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こんにちは〜
寒さで凍え死にそうです〜
皆さんの地域では、もう雪は降りましたか?
叶『』 葛葉【】
叶side
彼は葛葉と言った。
白い髪と赤い瞳、滑らかな輪郭を描いている彼はとても同じ人間とは思えないほどに美しい姿だった。
僕は幽霊や妖怪は信じないけど、彼は別だった…
『葛葉さんは何処から来たんですか?装いから見ても、此処の人では無いようですが…』
【俺は…確かに此処の奴では無い。俺は、外から来たんだ、何ていうんだろ?】
彼は此処について何も知らないらしい…
見るからに僕と同い年ぐらいな顔立ちだけど…僕は産まれも育ちも此処出身だし…
彼の事は良く知らないけど、何故か惹かれている僕が居る。
『外…?海外ですか??何処かのお偉いさんのようですが、こんな所にいて大丈夫なんですか?』
僕はずっと不思議だった、竹藪からロトを連れてヒョコッと現れた彼は、僕を見るなり驚いた顔をして…??
僕も確かに葛葉さんとは初めて会った気がしなかった。
【お偉いさん?海外?ちげえょ…俺は、人を!ある人間を探してるんだ…】
『ある人??その方は何処に?』
葛葉さんは、少し悲しそうだった。
僕は横目で彼を見るだけ、悲しそうな彼を支えることも…知り合ったばかりの僕には出来なかった。
葛葉さんが探している人だったら、こんな彼を慰めてあげれるのだろうか…???
『でも…僕、貴方に会ったことが…ある、気が…でも、ゴニョゴニョ…』
【!?お前…】
彼は不意を疲れたかのように目を見開き僕を見つめる。
その赤い瞳は淡く滲んでいた…
その瞳には葛葉さんに驚いてる姿の僕が映っていた。
『!?くっ葛葉さんの探している人、直ぐに見つかると良いですね!!』
【おっおう、】
『(きっ、気まず〜い!!言っては行けなかったのだろうか?!もしかして地雷だった!?葛葉さん、今にも泣きそうです〜!!!!)』
この後の葛葉さんは何も言ってはくれなかった。
ただ、何故か悲しげに僕を見つめるだけ…
『くっ…葛葉さん!あの!!僕、友達がいなくて…葛葉さんのお友達になりませんか!!お時間あれば…また、いらして下さい!!お待ちしていますから。』
僕は帰り際葛葉さんの背中を見ながら…
葛葉さんは驚いていた。何とも愛らしい顔で、でも。その瞳の奥は何故か悲しい色をしていた…僕には彼の悲しみを癒すことは出来ない。
しかも、彼の優しさに甘えて、ずっと自分が欲しかった存在を彼に押し付けている。
何とも忌々しい考え…
【そ、それ…その…名前!】
『名前…???』
【俺のこと…葛葉!呼び捨てで…呼んで、も…良い…ぞ。】
『(何と!?友達になってくれるって事!?呼び捨てって、そういう事だよね!!??)』
内心喜んでいても、口から出る言葉は、本心ではなかった。
『じゃあ、葛葉。これからは僕の友達ですね!』
葛葉は【あぁ…】と声を漏らし、綺麗な髪をなびかせて去っていった。
『ロト!!僕!僕!友達が出来たよ!!ロトが葛葉さ…葛葉を連れてきてくれたんだ!!ありがと〜!やっぱりロトは僕の事良く分かってるよ〜!!』
渡り廊下の端で楽しく足を揺らしながら、嬉しく心躍るのを感じながら、ロトを抱きしめた。
もう僕は長くないと分かったのは、この日の夜だった。
コメント
2件
あーちゃま本当に天才すぎない?めっちゃ最高!!