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コメント
2件
わぁ、
おお、これは……読んでて背筋が冷えたわ。奏の「優しすぎる」行動が、じわじわと支配と独占に変わっていく感じがすごく上手い。特に「目だけ笑っていない」って描写と、最後の「邪魔する人、いなくなったね」の笑顔の対比が怖すぎる。澪の「ぞくりと冷えた」で終わるのも余韻が残る。この歪な関係、次どうなるのか気になって仕方ない🔥
8/|/aB(旧アイビー)
#AI
不価値
36
第1話『君だけ見てればいい』
高校へ入学して半年。
教室の窓から差し込む夕日が、机を赤く染めていた。
「白崎、一緒に帰ろ。」
いつもの声。
振り返ると、黒瀬奏が穏やかに笑っていた。
整った黒髪に、どこか眠たそうな瞳。
女子からも男子からも人気者なのに、なぜかいつも俺の隣にいる。
「……うん。」
荷物をまとめると、奏は自然に俺の鞄を持った。
「重いから。」
「自分で持てるよ。」
「いいの。」
そう言って笑う。
その笑顔は優しい。
……少しだけ、優しすぎる。
校門を出ると、奏は俺の歩幅に合わせて歩く。
コンビニに寄れば、俺が欲しいと言う前に飲み物を買ってくれる。
雨が降れば、自分が濡れてでも傘を俺に寄せる。
「そこまでしなくても。」
そう言っても、
「澪のためなら平気。」
その一言で終わってしまう。
正直、悪い気はしなかった。
家族以外で、こんなに自分を気にかけてくれる人なんて初めてだったから。
翌日。
昼休み。
珍しく隣のクラスの男子が話しかけてきた。
「白崎って図書委員だよね?」
「う、うん。」
「この本返したいんだけどさ。」
普通の会話。
たったそれだけ。
だけど、その瞬間。
教室の後ろに立っていた奏と目が合った。
笑っている。
……なのに、目だけ笑っていない。
放課後。
「帰ろ。」
声はいつも通りだった。
でも空気が重い。
帰り道、奏は急に立ち止まった。
「今日さ。」
「え?」
「あの人、誰 ?」
「ああ……図書委員のこと聞かれただけ。」
「ふーん。」
沈黙。
風だけが吹き抜ける。
「楽しそうだったね。」
「そんなことないよ。」
「笑ってた。」
「普通に話してただけ。」
その瞬間。
奏が俺の腕を掴んだ。
少しだけ痛い。
「澪。」
低い声。
「俺以外と、あんまり話さないで。」
「え……?」
「嫌なんだ。」
「でも……」
「お願い。」
そう言って笑う。
優しい笑顔。
なのに、指先だけが少し震えていた。
「俺だけ見て。」
その言葉が耳から離れない。
帰宅後。
スマホが震えた。
奏
『家着いた?』
返信すると、すぐ既読。
『よかった。』
『今日話してたやつ、名前教えて。』
少し戸惑いながら送る。
数秒後。
『ありがとう😊』
その一言だけだった。
だけど翌日、その男子は学校を休んだ。
翌々日も。
その次の日も来なかった。
「転校したらしいよ。」
クラスメイトの声が耳に入る。
偶然……だよね。
そう思おうとした。
だけど。
昼休み。
奏が俺の隣で笑った。
「これで邪魔する人、いなくなったね。」
その笑顔を見た瞬間。
胸の奥が、ぞくりと冷えた。