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朔と凜

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朔と凜

4 - 凜②

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2024年01月04日

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私は15時を過ぎた時計を見ながら、朔(さく)の事を考えていた。

朔はちゃんとご飯を食べただろうか。

一緒に生活をし始めた当初は、朝一緒に起きてご飯を食べることも多かった。

しかし、3年という月日は私たちの関係に徐々にズレを生み、今では最後に朔と一緒に食事をとったのがいつであったか思い出せなくなっている。

今朝目が覚めた時、朔はソファに顔を埋めて眠っていた。

寝顔は愛おしく、赤ん坊のように可愛かった。

起こしてはいけないと思い、物音をたてないように支度をし家を後にした。

ご飯の支度をすることも、物音をたてないように気遣いをすることも、“儀式”に比べれば苦痛ではなかった。


今日の晩御飯、何がいいかな。


私の考えを遮るようにデスクの上で携帯が鳴った。

彼からだ。

「今日は何時に帰ってくる?晩御飯何がいい?」

ハァー。。。

自然と溜息が漏れていた。

交際しだした頃なら、『同じこと考えてたよ♡運命だね♡』なんて返信したりもしただろう。

何故毎日同じ時間に帰ってくるのに聞くの?

自分が晩御飯作ってくれるわけでもないのに何がいい?って何故聞くの?

そんな言葉を飲み込み、『なるべく早く帰るね。お任せでいい?』と連日同じ内容を返信する。


「結婚したら何か変わるのかしら?」


完全に漏れ出た独り言に、ハッとし周囲を見渡した。

誰にも聞かれていなかった事にホッとし、残りの時間で出来る仕事の優先順位をつけ始めた。

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