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─夢十夜─
注意喚起
・御本人様とは一切関係ありません
・腐向けではありません
・zmさんメインで、rdさんが出てきます
・軍事パロディです
閲覧はあくまで自己責任でお願い致します。
◇
チチチ、と緑に囲まれた空に鳥が鳴く。
薫る草の香り、木の葉を散らす微風、見渡す限りが自然に包まれていた。
「ショッピー?ちょっと手伝ってくれない?」
遠くの家から、顔馴染みのおばさんの声がする。
それに応えるように、小さな体躯を動かして駆け出した。
風を切って、疲れを知らない体が動く。
「これ小麦粉ね。向こうの、牛飼いのおじさん、わかるでしょ。渡してきて。これお駄賃」
どっしりと思い小麦が詰まった袋の上に硬貨が置かれた。顔が綻ぶ。
働いて、金を得て、好きなことをする。
こんなにも真っ当なことが楽しいなんて。
世界がキラキラ輝いて見えるのは年齢故の純粋さからか。
そうして、ショッピは幼少期を自然豊かな村で過ごした。
暖かい人脈、自給自足に困らない物質、なんでもできる環境。
与えられたもの全てを知識として、経験として吸収して行ったショッピは、すくすくと気立の良い青年に育っていく。
はずだった。
「・・・・・・・・は・・・・・?」
轟轟と音を立ててうねる、大きな炎。灼熱の中火の粉が舞う。
それはまさに、劫火と称するにふさわしい光景。
軒並み炎に包まれ、あんなに明るく豊かだった景色は見る影もない。
空まで覆うように、烈火が村全てを包んでいた。
家も、畑も、木々も。どこもかしこも真っ赤で、逃げ道がない。
母は?父は?おばは?牛や豚たちは?生命の気配がない。地獄かと錯覚するような熱気と色。
言葉が出なかった。全てがなくなったのだ。
今まで築き上げてきたもの、今から築いていくはずだったもの、村の未来、全て奪われた。
もう何も残っていない。殺意や後悔、絶望さえ芽生えない。
ただ、大切なものを無くした。その事実だけが胸にずしりとしがみついている。
「おい。お前、何してんねや」
ぼおっと燃えて塵になっていく、人だったはずのものを見つめていると、不意に肩を叩かれた。
光のない、感情の灯っていない瞳で声の方を見上げると、そこには軍服に身を包んだ青年が立っていた。
切り揃えられた短い髪に、整った目鼻立ち、透き通ったブルーアイズ。
田舎育ちで無知な上にまだ幼いショッピには詳しい状況は分からなかった。
しかし、少なくとも理解してしまった。
目の前にいるこの男が軍人であること、立場も上であること、そしてこんな仕打ちをした元凶であること。
それは野生の勘というべきか。裏付けるように、男の胸を飾る黄金色のバッチが炎の光を受けてきらりと輝いた。
「・・・・・・あんたらが、やったんですか」
「・・・まあな。俺らに刃向かった上に、違法で爆薬も製造しとったらしいから」
ちり、と胸が痛んだ。
でもなぜだろう。怒りが湧いてこない。
目の前には、俺の全てを壊した男がいるというのに。
殴りたいだとか、殺したいだとか、復讐したいだとか。
そんな陳腐な感情じゃなくて、もっと冷たくて真っ直ぐ、すとんと腑に落ちた。
納得してしまった自分がいたのだ。
きっと世界はこういうものなのだ。強い者が正しく、弱い者は負けていく。
結局は実力が全てということか。抵抗したら根絶やしにするなんて、なんて無慈悲で、功利主義で、傲慢で。
でも正しいことだから、文句が言えなかった。
確かに村は道理から外れたことをしたのかもしれない。話し合うなんて手間のかかる手段は選ばなかったようだ。
そして、決めた。
「・・・・・・俺は、これからどうしたらええんですか」
「ん?街の方でも降りれば雇ってもらえるんちゃう」
ぱちぱちと爆ぜる火焔に照らされながら、青年はそういった。その言葉に対して情はこもっていない。
まだ彼だって未成年だろうに、大きく分厚い軍人の手で、くしゃりとショッピの猫っ毛の髪を撫でた。
「・・・・・・・・俺を、軍に入れさせてください」
「・・・・・・え?」
すっと頭を正直に下げた。
悔しい。悔しい。自分から何もかもを奪った奴に自分から頭を下げにいくのは堪えるものがある。
けど、実力が、権力が全てなら。俺が強くなって、正しさを証明すればいい。
頭を下げられた男はぱりくりと目を瞬かせ、それから吹き出した。
ひとしきり笑ってから、満足そうな声で、ショッピの肩を叩く。
「お前おもろいなぁ!仇討ちするより頭を下げる。生き残れそうな奴や」
心なしか褒められているような気はしないが、目の前の男にどうやら気に入られたらしい。一旦肉親たちと同じ運命を辿るルートは避けたようだった。
「ええで、俺の隊に来いや。俺はコネシマ。
お前は?」
「・・・・・・俺は、─────」
◇
「────・・・・・・、」
すっと映画を見終わったかのように目が開いた。
寝る前と全く同じ姿勢、同じ景色、同じ天井。
ぐいっと上半身を起こして伸びをする。カーテンの隙間から青白い光がさしていた。まだ早朝と言える時間帯、普通ならみんな寝ているだろう。
「なるほど、な。」
やけにショッピくんがコネシマに対し殺意が高い理由。
あくまでそれが表向きのものだとはわかっていたけど、こんな過去があったなんて。
シッマも珍しく気を利かせ、この話は外部にはしていなかったようだ。
これはまた壮絶なものを見てしまった。
まだ幼いショッピくんにとって、それは遥かに許容を超える感情の重さだっただろう。
少し、あの無愛想で自由人な彼が可愛く見えてきた。
といっても、こんな夢二度と勘弁だけど。
まだ誰も起きていないだろうし、体慣らしに自主練でもしてこようか。
まずは顔を洗って気持ちを切り替えようと、ベッドから飛び降りた。
◇
はい。どうも
こんな感じで、みんなの過去を夢として一話ずつ書いていきます!!
ャバの5人は書こうと思ってるけど、他まで書こうとするとコスパがえぐい。
zmさんって朝方らしいから、いつも夢から覚めるという形で起きているだけ、とかいう妄想😎
shpみたいな捻くれ者は幼少期の頃は純粋無垢であって欲しくて・・・👉🏻👈🏻
伝わったかはわからないんすけどね
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