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みのあ🍀
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#ドズル社ヴィラン
ゆめ
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ぎっちょん
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みなさんお久しぶりです。
約5ヶ月ぶりですね。
個人的な理由なんですが、今年受験生でして…
ちょっと読んでくれてる人たちに何もお知らせをしないのも申し訳なく
今日からシルバーウィークの間までに多めに投稿できるよう頑張ります。多分シルバーウィークに怒涛の投稿来ると思います。その後は受験が終わるまで投稿できません。ごめんなさい。
しかもdomsubのデータを飛ばすという最悪な出来事、急に物語変わったと思うかもしれませんが
もうそこはご理解よろしくお願いします。
それではどうぞ
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第1章:天敵同士の共同生活(前半)
1
朝日がカーテンの隙間から差し込み、フローリングの上に一筋の光の筋を作っていた。
東京都内の閑静な住宅街にある一軒家。ここはゲーム実況グループ『ドズル社』のメンバーであり、一味違う日常を送る二人の住処だった。
「……ん」
ソファーの上で小さく身じろぎをしたのは、チーターの獣人であるおんりーだった。
頭頂部から覗く小さな丸い耳がぴくりと動き、黄金色の瞳がゆっくりと開く。チーター特有の目元から口元にかけて伸びる黒い筋――ティアラインが、彼の涼しげな目元をより一層引き締めて見せていた。しなやかな肢体と背中に広がる斑点模様の毛並みは、陸上最速の肉食獣としての血統を雄弁に物語っている。
しかし、現在の彼は決して狩りの体制にはなかった。
なぜなら、胸元に重々しくも心地よい「重り」が乗っかっていたからだ。
「……すぅ……すぅ……」
おんりーの胸の上に突っ伏すようにして眠っているのは、雪うさぎの獣人であるおらふくんだった。
頭からは、ふんわりとした白い大きなうさぎ耳が生えている。呼吸に合わせてその耳がぴこぴこと揺れ、頬の白い毛がぐにゅっとおんりーの服に押し付けられていた。
チーターとうさぎ。
自然界の法則に従えば、明確な「捕食者」と「被食者」の関係である。
もしこれが野生の世界であれば、一瞬で勝負が決まるような組み合わせだ。
だが、ここには血生臭い狩りも、生き残りをかけた逃走劇も存在しない。あるのは、ただ呆れるほど平和で温かい二度寝の誘惑だけだった。
「……おらふくん。朝だよ」
おんりーは溜息をひとつ吐くと、胸の上の頭を軽く突ついた。
「んぅ……あと五分……おんりーの毛並み、あったかいから……」
「僕を毛布代わりにしないでくれる? それに今日、昼からドズル社スタジオで撮影だから」
「……えっ!? 撮影!?」
「撮影」という言葉に反応した瞬間、おらふくんの長い耳がピンと垂直に立ち上がった。
バッと跳ね起きる動きは、まさにうさぎの驚異的な跳躍力そのものである。そのままおんりーの腹を足蹴にしてソファーから飛び降りた。
「ぐふっ……」
「ごっ、ごめんおんりー! 大丈夫!?」
「……踏み台にするな……」
おんりーは腹を押さえながら顔をしかめたが、慌てふためいて耳をパタパタと揺らしているおらふくんを見ると、怒る気も失せてしまう。
おらふくんは、カジュアルなダボッとしたパーカーの袖から覗く白い手首をすり合わせながら、申し訳なさそうにペこりと頭を下げた。
