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いつも世界観がとても凝られていて尊敬します🥲全部大好きです🫠

あまり吸血鬼とかの話を見たことがなかったんですけどこの話みてハマっちゃたかもしれないです。 私に吸血鬼の良さを教えてくれてありがとうございます😭
もはや名前お借りしてるだけ
キャラ&口調崩壊が加速
ご都合展開気味
学パロ
R15?くらいの描写あり
tt side
この世の中には、人間だけではなく吸血鬼も存在する。
漫画の世界かよ、と信じられないかもしれないがこれがマジなのである。
なんでも、一説によると今よりはるか昔吸血鬼が地球に攻め込んできて、共生を条件に住み着いたらしいとか。
まぁ、あくまで数ある説の一つだし半ば信じていないけど。
でも吸血鬼がいるのは事実で、毎日ニュースや新聞などで吸血鬼が暴走しただの吸血鬼が人を襲って血を吸い尽くす犯罪行為がだの報道されている。
現代の吸血鬼はなんとも人間とそっくりで、昔から吸血鬼が苦手だと言われていた日光、十字架、ニンニク、流水など全て克服しているやつがごまんと出てくるようになっていっていた。
危険な吸血鬼が、日常に潜んでいるかもしれない。そう考えて俺はほんの少しだけ吸血鬼に苦手意識を持つようになっていた。
キーンコーンカーンコーン。
4限目の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。気だるげな係の号令でお情け程度のお辞儀をした。
皆弁当だったり購買にダッシュで向かったりして賑やかになり始める。
かくいう俺はと言うと…
「テツ、昼飯食おーぜ」
「リト君毎度誘ってくれてありがとう…マジで…」
同じクラスの友達であるリト君と毎日と言っても過言では無いほど一緒に昼ご飯を食べている。
「あれ、
マナ君とウェン君は誘わなくていいの?」
「文化祭近ぇだろ? 2人実行委員だから、
会議がてら向こうで食ってくるって」
いつもなら別クラスの友達のマナ君とウェン君もいるのだが、今日は別のところで食べるらしくリト君と2人きりで食べることになった。
空き教室を探して机を向かい合わせになるようくっつけると、それぞれ弁当箱の蓋を開け手を合わせる。
「「いただきます! 」」
毎度の如く揃う声に慣れてしまい、お互い触れることなく平然と食べ進めていく。
リト君は弁当とプラスでパックジュースを飲んでいた。
それを見て、俺はふと気づいたことを口にした。
「リト君さぁ、それいつも飲んでるよね」
「お〜…これ?」
俺に言われてリト君はパックジュースを軽く掲げた。
それはリト君がいつも飲んでいるもので、トマトジュースらしい。
彼はどちらかというとコーヒーとかのカフェイン飲料をよく好んで飲んでいるイメージなので意外だ。
「俺の弁当茶色しかねぇからな〜」
リト君はそう笑ってまたパックに挿しているストローを口に運ぶ。
プラスチック製で半透明なそれが、一瞬にしてトマトジュースの赤に薄く染まった後すぐに元に戻った。
俺はふっと鼻で笑い、中身を食べ終え空っぽになった弁当箱を片付け、いつものぶどう味の棒付き飴の包装を剥がし口に突っ込む。
「笑ってスルーしてんじゃねぇよお前」
「い゛っっってぇッ!!」
それが気に食わなかったのか、げし、と足のスネに蹴りを入れられる。
その痛みに思わず飛び上がるようにガタッと椅子をずらした。それを見てリト君は鶏のような笑い声を上げた。
クッソ…見せもんじゃねぇぞ小童ァ…を睨みつけるも効果はなかった。
と、授業開始五分前の予鈴が鳴る。急いでお互いにジュースを飲み干し飴を噛み砕き、「次移動教室」、「何階?」、「五階」、「ふざけんなここ二階だぞ」、「サボるか」、「流石に駄目でしょ」、「あと三分」、「ヤバい急げ」と会話しながらドタバタと空き教室を飛び出し走り始めたのだった。
「終わった〜…」
放課後の日直の仕事も終わらせぐ、と伸びをする。
普段ならこの後、演劇同好会に活動しに行くのだが今日は生憎休みなので、予定も特にないしこのまま家へ直帰だ。
「テツ〜、今日同好会なかったよな?
