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「月、いい加減告れば?」
「だからこのままでいいって言ってるでしょ?」
私は音水月。そして今話しているのが親友の宇野恋雪ちゃん。私は1年生の時から一条亜嵐くんに片思いをしている。
「ちぇー。」
恋雪ちゃんはずっと告れ告れと言ってくる。
「月にも事情があるんだよ。ね。」
「璃音!そうそう。」
鈴峰璃音は同じ吹奏楽部員の男子で、部内で1番と言っていいほど楽器がうまい。
チャイムがなり、私たちは席に着いた。
私たちのクラスは美術室から帰ってくるところで、他クラスとすれ違った。
「通れないね」
「ね。」
仕方なく立ち止まって通り過ぎるのを待っていると
「なあ、あれって…」
「ああ、田中の…」
ああ、まただ。
「やだなぁ。」
「もう、気にしない!中学の時のことなんでしょ?」
「まぁそうなんだけどさ」
私は、中学の時にとある男子に告白をした。
振られてしまったけれど。
忘れたいのに、環境が忘れさせてくれない。
しかもその男子とは高校も一緒になってしまった。泣きっ面に蜂である。
「ほら、行くよ」
「うん、ありがと」