「 噂(うわさ)のわけ」
翌日、私はいつもより少し早めに家を出た。
家の前の植え込みに腰かけ、重い気持ちで下を見やる。
(結局、履いちゃった……)
真新しいローファーを目に、ため息がこぼれた。
あれからお母さんに新しい靴がある理由を聞かれ、ごまかせずに 佐伯(さえき)にもらったと白状してしまった。
そんな彼との関係は問われずに済んだかわりに、お母さんは佐伯を「親切な優しい人」だと完全に勘違いしている。
その上で「使わせてもらいなさい」と言うから、結局これを履く羽目になったんだけど……。
「はぁ……」
「ちな、もう平気なの?」
ため息をついたと同時に声がした。
慌てて顔をあげれば、 侑(ゆう)がアパートの階段をおりてくるのが見える。
「侑……! 色々とごめんね。もう大丈夫だから」
勢いよく立ち上がった私に、侑は複雑な表情を浮かべた。
「ど*****************
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