せっかくだしどっか寄り道するか」
「え、行きたい!」
「マナとウェンは…あ〜、 部活っぽいな」
教室で待ってくれていたリト君の誘いで寄り道していくことになった。
でも、マナ君は軽音部、ウェン君は料理部の活動があるらしく、誘いのメッセージを送っても「ごめんな!!」「二人で行ってきな〜?」という旨の返信が返ってくる。
それぞれスタンプを送ってやり取りを終わらせると、鞄を背負って教室を出る。鍵は最終的に先生が閉めてくれるらしいのでありがたい。
どこに行こうか、と相談しながら歩く。
最近できたファミレスのメニューが美味しいらしいとか、いつものゲーセンもありとか、お互い特に門限ないし少し遠くに行ってみるかとか、いくつも候補が上がってなかなか決まらない。
割とゆっくりめに歩いて校門を抜けた時、スマホでマップを開き場所を探していたリト君が不意にばっと顔を上げた。その顔はひと目見ただけで焦っているのがわかる表情である。
「…?、リト君どうしたの?」
「っわりぃテツ!俺学校に忘れもん!!」
そこで待っとけ、と言い残すと明らかに顔を青ざめさせながら走って校舎に逆戻りしていった。
何を忘れたのだろうか?確かリト君の英語授業の発展クラス、明日英単語テストがあるんだっけか、多分それか?単語帳でも忘れたのかな。いやでもリト君英語得意だしあんな焦り方はしないだろ流石に。
一人で考えながらリト君を待つ。が、いつまでたっても戻って来る様子がなかった。戻って来る足音すら聞こえない。
なにかあったのだろうか?それとも忘れ物が見つからない?どちらにせよあんなに慌てていたのだ。大変なことにかわりはない。
俺は足早に校舎内に入り教室を目指した。
もう既に生徒が帰った後らしく、昼頃とは比べ物にならないくらいしんとしていて静かだった。
きょろきょろとあたりを見回しながら自分の教室のドアのガラス部分から中を覗く。
すると、壁にもたれかかっているリト君を見つけた。明らかに様子がおかしい。
急いでドアを開けリト君のそばに駆け寄る。リト君は突然俺が来たことに驚きの表情を浮かべていたが、すぐに片手で口を覆った。
「リト君大丈夫?!具合悪いの?!」
「…ッ、」
顔を青ざめさせたリト君は何も言わずただ首を横に振った。
大丈夫、と伝えたいのだろうか。いくらなんでもそれは無理がある。
「た、のむ…離れてくんね、てつ…」
リト君はそう喋ると開いている方の片手で俺を優しく押した。
「ぉれ、お前のこと…傷つけ、たくねぇ」
何言って、そんな状態の君を放っておけない、と口にしようとすると、急にポケットに入れていたスマホがけたたましく警報のような音を鳴らし始めた。
『半径500m内に、興奮状態及び血液不足の吸血鬼がいます。
直ちに避難・警備部隊への通報を。繰り返します。…』
警報は同じ文章を何回か繰り返すとピタリと止まった。その内容に俺ははっと息を呑む。リト君は表情を曇らせた。
まさか。でも今までそんな仕草一度も。
「も、しかしてリト君…吸血鬼、なの?」
「…、」
無言。だがそれは、同時に肯定の意味もあった。
いよいよリト君の呼吸も荒くなり始める。抑えていた手からは、は、と短い息が漏れていた。
その指の隙間から、ちらりと少し尖った歯が見えた。
多分、今すぐにでも血を吸いたいのだろう。でも、必死に耐えているのだ。
なんとかしたい。俺はそう思って肩にかけていた制服の上着を脱ぎ雑に床に放り出す。鞄もその場にどかした。
元々全てのボタンを開けていたシャツを下に着ていた黒い半袖と一緒に左側の首筋が見えるようにずらすとリト君に近づいた。
リト君はすぐに俺の意図を理解したらしい。
「…だめだ、」
「なんで」
「言ったろ、…傷、つけたくねぇんだって、」
「リト君、俺君になら何されてもいいよ」
俺がそう言うとリト君は目を大きく見開く。
もちろん本心である。こんな所で嘘をつくほど空気が読めない馬鹿ではない。
ただじっと、本人の了承を待つ。
と、急にぐるりと視点が回り、今度は俺が壁にもたれている状態になった。両手も、壁に痛くならない程度に押し付けられ固定される。
