※実際の団体、個人とは無関係です。
※ボイドラ時空でお送りします。
※成人向けに準ずる表現があります。ご注意ください。
※その他捏造した設定が多く含まれます。
「かーなと、俺の服でなにしてんの?」
いやに近くで聞こえた声に、奏斗の尾は1秒も経たずに倍ほどの大きさへ膨らんだ。それから振り返ろうと体ごと顔を向けると、目の前が真っ暗になった。と、同時にハリのある柔らかさを顔全体に感じた。
「わっぷ…!」
「あぇ?」
再度顔をあげると気の抜けた顔をするセラフと目が合った。
一体どこから現れたのか、と思いながらとにかく距離をとろうと足で床を強く蹴り出す。が、すでにセラフの両腕は奏斗の背を捉えており、身動きを封じられた。ぎゅっときつく抱き寄せられ、奏斗は抵抗虚しくセラフの腕の中へ収まった。
「俺の服、いい匂いした?」
「……。」
笑みを殺しきれていないセラフからの問いに、太くなったままの尻尾を機嫌悪く左右へ振り、耳を後ろ向きに倒す奏斗。
もごもごと数回、口の中で言葉を咀嚼し、小さく吐き出した。
「ぃ…い、…匂い、だった。柔軟剤の……」
「ふーん、そっか。…じゃあ、今は?”俺”の匂いは?」
「それは…ッ、てか、離せよっ…!」
言い淀みながらセラフの胸を押し、なんとか離れようと奏斗は全身の力を込める。しかしそれに怯む様子もなく、セラフは距離をさらに縮めた。
「…教えて、奏斗」
耳の中へ吹き込ませるように言われた言葉に、ぶわりと全身の毛が逆立つ。それと同時に足腰から力が抜けていき、その場へとへたり込んでしまった奏斗。
甘い匂いを振り撒いてなお懸命に諸悪の根源のαから逃げようと試みる。
「っざけんなよ!!マジで!…も、なんなんだよ…ッ、セラフのバカ!やだ、ッやだってば !」
「んふ、また発情してきた?」
しかし、腰の抜けた猫を捕まえることなどセラフには容易なことで、這って逃げる奏斗を後ろから軽々と抱きかかえた。
嫌々と身を捩って拒否をする様子はだっこをむずがる子猫のようでセラフには愛らしく思えてしまう。
「うぅ゙ー……! フシャーーッ!!」
警戒心の強い野良猫よろしく歯をむき出して威嚇する奏斗を優しくソファーへ下ろし、その勢いのまま上へ覆い被さる。
「ねぇ、奏斗。俺ね、奏斗のこと好きかもしれないの。……だから、確かめさせて。」
「頭、イッてんだろ、お前…!いやだっ、離せよ!」
セラフは右の手で奏斗の背中へ指を這わせ、腰まで滑らせる。尻尾の付け根まで辿り、着いた先をとんとんと軽く叩く。
「ッ…!?あゃっ、や、…にゃぁ、っ…なぁーぅ…なぅう…っ♡」
激しく威嚇をしていた先ほどとは打って変わって、くったりと力なくソファーへ体を預ける奏斗。セラフは叩く手を止めないまま上がっていく呼吸を奪うように奏斗と唇を重ねた。熱い 舌を絡めあっては唾液が唇の端を伝って顎まで垂れていく。
「あ゛ー……発情期やっば…」
くらくらとめまいに似た感覚に、セラフは本能的な危機感を覚えながら、夢に出てきたあの金色の毛並みを満足するまで堪能した。
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