私には好きな人が居る。同性の女の子である。その事を友人に話した、友人は私を蔑んだ。「同性が好きなんて気持ちが悪い。関わらないで。」その言葉を聞いて私は目の前が真っ暗になった様な気がした、好きでいる事さえ認めて貰えない、その事実がとても辛かった。だから私は同性愛者と言うことを隠して過ごしている、また周りから蔑んだ目で突き放されるのが怖かった。君を見る度に辛い気持ちになる、君の横顔、声、仕草、髪、口癖、全てが愛おしいと思えるからこそとても辛いのだ。私が君に想いを伝えたらきっと君も私を蔑むのだろう、そう思えて仕方がなかった。君は私の事を“親友”と言った、嗚呼、結局君は私を友達として見ているのだ、分かっていたけれど、本人の口から聞くと何故か涙が溢れて仕方なかった。矢張り同性に恋をするなど間違っていたのだ。そもそもこの感情が恋なのか私には分からない、そんなの誰にも分かりはしないけれど。
私は彼女に聞いてみた。「好きな人は居るの?」と、何故こんな事を聞いたのか私にも分からない、知ったところで私の名では無いだろうし、自分を悲しくさせるだけの質問だった。彼女は「居るよ。来週告白するんだ。」私は「そっか。頑張って。」と言うことしか出来なかった。私の大切な人になってくれないのなら、せめて誰の大切な人にもなって欲しく無い。そんな願いも叶わないのだろうか。神様はあまりにも残酷だ。
その7日後に「頑張って来る。」とだけ書かれたメールが届いた。その次の日の朝、彼女は眩しいほど美しい笑顔で告白に成功した事を教えくれた。私は「おめでとう、末永くお幸せにね。」と有り触れたセリフを言って教室へと逃げた。涙こそ我慢出来たがきっと私の顔は笑顔なんて出来ていなかっただろう。親友の幸せすら喜べない私は彼女を好きで居る資格なんて無いのかもしれない。いや、無いだろう。だから私は彼女に想いを伝えて振られて忘れてしまおうと思った。帰り道に彼が部活で一緒に帰れないのを寂しそうにしているキミに声をかけた。「一緒に帰ろう。」と言うと君は嬉しそうに私の手を取って横に並んで歩き出した。最初こそ世間話や、彼の話等で会話が続いていたが、やがて話す話題も無くなったところで私は話を切り出そうとした。想いをちゃんと伝えようと思ったのに私の口から出たのは「私、君の事好きだよ。」の一言だけだった。矢張り私は臆病だ。きちんと想いを伝えることすら出来ない。会話の中で出た薄い一言に彼女は「私も貴方の事好きだよ。」と言った。私の心は一瞬舞い上がった、でもそれは君ならしたら「I like you」なのだろう。私の中の「I love you」には微塵も気づかず君は元気に返事をした、そして私は続けざまに「彼氏のこと好き?」と聞いた。彼女は「うん。1番愛してる。」と答えた。嗚呼、私もそんな風に愛した人に愛されてみたかった。そんな風に思っても叶うことは無いのに。愛しい人よ、末永くお幸せに
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