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怜也『一途と駿に何があったんか知ってる。俺は、中学の時初めて駿に会って、こんなに似とるやつおるんかってお互いびっくりして、真反対の俺らやけど意気投合してなかよー、なってん』
怜也『高校は離れてもたけど、家が近かったから毎日会ってた。その頃、駿の高校に迎えに行ったことあってんや、その時俺は一目惚れしてん」
怜也『その子には彼氏おった。』
怜也『優しくて、大人しくて、何かに集中したらそれにしか目がいかへんやつやったから、他の子と眼中になかった。俺と真反対のあいつは、俺の好きな人を好きになってもた。』
怜也『でも、俺はなんも出来んかった。あいつはなんでも俺に譲ってくれた。わがままで、自己中な俺やったから、なんでも渡してくれたけど、あの子だけは無理や。って、初めて否定された」
怜也『でも、ちょっと嬉しかってん。俺の好きな人を俺の好きなやつが大事にしてくれとんやったら、大丈夫。って思てた。でも、その時の俺は無理やった』
一途『もしかして。』
怜也『俺、高校の時一途と寝たことあんねん』
一途「え、』
怜也『駿の家に勝手に入るのは当たり前やってん、その時、駿はおらんかった。バイト行ってたんや。一途が入ってきて、俺はどうしようか思った。でも、一途は俺が駿やおもて。』
一途『あの時のこと覚えとう。いつもとテンション違って、どうしたんやおもたけど、あれは間違いなく駿やった。』
一途「おじゃましま、え?』
怜也『一、』
一途『駿、おったん?バイトは?」
怜也『あ、あの、今日休みやったわ笑』
一途「へー、内緒で入って驚かそ思てたのに意
味ないやん。』
怜也『あ、俺そろそろ出かけるわ。』
一途『どこ行くん!一途も行く!』
怜也『いや、あの、』
一途『駿、やんな?』
怜也『う、うん。どしたん。』
一途『じゃあ、好きな果物は!』
怜也『ぶどう!』
一途『あ、なんで知ってんの笑私、駿に言うたっ
け?』
怜也『う、うん!だいぶ前に聞いたで』
一途『なあ、駿』
一途『最近してなかったし、しーひん?』
怜也『あの時俺は、断れへんかった。俺は一途のことずっと見てたから、好きな果物知ってただけやった。でも、ちょっと前駿に聞いたら、知らん。言うてた、それから高3なって、3人が卒業するんか思ってたら、駿がおらんくなった。』
怜也『俺は、自殺やって聞いたけど、駿が死ぬ3時間前に会ってたから、そんな素振りなかったし、絶対違うってわかった。』
怜也『それで、色々調べたりした。でも、なんも分からんかった。一途の友達が一途と同じ大学受けるって聞いた。俺にはちょっと難しい大学やったけど、1年浪人して頑張った。頑張ったら受かって、一途に会える思った。新入生歓迎会の時に、見つけた。思った。でも、声かけるタイミングがなかった。』
慎二『タクシー呼んでくる!』
怜也『慎二のその声聞いて、今しかない思った。でも、名前を言うても多分覚えてないしな、って。それからは頑張って近づくのに必死やった、どうにかして、って。一途は変わってて、すごい驚いたけど、駿への思いは変わってないこと確信した。その日、実は一途としてないねん。』
一途『え、でもしたって。』
怜也『俺、手出せんかった。しようって、俺のもんにしたろ思ったけど、出来んかった。ちゃんと、一途の覚えとける場所で、って。だから、せめて名前で持って思ったけど、それも覚えて貰えんかったけどな、笑』
怜也『どうしても、手放したくなかった。どうにかして、駿の過去を知りたかった。なんであんな良い奴があんな目にあったんか。真実を知りたかった。その夜、新入生歓迎会の途中に三奈ちゃんに会ってん。すごい酔っ払ってた。』
