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俺はキヨ。
職を失い、駅で途方に暮れているとある男に声をかけられた。
男は綺麗な黒髪をワックスでオールバックにセットしている。
スーツは美しく、シワひとつない。
「私とゲームをしませんか?」
男はそういい、メンコを俺に見せる。
俺は受け取るのを躊躇っていたが
男は俺を見つめ
「私に勝てば10万円を差し上げます。」
そういった男は口角だけを上げる。
俺はその言葉でメンコに手を伸ばす。
メンコを受け取り、相手のメンコに力を込めて打ち付けた。
だがバンッと音をたてただけだった。
続いて相手が俺のメンコに打ち付けた。
パンっと綺麗な音がホームに響いた。見事ひっくり返っていた
「私の勝ちです。」
そう言った男の声に、謎の緊張感を覚えた。
「体で払っていただきます。」
「体って…」
俺はゲイじゃない、という言葉を抑えた途頬に衝撃が走った。
一瞬脳が追いつかなかったけど、ビンタをされたことは分かった
「え…」
と声が出た。
(体で払うってそういうことか…)
「もう1回…!!!!」
俺は掠れた声で呟く。
男はとんでもなく強かった。
何回も負けてはビンタをされた。
ゲームを始めてどのくらい経ったのだろう。
ようやく男のメンコをひっくり返せた。
自分でも分かるくらい、口角が上がったと思う。
男はまた不気味な笑顔を俺に見せ、10万円を差し出してきた。
それと同時に名刺を貰った。
「よければゲームにご参加を。優勝すれば多額の賞金を差し上げます。」
俺はその言葉を聞き名刺を受け取る。
家に帰り、名刺に書かれた番号に電話をかけてみた。
そしたら今夜○○駅前に来いって。
5分くらい待った頃に車が来た。
乗ったら車の中で眠らされて、起きたら謎の場所にいたんだ。
「どこなんだよここ…」
そんな疑問を持ちながら自分の左胸に視線をやる。
「120」
そう記されていた。
「120…?」
「…まぁいいか」
俺はみんなが集まっている中央に行った。
中央で何もなく立っていると後ろから懐かしい声が聞こえる。
キヨくん!!
「PーP…!?」
そう、その声はPーPだった。
「やっぱり!キヨくんだ!」
俺はばつが悪かった
「…久しぶり」
この言葉を出すのが精一杯。
「しばらく音信不通だったから心配したよ…」
ああ、そうだった。
俺はPーPと勝手に気まづくなっていたんだ。
「僕があの時お金を貸さなかったから縁を切られたのかと…」
「そんな…勝手なことするわけないだろ」
「ちょっと色々あって」
「ごめんな…」
「ううん、平気。」
「今会えたから!」
PーPの笑顔を見て思った。
(ああ、変わらないな。)
皆さん、中央に集まってください。
そう声がした方を向いた。
「…?」
多分、PーPも同じ心情だったと思う。
横目でPーPを見た。やはり眉を顰めていた。
「ねぇ、キヨくん、」
「誰、あの人たち」
ピンクの服に黒い面を被っている。
「なんだ…ろうな。」
「これから皆さんにはゲームをしていただきます。」
「七つのゲームを7日間クリアすれば、多額の賞金を差し上げます。」
そうピンクのやつは言う。
「いきなり連れて来といてゲームってなんだよ!!!」
「そうよ!!車の中で眠らされて…こんなの誘拐じゃない!!」
「そうだ!もうじき警察が俺たちを探しに来る!!」
そうだそうだ、と便乗しそうになったが
“誘拐だ”と言っていた人達の名前、身元、 前職、借金をしている金額などを次々と明かした。
そしてようやくその場が静かになった。
色々説明された後、同意書を書かけと促される。
その同意書にはこう記されていた。
1.プレイヤーは任意でゲームを中断することができない。
**
2.ゲームを拒否するプレイヤーは脱落とする。**
3.プレイヤーの過半数が同意した場合は、ゲームを中断することができる。
なんだよこれ、と思ったが渋々サインをした。