〈ニグ視点〉
「………」
学校、行かないとな
「…嫌だな」
思わず呟く。
どうせ、周りの奴らなんて…
「っ…」
拳を握りしめる。
…うたいさんだって、頑張って行ってるんだ。
うたいさんだけが、俺の今の救いだ。
それに、さもさんだってこんな俺に優しくしてくれる…
…行かないと
「………う、ぇ」
後はこの曲がり角を曲がるだけ。
そしたら学校がある。
たったそれだけ。それだけなのに。
気持ち悪い。お腹が痛い。
その場にしゃがみこむ。
「ニグさん!?」
この声…確か、凸さんだ。
「大丈夫…じゃないよな。救急車!」
「い、いや…大丈夫です。」
吐き気と腹痛に耐え、なんとか立ち上がる。
「帰り、ます。」
ふらふらと足取りで、その場を去ろうとする。
「待って!」
凸さんが声を挙げる。
「…話だけでも聞くよ。なんかあったのか?」
「…別に何でもないですよ。」
本当に、周りからしたら、くだらないこと。
「…分かった。」
意外にもすんなりと、凸さんは引き下がってくれた。
…まだ、凸さんのことは信用できない。
簡単に信じたら、疑えなくなる…
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