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そして蓮の変化に気付いたのは橙真だけではなかった。
そう、彼の兄、第1皇子の紫月 青藍も最近の蓮の様子を不審に思っていた。
第1皇子青藍は、元々誰にも興味を持たない男だった。政治も、女も、男も、すべて必要なら使う程度の認識しか無かった。
そして、その弟の蓮も似た様な性格をしていた。だが、蓮が最近、明らかに浮かれてい宮を抜け出すのを見て、わずかに興味が湧いた。
「歓楽街に入り浸っているだと?あの蓮が?」
調査を命じると、報告が上がってきた。
「第2皇子殿下は、月華楼の踊り子、翡月と密かに会っているようです」
「ほう、蓮がね….」
「わかった、調査ごくろう、このことは内密に」
「承知致しました」
青藍は初めて、興味を示した。
自ら月華楼に赴き、皇子命令で翡月を呼び出し、個室で向かい合った。
「お前が弟を狂わせているのか」
翡月は跪き、頭を下げた。
『わたくしは、殿下の弟君を狂わせるようなことはしておりません』
「嘘をつけ、顔を上げろ」
青藍は翡月の顎を掴み、顔をあげさせた。
確かに美しかった。だが、この男を見ていると妙な感覚になった。
どうしてもこの男を手に入れたいと。
「お前を伴侶にする。皇子命令だ」
翡月の瞳が大きく揺れた。
『….それは、できません』
「拒否できる立場か?」
『できません、わたくしは、もう誰かを愛しています』
青藍は珍しく笑った。
「面白い、誰だ。」
『言えません』
青藍は翡月を強引に近くへ引き寄せ、耳元で囁いた。
「俺が欲しいものを拒否されたのは初めてだ、面白い」
だが、青藍は無理強いはしなかった。弟がどうなるか分かっているからだ。
もし、無理にでも伴侶にしようものなら、あいつは命を賭けてでもこの美しい男を奪いに来るだろう。
青藍色は冷酷だが愚かではなかった。
数日後
蓮と橙真は、知らせを聞いて直談判しに来た。
「兄上、翡月を伴侶にするなどやめてください」
隠しているつもりなのだろうが、その後からは殺気と怒気が込められている。
青藍は冷たく弟を見た。
「お前が、あの男と関係があるからだろう?」
「….はい、私は彼を愛しています」
橙真も隣で頷いた
「私は身を引きます、ですが、第2皇子殿下と翡月さんの関係を第1皇子殿下に壊して欲しくない」
青藍はしばらく黙っていた。
そしてゆっくりと口を開いた。
「….俺が欲しいものを、蓮に取られたのは初めだ。」
青藍は立ち上がり、窓の外を見た。
「いいだろう、身を引く、だが、表向きは知らぬ事だ。誰にも知られるな」
「はい」
次回最終話!!
コメント
1件
第4話、読み終えました……!青藍兄様、初めて興味を持った相手がよりにもよって弟の恋人って、これはもう運命のいたずらとしか思えない…。でも「無理強いはしなかった」ところに、冷酷だけど愚かじゃないっていうキャラの深みが出ててすごく好きです。そして翡月の「もう誰かを愛しています」って、相手が蓮って言えなくて、でもその沈黙がもう全てを物語ってて切なかった…。次回最終話、どう決着するんだろう。蓮の覚悟と橙真の身の引き方も含めて、すごく気になる、、!
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