「ほんまごめん! おんりーの体が暖かすぎて、ついうっかり……」
「いいよ別に。いつものことだし。それより朝ごはん食べて準備しよ」
「うん! 今日の朝は何〜?」
さっきまでの恐縮した様子はどこへやら、おらふくんはパーッと表情を輝かせた。
草食獣である彼は、基本的に野菜や果物が大好きだ。一方のおんりーは肉を好むが、同居を始めてからはお互いの好みを考慮したバランスの良い献立が定着していた。
おんりーはキッチンに向かいながら、自分の背後で揺れる長い尻尾を一度だけパタンと振った。
この、あまりにも自然で無防備な同居生活。
だが、世間や彼らのファンから見れば、この二人の関係性は「異常」の一言に尽きるらしかった。
2
朝食を済ませ、身支度を整えた二人は、ドズル社の撮影スタジオへと向かった。
『ドズル社』は、人気ゲーム『マインクラフト』を中心に活動する大人気ゲーム実況者グループだ。
リーダーのドズル、最古参のぼんじゅうる、技術担当のおおはらMEN、そして目の前で鼻歌を歌いながら歩くおらふくんと、おんりーの5人で構成されている。
メンバーは全員成人済みであり、何よりグループのモットーとして「過度な装飾や堅苦しいスタイルはなし」という方針があった。スーツなどのフォーマルな服装は一切着用せず、普段から動きやすいTシャツやパーカー、ジーンズといったラフな格好で活動している。
「おんりー、見てー! 今日のリスナーのポスト!」
電車に揺られながら、おらふくんがスマートフォンを掲げて見せてきた。
画面には、昨日投稿された動画の感想タグが並んでいる。
『昨日のおんおらも最高だった……』
『肉食獣のチーターにおねだりするうさぎのおらふくん、距離感バグりすぎてて好き』
『おんりーちゃん、おらふくんのこと絶対甘やかしてるよねw』
『おんおらてぇてぇ……』
タイムラインを埋め尽くす「おんおら」という単語。
これは、ファンが作ったおんりーとおらふくんのコンビ名だった。
「……相変わらずすごいね」
おんりーが苦笑いをもらす。
「なぁなぁ、なんでみんなこんなに盛り上がってんのかな? うち、普通におんりーと喋ってるだけやのに」
「僕らがチーターとうさぎだからでしょ。普通、うさぎはチーターの隣にいたら逃げるか固まるかするんだよ」
「えー? でも、おんりーは俺を食べたりせえへんやん」
「そりゃしないけどさ……」
おらふくんは本気で不思議そうに首をかしげている。
うさぎの獣人は本来、非常に警戒心が強く、少しの物音や気配でも耳をそばだてて逃げ出す繊細な気質を持っている。特に肉食獣に対しては本能的な恐怖を抱くのが一般的だ。
しかし、おらふくんにはその「本能的な恐怖」が、おんりーに対してだけ綺麗に抜け落ちていた。
(まあ……悪い気はしないけど)
おんりーは車内の中吊り広告に視線を移しながら、そっと心の内で呟いた。
チーターは肉食獣の中でも比較的華奢で、群れを作らず孤高を好む種族だ。鋭い足と動体視力を持つ反面、他人と深い関係を築くのは本来苦手なはずだった。
それなのに、このうさぎはズカズカと自分のパーソナルスペースに踏み込んできて、今ではすっかり当たり前のように隣にいる。
「あ、スタジオ着いたで!」
駅から少し歩いたところにある雑居ビル。その一室にあるスタジオのドアをおらふくんが勢いよく開けた。
「おはよーございまーす!」
「おはようございます」
おんりーが続いて室内に入ると、すでにデスクで作業をしていたメンバーたちが振り向いた。
「おう、おはよう! おんりー、おらふくん!」
大きな声で二人を迎えたのは、ドズル社の社長でありリーダーのドズルだ。胸板の厚い熊の獣人である彼は、赤を基調としたラフなTシャツ姿で、大らかな笑みを浮かべている。