「…ごめん、」
リト君は苦しそうにそう言って、晒された俺の首筋に顔を埋めた。ふわふわの彼の跳ね毛が首に当たってくすぐったい。
いきなり噛まれるかと内心身構えていたが、首筋にぬるりとした感覚が走った。思わず声が上がる。
「っ、ひ、ぅ」
「なるべく、痛くしねぇから…」
くぐもった声が聞こえる。舌で首筋を舐めているらしい。感じたことのない感覚に体がぴく、と震えた。
何回か繰り返されると、ついにあ、と口を開けられた。肌に尖った歯があてられ、つぷ、と刺さる音がした。
痛みに備えてきゅ、と目を瞑るが、痛みはほんの一瞬だけだった。それに驚いている間にもどんどん歯が肌の中に沈んでいく感覚がする。
「ッあ?ひぁ、んぅっ?!」
「…んく、ん、」
噛まれたところから血が吸われていく。ぴりぴりとした気持ちよさが全身に駆け巡り、生理的な涙が出始める。
沸騰したように体に熱が生まれ、頭の中までふわふわしてきた。手は先述した通り壁に押し付けられているので身を捩ることすらかなわない。
「やッ、リトく、ぅあ、」
思わずリト君に声を掛ける。じゅ、ちゅる、と控えめに吸われる音がした。
リト君はやっとぷは、と口を離すと、無言のまま噛んだ痕がついている箇所をまた舐め始めた。
するりと後頭部と背中に手が添えられる。俺は解放された手でリト君の服をきゅ、と掴んだ。
完全に顔を離されると、痕はすっかり消えていた。治癒作用なんかがあったのだろうか。
「ッごめん、痛かったか?」
「ぜ、んぜん…だいじょうぶ、」
むしろ痛みよりも吸血による気持ちよさが大丈夫じゃない、と内心思うが口には出さなかった。
心配されながらずらした半袖とシャツを直された。
滲んだ涙を指で拭い顔を上げると、リト君とばち、と目が合う。が、すぐに逸らされた。
「ぇ、な、なに?どうしたのリト君」
「…なんでも、」
「嘘だぁ!絶対なんかある反応だったろさっき!!」
「だからなんもねぇって!!」
すっかり顔色がもとに戻ったリト君とわーわーぎゃーぎゃーと軽口が始まる。いつもの俺達である。
俺に詰められ観念したのか、リト君は申し訳なさそうにおずおずと口を開いた。
「…うまかった、テツん血。
今までで一番」
「…。そ、れはいいことなの…?」
「引くなよ…だから言いたくなかったのに…」
珍しくぺしょぺしょなリト君になんかごめん、と言いながら俺は疑問を口にした。
「でも、リト君今までこんなことなかったよね?
なんで今日急に?」
「…多分、今日分の輸血が足りなかった」
話を聞くと、今日の昼話したパックジュースはトマトジュースではなく輸血だったらしい。どうやら吸血鬼は一日に一定量以上の血を摂取しないと栄養不足になるようだ。
だが、リト君は困ったことに最近いつもの量の輸血だけでは足りなくなったみたいで、日に日に増やしていた。輸血にもお金がかかるし大変だ。
今日は輸血を比較的少ない量しか摂取していなかったがためにさっきのような状態になってしまったのだという。
それにしては吸われた血の量が少なくない?とも思ったが、輸血よりも生きている人間の血のほうが栄養価が高いようでなるほど、と納得した。
…いやなるほどとか言ってる場合ではない。
「ぇ、明日とか大丈夫なの?」
「分かんねぇ…飲む量増やしてみるけど、」
またリト君の顔が曇る。そりゃそうだ。いつまたあの状態になってしまってもおかしくないのだから。
ならば俺はどうすればいいのか。結論はとっくのとうに出ていた。
「リト君、あのさ…
それなら俺の血、吸っていいよ」
「は、?何言って、」
「輸血より栄養価、高いんだろ?
だったら毎日吸ったら今日みたいにならないでしょ」
「っだから、俺お前のこと傷つけたくないって
だし、仮にそうしたらテツが貧血でいつかぶっ倒れるぞ」
「この健康優良不良男児サマを舐めるなよ」
「そういう話じゃねんだよ」
軽くぱしんとはたかれる。一見ふざけているようにしか見えないが、お互いにお互いの心情を探っているような状態だ。
「貧血になっても
リト君が面倒みてくれたらいいよそれで」
「でも俺はそれが、」
「あ゛ーもう!
