな」
「終わってねえよ。あと、ちゃんとこっち見ろよ! お前は誰と戦ってるんだ!!」
「ハチの巣状態で何ができる?」
「色々できるぞ。例えば……お前を倒せる」
「不可能だ! さっさと死ね!!」
やつは再びダイヤモンドレインを使用する。先ほどより質がいいし量も増えている。このまま何もしなかったら確実に死ぬな。まあ、心臓は何かしそうだが。
「ガブッ! もぐもぐ……ガブッ! もぐ……ガブッ!!」
「な、なんだ! それは!!」
「え? もしかして知らないのか? 俺の体の中にある心臓は俺のものじゃない。とある蛇神《じゃしん》のものなんだよ」
「な、なんだと! そんな話、聞いてないぞ!!」
「こいつは基本なんでも食べる。そして……」
例の心臓はやつのトゲから剣を作った。何本あるかは分からないがとにかくたくさん作った。
「こんなこともできる」
「ば、バカな! 私のトゲを再構成しただと!?」
「驚くのはまだ早いぞ。いでよ! ダイヤモンドラゴン!」
「な、なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「さて、コピーとオリジナルどっちが勝つかなー」
「私が偽物に負けるわけがない! さぁ! 来い! 私の偽物!!」
「あっ、そいつ倒しても自動的にまたそいつ出てくるから疲れたら言えよ。そいつ、お前を倒すことしか考えてないから」
「な、なんだと!? それを先に言え! 私より化け物ではないか! う、うわあああああああああああああああ!!」
あっ、しまった。あいつが倒したらじゃなくてあいつがばら撒いたトゲの数だけ増えるように設定してた。
「あー、えーっと、大丈夫か?」
「だ、大丈夫……だ」
「ごめん。なんかごめん」
「いや、今ので自分が複数いると勝てないことが分かった。感謝する」
「そうか。えっと、試練はこれで終わりか?」
「ああ、終わりだ」
「そっか。じゃあ、これからよろしくな、ダイヤモンドラゴン」
「人間と握手などしたくないが、お前は私の主《あるじ》だ。だから、その……こ、これからよろしく頼むぞ、ナオト」
「あれ? 俺、お前に名前言ったっけ?」
「私は誕生石のリーダー的な存在だ。皆《みな》のことは全て分かる」
「そうか。つまり、ずっと俺のこと見てたんだな?」
「ず、ずっとではない! 少しだけだ!!」
「えー? 本当かなー?」
「本当だ! 信じてくれ!」
「うーん、どうしようかなー」
「頼む! 信じてくれ!! お願いだ!!」
「はいはい、分かった分かった。さてと、これからどうしようかなー」
「……やっと見つけた」
ん? この声、どっかで聞いたことあるような……気のせいかな?