「おはよう〜。今日も二人仲良く登校……じゃなかった、出勤ですか」
ネコ科の獣人特有のしなやかな動作でコーヒーカップを傾けているのは、ぼんじゅうるだ。使い古されたパーカーのフードを軽く被り、眠たそうな目でおんりーたちを見ている。
「二人ともおはよう!今日の企画のサーバー、設営完了してるぞ」
PC画面から目を離さずに言ったのは、オークの獣人であるおおはらMENだ。キャップを目深に被り、黙々とキーボードを叩いている。
ドズル社スタジオは、いつものように温かく、どこかゆるい空気に包まれていた。
「お、おらふくん、またおんりーの上着着てきたのか?」
ドズルが目ざとく指摘した。
おらふくんが着ているオーバーサイズの黒いパーカーは、よく見ればおんりーの私服だった。
「あ、ほんまや! 朝慌てて着てきたから、おんりーの着てた! どおりでちょっと大きいと思った〜」
「返しなよ、それ僕のなんだけど……」
「ええやん! おんりーの匂いがして落ち着くねん!」
胸を張って言い切るおらふくんに、スタジオ内にいたメンバー全員が温かい(そして少し呆れた)視線を送る。
「……出たよ、おんおら」
ぼんじゅうるがやれやれと首を振った。
「相変わらず公認のカップル並みに距離感がバグってますね」
おおはらMENが呆れつつもキーボードを叩く手を止めない。
「ははは! いいじゃない! 仲が良いのは素晴らしいことだよ! ファンも喜ぶしね!」
ドズルが豪快に笑う。
『おんおら』の関係性は、リスナーだけでなく、ドズル社のメンバー全員にとっても「公認の日常」だった。
誰も二人の距離感を異常だと責めたりしない。むしろ、チーターとうさぎという奇妙な友情を楽しそうに見守っている。
「ほらおんりー、おらふ、そろそろ今日の動画撮影始めるぞー!」
ドズルの声かけで、第1章:天敵同士の共同生活(前半)
1
朝日がカーテンの隙間から差し込み、フローリングの上に一筋の光の筋を作っていた。
東京都内の閑静な住宅街にある一軒家。ここはゲーム実況グループ『ドズル社』のメンバーであり、一味違う日常を送る二人の住処だった。
「……ん」
ソファーの上で小さく身じろぎをしたのは、チーターの獣人であるおんりーだった。
頭頂部から覗く小さな丸い耳がぴくりと動き、黄金色の瞳がゆっくりと開く。チーター特有の目元から口元にかけて伸びる黒い筋――ティアラインが、彼の涼しげな目元をより一層引き締めて見せていた。しなやかな肢体と背中に広がる斑点模様の毛並みは、陸上最速の肉食獣としての血統を雄弁に物語っている。
しかし、現在の彼は決して狩りの体制にはなかった。
なぜなら、胸元に重々しくも心地よい「重り」が乗っかっていたからだ。
「……すぅ……すぅ……」
おんりーの胸の上に突っ伏すようにして眠っているのは、雪うさぎの獣人であるおらふくんだった。
頭からは、ふんわりとした白い大きなうさぎ耳が生えている。呼吸に合わせてその耳がぴこぴこと揺れ、頬の白い毛がぐにゅっとおんりーの服に押し付けられていた。
チーターとうさぎ。
自然界の法則に従えば、明確な「捕食者」と「被食者」の関係である。
もしこれが野生の世界であれば、一瞬で勝負が決まるような組み合わせだ。
だが、ここには血生臭い狩りも、生き残りをかけた逃走劇も存在しない。あるのは、ただ呆れるほど平和で温かい二度寝の誘惑だけだった。
「……おらふくん。朝だよ」
おんりーは溜息をひとつ吐くと、胸の上の頭を軽く突ついた。
「んぅ……あと五分……おんりーの毛並み、あったかいから……」
「僕を毛布代わりにしないでくれる? それに今日、昼からドズル社スタジオで撮影だから」
