どーも!こんぺーとーです!
長らくお待たせ致しました!すみません
今回はばじふゆです!
⚠️注意⚠️
BL
ばじふゆ
非現実的
それでもいいよって方はどーぞ!
電車の乗り合わせが悪かった。
目の前で電車が閉まった。
最前列、初夏のホーム
少しぬるい風が吹きぬける。
俺は松野千冬。これは俺の尊敬した人が死んだ年の約2年後の話────
千冬 「あっちぃ…」
ボソッと呟く。ここは田舎のホーム
人なんていやしない、昼下がり
なぜだか、今日は不思議な感覚がある。
なんでもできそうな、そんな予感。
「…まもなく、◯番線に列車が通過いたします」
ホームにアナウンスが響く
あぁ、またうるさい音を聞かないといけんのか、と思う
しかし、俺はこの後驚くことを体験する
なんとなく見た貨物列車。コンテナが積まれている。見慣れた光景だ。だけど、今日は────
あれ?人乗ってね?気のせいではない。
先頭の方に
黒髪に白いジャケットを羽織った人がいる。
一瞬だ。一瞬で通りすぎた
だけど、俺はわかった。場地さんだ
絶対にちがいない。服はバルハラのものだと言われればそう見える。
こうなったら、電車に乗り移るしかない。
幸い、誰もいないホーム。
俺は一番後ろの何も積んでいない場所に飛び移るため、ホームの壁まで下がる。
そして、、
勢いよく飛びだし、空中を走る。
なんとか上手く飛び移れた。あとは人にばれないよう、コンテナを登り、場地さんに会いに行くだけだ、
しかし、コンテナに登るのが酷だった。なんせ、足を引っ掻ける部分がほぼ無い。
落ちたら確定で死。もう、それは覚悟していた。
どうせ死んでも場地さんに会えるし
だから、、
今はとにかく場地さんと話したかった。
怖いものなど何もなかった
俺は無我夢中で手を伸ばし、もがいて
やっとのことでコンテナに乗った
不安定な足場
不規則に動く電車
カーブなんて来たらたまったもんじゃない
それでも俺はゆっくり
まるで生まれたての小鹿のように立ち上がる
ところどころにある列車を繋ぐ空間
大きなカーブ
トンネル
その度に死を覚悟する
それでもなんとか乗り越えて、
場地さんに会うために足を進めた
やっと見えた場地さんの背中
60分、ひたすらに足を動かし続けた俺は
すでに疲れ果てていた
それでも、後ろ姿を見るだけで
すべて吹き飛ばされたような気がしたんだ
そこからはもう、覚えていない
本当に一瞬で場地さんの待つ、先頭車両に着いた
そしてそっと、場地さんの隣に腰を下ろす
千冬 「場地さん」
場地 「千冬…?」
千冬 「はい!」
あぁ、久しぶりだ。場地さんだ
会いたかった。
懐かしい横顔を見ながら俺は涙を流していた
場地 「お前、ここがどこだかわかってんの?」
千冬 「?貨物列車の上ですけど」
場地 「なに、当たり前みたいな感じで言うんだよw」
千冬 「あ、たしかにw」
千冬はなにが話したかったのかわからなかった
とにかく嬉しくて
話したいことの1つもでなかった
千冬 「場地さんはどうして急に?」
場地 「あぁ、それはな」
場地 「愛する人を探すため」
千冬 「え?」
場地 「幽霊ってもんは愛する人ともう一度会いたいって思う気持ちが強くないとなれねぇもんなんだと」
場地 「なんか白い服着たおばさんが言ってた」
千冬 「へ、へぇ」
場地 「んで、会えたら消えるんだって」
千冬は複雑な気持ちだった。尊敬する場地さんにも愛する人がいるんだなぁって
同時に、この事に嫉妬する俺は場地さんが好きなんだ、とも実感した
千冬 「そ、そうなんですね」
場地 「まあ、俺愛する人なんかわかんないけど」
千冬 「それなのにこっちに来れたんですかw?」
場地 「まあな」
場地 「ゆっくり探すわ」
千冬 「そうしたら俺も手伝います!」
千冬はちょっと胸が痛む。見つかってしまったら、、消えてしまうのだから
そこから、場地と千冬はお互いにこの2年間なにがあったのかゆっくりと話した
場地 「あ、そういや、真一郎に会えたわ」
千冬 「真一郎?」
場地 「マイキーの兄貴」
千冬 「あぁ」
場地 「あ、あとエマも来やがったな」
千冬 「…そうですよね」
場地 「まあ、楽しそうだぞ」
千冬 「それなら良かったです」
場地 「千冬は?」
千冬 「俺は、場地さんの夢だったペットショップをするために勉強してます!」
場地 「おぉ、まじか」
千冬 「店名はもう決まってるんですよ」
場地 「なんだ?」
千冬 「×・J・ランドです!」
場地 「うおっ!かっけぇ」
千冬 「ですよね!」
すごい楽しい時間だった。しかし、夕方になる頃、俺は場地さんのある異変に気付く
千冬 「場地さん?」
場地 「ん?」
千冬 「なんか、体、透けてません?」
場地 「あ、ほんとだ」
千冬 「どこで愛する人にあったんだろ」
少しの沈黙。もしかしたら、気に触るようなことを言ってしまったのかもしれない。
とっさに謝ろうとした瞬間、場地さんが口を開いた
場地 「なあ、千冬」
千冬 「はい?」
場地 「俺、最初からわかってんだ」
場地 「俺は千冬に会うためにここに来たんだって」
千冬 「え?てことは…」
場地 「愛してる、千冬」
それを口にした瞬間、場地さんの体は一気に透明化した
千冬 「待って!場地さん、行かないで」
場地 「わりぃな」
場地 「あ、お前、追って死ぬんじゃねえぞ」
場地 「俺の分まで生きろよな」
場地さんの体を通して夕焼けが見える
千冬 「場地さん!俺も!俺も愛してる!」
そして、場地はニッと笑って消えていった
千冬 「場地さん…」
気付いたら俺は貨物列車から降りて、家の近くにひとりぼっちで立っていた
きっと場地さんが送り届けてくれたんだな、なんて
ほんとに不思議な体験だった。
しかし、それは何かの偶然ではない
昔から決められていた、運命なのだろう
そして、ここから先の未来も────
千冬 「ほら、一虎君!お客様来てるよ」
一虎 「あ、ほんとだ!いらっしゃいませー」
千冬 「ったくもう」
俺はペットショップの店員になった。なんだかんだ幸せだ。かつての、場地さんとの約束を守り、一虎君と二人、
たまに大変なこともあるけれど、それでも楽しい
──────────────────────
千冬 「場地さん、ありがとう…」
一虎 「ん?なんか言った?」
千冬 「なんにもー」
一虎 「ぜってぇなんか言っただろ」
千冬 「秘密です!」
一虎 「うへぇ、ケチぃ」
千冬 「さ、仕事、仕事!」
あの夏の出会いは俺の列車の分岐点を良い方向へ曲げてくれるものだった
こんな感じ…?あとちょっとでフォロワーさん50人到達!!50人になったら何かした方がいいのかな?してほしいことあったらコメントしてねー
じゃ、また次回!ばいびー
コメント
7件
最高!?ありがとう❤️ 質問コーナーしてみたいけど、わいに興味ある人いるかw?あとはコメント集まるか心配…💦
よかったねぇ千冬ぅ てか、ほんとに最高! もうすぐ50人かぁ!おめでとう! いいね企画とか質問コーナーとかしたらいいんじゃない?