俺君に何されてもいいって言ったよねさっき!!」
まだ口ごもりなかなか同意してくれないリト君を勢いで押し切ろうとする。
俺のこと心配しすぎだ馬鹿野郎。少しは自分の身のことも考えてやれよ。
そう内心思うが言わない。代わりに反論する隙を与えないようにまくしたてる。
「あのね、俺がいいよって言ってんだからいいんだよ!
貧血?百も承知ですわァ!平気よ平気!!」
「…わ、かった。じゃぁ、頼むわ
悪ぃ、ほんとごめんなテツ」
「こういう時ありがとうって
言ってほしいんだけどな俺は!」
「…!、ふ、ありがとな」
俺の言葉にリト君は目を大きく見開くと、そこからやっとあの太陽のような笑顔を見せて笑った。
あぁ、やっぱり君は笑顔が似合うな。改めてそう感じた。
そしてこの日から、恋人でもないただの友達、もっと大げさに言うのであれば親友又は悪友であった俺達に「一日一回吸血をする、される」という、どこか歪な関係が加わったのだった。
END…?
この世界線の吸血鬼について
世界人口の約2割を締めている。いつ住み着いたのか、定着したのかは不明。
現代では昔から吸血鬼払いに使われていたものを全て克服した個体が続出。
その遺伝子が引き継がれ、完全に人間と区別できないレベルにまで至っている。
人間よりもより長い寿命を持っており、200年以上も生きている者もザラ。
吸血鬼は人間と同じ食を摂ることができるが、血を一定量摂取しなければ栄養不足になる。
栄養不足になると、血を求めて人を襲ったり合意なしの吸血行為に及ぶ可能性がある。
輸血よりも生きている人間の血のほうが栄養が高く、摂取量も輸血より少なくて済む。
吸血鬼の舌には消毒、治癒、麻痺の効果が、牙には痛みを快感に変換する効果がある。
吸血鬼はパートナーを選ぶことが出来、そのパートナーの血を吸う際に
牙を経由して自身の血をパートナー側に流し込むことで印を刻み他の吸血鬼除けにすることができる。
また、迷信ではあるがお互い同じ想いを持つ者同士で行われる吸血は、
吸われる側の人間の血が吸う吸血鬼側にとってとびきり美味しく感じられるとか、られないとか。
ちなみに吸われる側もより多くの快感を拾うようになるとか、ならないとか。
(伏せ字に特に意味はない)登場人物紹介
tt
高校ニ年生のA組。
実はピアスは校則違反なのでバレないようにつけている。
飴とラムネを常備している。彼女いない歴=年齢。
色々と無自覚タイプ。
rt君なら俺が本気で嫌がることしないでしょという、
rtに対して揺るがない絶対的な信頼がある。
rtが吸血鬼だということで内心驚いているが、
吸血鬼だろうとrt君はrt君だろ、と意外にも冷静だった。
吸血鬼に苦手意識を持っているがrtは平気。
rtに血を吸われる際、いつも気持ちよさを感じてしまうので
何かの病気?!と内心焦っている。
最近rtが飲む輸血の量が昼食の一つだけになっているのを見て
役に立てているようで嬉しく思っている。
rt
ttと同じ高校、同じクラス。
同じくピアスを付けているがもちろん校則違反。
なので見つかった時はttも巻き込みに行く。
この日、血液不足による症状が出始めていることにいち早く気づいて
ttと距離を取るために咄嗟に忘れ物をしたと言い訳をした。
ttが吸血鬼が苦手だということを聞かされていたため
バレた時にマズい、終わったと思っていた。
血を吸っていいと言うttにコイツそう簡単に
許して大丈夫か…?と内心心配している。
吸血する際毎回何も知らずに与えられる気持ちよさに
困惑しているttにあ〜…かわい、と無自覚に思っている。
それはそれとして貧血にしたいわけではないので
なるべく細心の注意を払って吸いすぎないようにしている。
それでも実際、輸血パックは一日一つ昼食時に
飲むだけでいいほどになっている。
皆様どうでしたか…
実はこのお話、突然動画のおすすめに吸血鬼の恋愛ものの少女漫画が
流れてきたもので無性に書きたくなり生成されたものなんですよ
なので設定似てる所あるかもしれません
とはいえなんだこのご都合展開…
人を選ぶような作品になってしまったなぁと…
書かない間に下手になっているし…
もっと頑張ります…