「……えっ!? 撮影!?」
「撮影」という言葉に反応した瞬間、おらふくんの長い耳がピンと垂直に立ち上がった。
バッと跳ね起きる動きは、まさにうさぎの驚異的な跳躍力そのものである。そのままおんりーの腹を足蹴にしてソファーから飛び降りた。
「ぐふっ……」
「ごっ、ごめんおんりー! 大丈夫!?」
「……踏み台にするな……」
おんりーは腹を押さえながら顔をしかめたが、慌てふためいて耳をパタパタと揺らしているおらふくんを見ると、怒る気も失せてしまう。
おらふくんは、カジュアルなダボッとしたパーカーの袖から覗く白い手首をすり合わせながら、申し訳なさそうにペこりと頭を下げた。
「ほんまごめん! おんりーの体が暖かすぎて、ついうっかり……」
「いいよ別に。いつものことだし。それより朝ごはん食べて準備しよ」
「うん! 今日の朝は何〜?」
さっきまでの恐縮した様子はどこへやら、おらふくんはパーッと表情を輝かせた。
草食獣である彼は、基本的に野菜や果物が大好きだ。一方のおんりーは肉を好むが、同居を始めてからはお互いの好みを考慮したバランスの良い献立が定着していた。
おんりーはキッチンに向かいながら、自分の背後で揺れる長い尻尾を一度だけパタンと振った。
この、あまりにも自然で無防備な同居生活。
だが、世間や彼らのファンから見れば、この二人の関係性は「異常」の一言に尽きるらしかった。
2
朝食を済ませ、身支度を整えた二人は、ドズル社の撮影スタジオへと向かった。
『ドズル社』は、人気ゲーム『マインクラフト』を中心に活動する大人気ゲーム実況者グループだ。
リーダーのドズル、最古参のぼんじゅうる、技術担当のおおはらMEN、そして目の前で鼻歌を歌いながら歩くおらふくんと、おんりーの5人で構成されている。
メンバーは全員成人済みであり、何よりグループのモットーとして「過度な装飾や堅苦しいスタイルはなし」という方針があった。スーツなどのフォーマルな服装は一切着用せず、普段から動きやすいTシャツやパーカー、ジーンズといったラフな格好で活動している。
「おんりー、見てー! 今日のリスナーのポスト!」
電車に揺られながら、おらふくんがスマートフォンを掲げて見せてきた。
画面には、昨日投稿された動画の感想タグが並んでいる。
『昨日のおんおらも最高だった……』
『肉食獣のチーターにおねだりするうさぎのおらふくん、距離感バグりすぎてて好き』
『おんりーちゃん、おらふくんのこと絶対甘やかしてるよねw』
『おんおらてぇてぇ……』
タイムラインを埋め尽くす「おんおら」という単語。
これは、ファンが作ったおんりーとおらふくんのコンビ名だった。
「……相変わらずすごいね」
おんりーが苦笑いをもらす。
「なぁなぁ、なんでみんなこんなに盛り上がってんのかな? うち、普通におんりーと喋ってるだけやのに」
「僕らがチーターとうさぎだからでしょ。普通、うさぎはチーターの隣にいたら逃げるか固まるかするんだよ」
「えー? でも、おんりーはうちを食べたりせえへんやん」
「そりゃしないけどさ……」
おらふくんは本気で不思議そうに首をかしげている。
うさぎの獣人は本来、非常に警戒心が強く、少しの物音や気配でも耳をそばだてて逃げ出す繊細な気質を持っている。特に肉食獣に対しては本能的な恐怖を抱くのが一般的だ。
しかし、おらふくんにはその「本能的な恐怖」が、おんりーに対してだけ綺麗に抜け落ちていた。
(まあ……悪い気はしないけど)
おんりーは車内の中吊り広告に視線を移しながら、そっと心の内で呟いた。
チーターは肉食獣の中でも比較的華奢で、群れを作らず孤高を好む種族だ。鋭い足と動体視力を持つ反面、他人と深い関係を築くのは本来苦手なはずだった。
