テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『へへーっ!捕まえられるもんなら捕まえてみなー!』
『ひどいよグリーン!』
僕のおやつを持って走り周る小さな君と、
追いかける小さな僕。家の中や周りをぐるぐる走り回る。
『わぁっ!?』
ドテン、尻もちをつく。すぐさま駆け寄ってきた君は、さっきまで煽っていたクセに、やけに心配した瞳で見つめてくる。
『おいっ大丈夫か!?』
『うん…』
僕に怪我がないことを確認した君は、
『…っていうか、そんなトコで転ぶとかだっせー!』
と、また憎まれ口を叩き、
また追いかけっこが始まり…
「…!」
洞窟の中で目を覚ました。
懐かしい夢を見たな…。あれはきっと、僕とグリーンがまだ8才くらいの時の出来事だ。 あの頃から妙に突っかかってきて、それからライバルになって…冒険をして…たくさんバトルして…一緒に笑い合って…。 どんどん仲良くなっていった… つもりだったけれど、あの戦いで、今までの事が崩れ去ってしまった。
一挙手一投足に全身全霊を尽くし、刹那一秒でさえも無駄にしないような思いで戦った。グリーンも、今までにないくらい必死な顔をして、だけれど楽しそうに、勝負をしていた。そうやって、お互いを本気でぶつけ合った。それがグリーンとの最後の戦いだとも知らずに。
そして僕は勝った。実感がわかずグリーンに目をやると、 グリーンがうつむいていた。こんな姿は見たことがない。呆然として立ち竦んでいると、オーキド博士がグリーンに歩み寄る
『おまえが ポケモン たちへの
しんらいと あいじょうを
わすれとる からだ!』
酷い、酷すぎる!グリーンは頑張ってここまできたのに…!ポケモンへの愛情だって、信頼だって、誰よりも持っているのに! オーキド博士に言い返したいのに、グリーンに自分の思いを伝えたいのに…!
自分の臆病さと、グリーンの苦痛に歪んだ顔に負け、黙ってオーキド博士に付いていくしか無かった…。
僕はあの時、グリーンを見殺しにした。
合わせる顔なんて無い。
あの日以来、このカントー地方と ジョウト地方の間に屹立するシロガネ山にこもり、 ポケモンたちと過ごしている。
グリーン…今どうしているかな…。