三奈『うーん、あたまいたーい。』
怜也『ねぇ』
三奈『ん?あれ、駿?!』
怜也『ねぇ、駿と一途の過去のこと知っとん?』
三奈『え、あんた生きてんの?!』
怜也『そやねん。幽霊やねんけどな、成仏できひんかってさ、ちゃんと覚えてないから教えて』
怜也『三奈ちゃん、多分全部覚えてないと思うけど、聞いたんや。その時に、でも、納得できへんかった。だって、あんなに愛し合ってたのに、殺すことなんか有り得へん。って、でも、素性聞いてわかった。』
一途『ねぇ、駿』
駿『どうしたん?』
一途『一途、今日から免許取得です!』
駿『え、教えてや!』
一途『内緒で驚かそ思ってん!』
駿『えー、知りたかったなー。』
一途『前、サプライズした時はバレたからな』
駿『さぷ、らいず?』
一途『ん?この前家行った時おったやん!仲良くしたやん!!』
駿『あ、あー!あれな!覚えてんで!』
一途『よかったー、てことで、乗ってみる?』
駿『是非。』
怜也『一途のせいやと俺は思えんかった。多分、駿も思ってない。でも、それが原因やって、それで、誰とも付き合えてないってわかった。一途、一途は人殺しなんかじゃないで。駿が、自殺じゃないって、わかっただけそれで良かった。俺は、それだけで、安心した。でも、それから、会わんでよかったのに、一途に会ってもてた。』
怜也『本気で、好きになって欲しかった。でも、どんだけ頑張っても俺は駿の代わりにすらなられへん。顔が似とっても、方言が似とっても、俺は、駿にはなられへんかった。』
怜也『一途は知らんやろー、けどな。たまに寝言で駿。って言うてんねんで』
一途『え、?』
怜也『俺は、あ、そーやんな。ってわかってたけど、どこか舞い上がってる部分あったわ。』
怜也『もしかしたら、一途も俺を好きになってくれる日がくるかも。って、ばかみたいや。』
一途『でも、』
怜也『一途、一途は誰かを好きになる資格あんねんで。誰かを本気で好きになって、誰かと手繋いでデートすんねん。それでプロポーズとかされんねんで、ほんまは、俺が、駿みたいにここでしたかったけど、俺には出来そうにもないわ。』
一途『怜也、』
怜也『俺の名前覚えててな。俺の名前は怜也って言うねん。駿じゃないで。これからもずっと名前だけでも覚えててな。一途をずっと大好きな人。それが怜也やで、だいすきやで一途』
一途『わかってる。覚えてる。これからもずっと、だって一途は怜也のこと!』
怜也『一途!その先は、俺は聞きたないわ。怜也は、一途の彼氏になられへんねん。』
一途『なんで、私はちゃんと本気で好きやで』
怜也『一途、幸せ、なってもええんやで。毎日、寂しくて誰かに体貸すんちゃうくて、誰かに寂しさ埋めてもらうんやで。俺は、一途の幸せや寂しさ埋めてあげれへんけど、いつか、好きになれたら、その日まで、取っとくんやで。』
一途『なんでよ!あんたが幸せにしてや!あんたは、私にとって幸せくれる唯一の人やねん!』
怜也『一途!だいすきや!これからも!俺はもう会えへん。一途には会えへんねん。』
一途『なんでよ!!!』
怜也『新幹線、帰り乗るつもりやってんけど、1枚しか無かったわ、笑どっかで落としたんかもな。一途、これ乗って帰り。』
一途『なんで!一緒に帰るねん!それで、一緒に住んで、結婚して、幸せになんの!』
怜也『一途、これが3つ目のおねがい。俺の前から消えて。』
三奈『一途、あけて!!』
一途『三奈、帰って。』
三奈『おねがい!あけて!』
一途『私、もう無理や。』
三奈『怜也のこと?教えてあげる!全部!』
一途『なに、知っとん?』
三奈『私が、全部教える。』