それなのに、このうさぎはズカズカと自分のパーソナルスペースに踏み込んできて、今ではすっかり当たり前のように隣にいる。
「あ、スタジオ着いたで!」
駅から少し歩いたところにある雑居ビル。その一室にあるスタジオのドアをおらふくんが勢いよく開けた。
「おはよーございまーす!」
「おはようございます」
おんりーが続いて室内に入ると、すでにデスクで作業をしていたメンバーたちが振り向いた。
「おう、おはよう! おんりー、おらふ!」
大きな声で二人を迎えたのは、ドズル社の社長でありリーダーのドズルだ。胸板の厚い熊の獣人である彼は、赤を基調としたラフなTシャツ姿で、大らかな笑みを浮かべている。
「おはよう〜。今日も二人仲良く登校……じゃなかった、出勤ですか」
ネコ科の獣人特有のしなやかな動作でコーヒーカップを傾けているのは、ぼんじゅうるだ。使い古されたパーカーのフードを軽く被り、眠たそうな目でおんりーたちを見ている。
「二人ともおはようございます。今日の企画のサーバー、設営完了してますよ」
PC画面から目を離さずに言ったのは、オークの獣人であるおおはらMENだ。キャップを目深に被り、黙々とキーボードを叩いている。
ドズル社スタジオは、いつものように温かく、どこかゆるい空気に包まれていた。
「お、おらふ、またおんりーの上着着てきたのか?」
ドズルが目ざとく指摘した。
おらふくんが着ているオーバーサイズの黒いパーカーは、よく見ればおんりーの私服だった。
「あ、ほんまや! 朝慌てて着てきたから、おんりーの着てた! どおりでちょっと大きいと思った〜」
「返しなよ、それ僕のなんだけど……」
「ええやん! おんりーの匂いがして落ち着くねん!」
胸を張って言い切るおらふくんに、スタジオ内にいたメンバー全員が温かい(そして少し呆れた)視線を送る。
「……出たよ、おんおら」
ぼんじゅうるがやれやれと首を振った。
「相変わらず公認のカップル並みに距離感がバグってますね」
おおはらMENが呆れつつもキーボードを叩く手を止めない。
「ははは! いいじゃない! 仲が良いのは素晴らしいことだよ! ファンも喜ぶしね!」
ドズルが豪快に笑う。
『おんおら』の関係性は、リスナーだけでなく、ドズル社のメンバー全員にとっても「公認の日常」だった。
誰も二人の距離感を異常だと責めたりしない。むしろ、チーターとうさぎという奇妙な友情を楽しそうに見守っている。
「ほらおんりー、おらふくん、そろそろ今日の動画撮影始めるぞー!」
ドズルの声かけで、メンバーたちがマイクの前に集まり始めた。
ドズル社の、そして『おんおら』のいつもの一日が、本格的に始まろうとしていた。たちがマイクの前に集まり始めた。
ドズル社の、そして『おんおら』のいつもの一日が、本格的に始まろうとしていた。
第1章:天敵同士の共同生活(後半)
3
「はーい、どうも! ドズル社でーす!」
ドズルの元気いっぱいな挨拶がスタジオ内に響き渡る。
マイクの前に並んだ5人は、それぞれのモニターに向かってヘッドセットを装着していた。
今日の企画は『マインクラフト・建築スピードバトル』。
ランダムに提示されたお題に合わせて、制限時間内にどれだけクオリティの高い建築を作れるかを競うルールだ。
「今回は、2対2のチーム戦と、僕が審査員という形でやっていきたいと思います!」
ドズルが進行を進める。
「チーム分けは事前に決めてあります! ぼん・MENチーム! そして、おんりー・おらふくんチーム!」
「よっしゃー! おんりー、よろしくなー!」
おらふくんがパーッと笑顔を咲かせ、隣のおんりーの肩をポカポカと叩く。
「おらふくん、力強いって……。よろしくね」
