Jason x 007n7
疲れたJasonと命を感じるくるきぱぱ。
killer… Jason
ラウンドが始まり、マップはヨリックの安息の地。
ジェイソンは周りを見渡して、サバイバーが居ないのを確認した後、壁の陰へと座り込んだ。
「…」
彼はとても疲れていた。
それはもうとんでもなく疲れている。
理由は前回のラウンドのせいであり、サバイバーはguest1337、シェドレツキー、Elliot、chance、two timeと言うキラーを涙目にする物だった。
これにはジェイソンも頭を抱えたし、負けた後John Doが笑い転げていたのでチェンソーを頭にぶっ刺してやった。
「……」
今思えばマチェーテにしてやれば良かっただろうかと思ったが、正直何も考えたくないので体をだらけさせる。
あと数時間もすればラウンドも終わるだろう。 兎に角、ジェイソンは休息が必要だった。
「ァ゛ッぐえッッ」
カエルが潰れる様な声を上げて、何も無い所で転ぶ。
「い゛ッ…ぁ、鼻血…」
勢い良く顔を地面にぶつけたせいで鼻血がだらだらと流れる。口に滲む鉄の味が007n7の気分を落ち込ませ、馬鹿らしくさせた。
周りに人が居なくて良かったと思いつつ、立ち上がる気にもなれない007n7はc00lguiを使う事にし、手からパネルを出す。
「よし…」
ワープをしても流れ続ける鼻血を拭おうと、服の袖でゴシゴシと擦る、 水色の袖がくすんだ赤になったのを見て、帰ったら洗おうと思い踵を返して振り向いた。
「!?ッッどわ゛ッぁ!!!」
そこで目に入ったのは、壁を背にして座り込んでいるキラー。思わず声を上げてしまい慌てて口を抑える。
ジェイソンは此方を見上げ、サバイバーがいるのに気付いた。007n7はこの距離なら逃げる間もなくマチェーテで切り裂かれると考え、せめてでもダメージが少なくなるよう腕で顔をガードする。
「…………?」
いつまでも襲い掛からない痛みに目を開けた。ジェイソンは座り込んだままで、どうでも良さそうに虚空を見つめている。
唖然とした007n7は野良猫の様にジェイソンへと近付いて、いつもと様子の違う彼に喋り掛けた。
「……あ、 あの、大丈夫ですか…?」
少し何かを考えた後、無言のまま首をこくりと頷き、また虚空を見つめ始める。007n7はそれを見て更に困惑した、何がしたいのか全く分からないし、普通に怖い。
二人の間に沈黙が流れる、両者共々微動だにせず、それに耐え兼ねた007n7はまたしても口を開いた。
「…えっと、隣…座ってもいい、ですかね」
イカれてるのかとジェイソンは思った。
多分誰もが思うだろう、自分を葬る相手に喋り掛けた上、隣に座って良いかと聞くその精神をイカれてる以外の言葉で片付けられはしない。
しかし最初に言った様、彼は今とても疲れていた。復讐心を吹っ飛ばして休息を求める程には疲れている。首を適当に頷いてやり、礼を言い隣に座る007n7を横目に考えるのを放棄した。
こうして眺めると、彼は意外と人間らしい素振りをする。
否、人なのだ。
深く酸素を吸い込んで、息をする、人。
服の隙間から見える首筋には、私達と同じ赤い血がどくどくと流れているだろう。
彼の心臓は人一倍大きいと聞いた。
それでも、皆と同じ臓器や筋肉が身体を動かし、心臓が鼓動を打って命の灯りを繋いでいる。
歴とした命なのだ。
彼も、私も、皆も。
「…」
膝を抱えたまま、仮面を覗き込む。
その瞬間、目が合った気がした。
再び沈黙が流れ、 ジェイソンは何だと言わんばかりに此方を睨み始める。
慌てて謝り、熱を帯びる顔を背けた。
コメント
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新しい扉を開きましたありがとうございます 恋しちゃったねパパ!!