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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ライとアリサに出会ってはや3ヶ月。ラウロは1ヶ月ちょっとから本格的に体力を増やし始めた。青空が綺麗な今日……


「あのね、武術って言うのは…」

「また始まったわね、ライの武術話」

「あはは…。でもなんだか気になってきちゃった」

「それはいわば魂と魂の闘いであって…って、ラウロ?!今なんて?」

「あ、ライ姉さんが言う武術ってのに興味出てきたなーって」

「え?ほんと?!やろやろ!今すぐに教えてあげる!!」

「え?ちょ、」

「無駄だと思うわよラウロ。ライは武術のことになると言うことを聞いてくれないから」

アリサ姉さんの言う通り、ライ姉さんの目には星がキラキラと輝いていた。

ガシッと僕の腕を掴み、そのままお昼ご飯を食べずに部屋から飛び出ると、

「じゃあアリサ、ちょっと行ってくるね!」

「今日の依頼も忘れちゃダメよ」

「わかってるわかってるー」

「行ってきまー…すぅぅううう?!」

玄関をぬけて外へ出た途端、姉さんは僕の腕を持ったままものすごい勢いで走り始めた。みるみるうちに景色が変わっていく。

うわあああ、ライ姉さん、腕ちぎれるううう!

冒険者で接近戦が得意なライ姉さんは、身体能力が通常の冒険者より高いのだ。

こうして意識が飛びそうになりながらも無事到着した。ライ姉さん、やっぱり天然だよね…。

「よし!この辺でいいかな?!」

「はぁはぁ…うん、そうだね」

「大丈夫?しんどいなら今日はやめとく?」

じろじろと僕を見る姉さん。原因は姉さんなんだけど……なんて言ったら拗ねて武術のこと教えてくれなくなっちゃったりして。

「大丈夫だよ。それより武術、教えて!!」

「本当に強くなりたいんだね。いいよ、姉さんが教えたげる!」

そう言うとライ姉さんは、十メートルほど離れた木に向かって握りしめた拳をふった。

僕は肉弾戦の技術はまっぴらだからよくわかんないけど、きっと拳の基本的な振り方を見せてくれたんだろうと思った。その瞬間…

『ボカアアアアン』

「えっ?!」

木が吹っ飛んだ。

驚いた僕を見てライ姉さんは『フフン』と鼻を鳴らした。

「す、すごい!!どうやったの?」

「ふふふ。これが武術というものだよラウロ君」

急に口調が変わったが気にしない。これは姉さんが以外にも料理ができると知った時にも同じような状況だった。褒められたら照れるタイプとはこのこと……なのかな?よくわかんないや。

「さっき私がやったのは基本的な武術。空気の中に散らばっている魔気ってのを手元に集めて、ぱっ!っと放つとビュビュビューンって伸びていくの」

「……なるほど?」

前半はわかったんだけど、あとが全くわかんなかった。

「その魔気っていうのは魔力のひとつってこと?」

「ううん、確かに魔力っぽい感じがするんだけど、全くの別物だよ。だから魔力消費ゼロ!お得!」

「すごく便利なんだね!でも、どうやって魔気を集めるの?僕には全然見えなかったし、そもそもまだ役職がないよ」

「大丈夫。役職ってのは決まってから才能が左右されるだけだから。それまでに魔法以外の何かしら積み上げといても問題ないよ。だから本当は役職が決まる前から力をつけた方がいいんだけど、今どきの子はね〜」

『だからラウロは運がいい!』とか何とかいいながら、にこにこしてブンブンと腕をまわす。ちょっと怖い。ライ姉さんを怒らしたら地形とか変わりそう。

「よーし、じゃあ『気』を感じてみるところからしよっか。あ、気っていうのは魔気の1部のことね。気が集まったものが魔気」

そう言いながら僕達は気を感じやすい場所へ移動し始めた。

他にも、魔気を手に纏わせる技とか、周囲の状況を把握する方法とか、道中に沢山教えて貰えた。

着いたのは滝の前。既に日が落ちかけだが、上手く行けば直ぐにコツを掴んで魔気を造れるらしい。

「こういうところは湿気があるし、空気の動きもランダムで気のひとつひとつを感じやすいの。さ、ここに正座して、目を瞑ってみて」

「わかった」

比較的凸凹がない平らな岩に座った僕は姉さんの言う通り、目を瞑った。

「いい?集中して、でも何も考えないの。ただの無、空気と一体化する感じにしてみて。イメージよ」

「うん。………」

………──────────



『(ぽわ……)』

───────!!

「……あった」

「ほんと?!すごい、すごいよラウロ!」

目を開けると、あたりはもう薄暗くなっていて、日が落ちた直後の頃だった。

「ありがとう。僕、どれくらいじっとしてた?」

「うーん、2時間くらいかな?でもそれだけの時間で気を見つけるなんて、才能ありまくりだよ!」

「でも、ちっちゃくてうすーい感じだったよ?まだ完全には掴めてないかな」

とは言ったものの、僕は初めて自分の成長を感じられることができたからすごく嬉しかった。

「じゃあ帰って報告だね!」

「うん!」

アリサ姉さんに自慢しちゃおうかな。






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