おんりーが苦笑しながらも、おらふくんの手に自分の手を重ねてハイタッチを交わした。
それを見たぼんじゅうるが、マイク越しにニヤニヤとした声を出す。
「ちょっとドズルさん、チーム分け偏ってません? この二人、連携完璧すぎて勝てる気しないんだけど」
「ぼんさん、言い訳は早すぎますよ」おおはらMENが冷静につっこむ。「まあでも、おんりー・おらふくんペアの安定感は異常ですからね。素材集めのスピードとおらふくんの発想力が噛み合ったら手に負えないのは確かです」
「ははは! ぼんさん、戦う前から諦めないで! 二人の『おんおらパワー』を打ち破る建築を見せてよ!」
ドズルの煽りに、スタジオ内がドッと笑いに包まれた。
ゲーム実況中の彼らの掛け合いは、長年培われた信頼関係そのものだ。
普段のゆるい雰囲気から一転、カウントダウンが始まると全員の目つきが変わる。
「ゲーム、スタート!」
ドズルの合図とともに、おんりーの指先がキーボードの上を爆速で滑り始めた。
チーターとしての卓越した動体視力と反射神経は、ゲームの操作においても如何なく発揮される。画面内のキャラクターがまるで光の粒のように素早く動き回り、瞬く間に建築に必要な素材を大量に集めていく。
「おんりー、すごっ! うち、木材集めようと思ってたらもう終わってるやん!」
「おらふくんはデザインに集中して。土台は僕が全部作っておくから」
「ほんま助かるー! じゃあうち、屋根のかわいい装飾考えるわ!」
おらふくんはおんりーの素早いフォローに応えるように、持ち前のセンスで建築のアイデアを次々と形にしていく。
うさぎの耳をぴこぴこと揺らしながら、楽しそうにブロックを積んでいくおらふくんの姿に、おんりーは視界の端で小さく口元を緩めた。
「なぁMEN……あっちのチーム、会話がスムーズすぎて怖いんだけど」
「ぼんさん、集中してください。あそこは熟年夫婦みたいな領域に入ってますから、気にしたら負けです」
「熟年夫婦って言うな!」
ぼんじゅうるとおおはらMENの軽快なやり取りを挟みつつ、建築対決は白熱していった。
4
撮影は終始大盛り上がりのまま終了し、無事に「お疲れ様でしたー!」の合掌で締めくくられた。
「いやぁ、今日も面白い動画が撮れたね!」
ヘッドセットを外したドズルが、満足そうにジュースの缶を開けた。
「おんりーとおらふくんの建築、やっぱり相性抜群だったなぁ。あの屋根のデザインはおらふくんならではだし、それを支えるおんりーのスピードが完璧だった」
「ドズルさん、ありがとうございます! おんりーが素材全部用意してくれたから、うちは作るだけでめっちゃ楽ちんでした!」
おらふくんが嬉しそうに胸を張ると、おんりーは照れくさそうに首の後ろを掻いた。
「おらふくんが指示出してくれるから、僕は集めるだけで済むんだよ。お互い様」
「はいはい、ごちそうさまです」
ぼんじゅうるがソファーに深く腰掛け、タバコ(電子タバコ)を吸いながら呆れ顔を作ってみせる。
「ほんと、君ら二人でいるときだけ空気甘くなるの何なん? リスナーが見たらまた『おんおらは尊い』って大騒ぎするぞ」
「えー? ぼんさん、そんなことないですよー? うちとおんりーは普通です!」
おらふくんは素で言っているらしく、無邪気に首を傾げた。
その無防備さに、おおはらMENがふっと息を漏らす。
「おらふくん、世間の『普通』は、肉食獣の膝の上に草食獣が乗ったりしないんですよ」
「えっ」
おらふくんはハッとしたように自分の足元を見た。
いつの間にか、彼はソファーに座るおんりーのすぐ隣に密着し、なんならおんりーの太ももに片肘を乗せて体重を預けていた。
「あっ……! ごめんおんりー! 無意識にくっついてた!」
慌てて身体を離そうとするおらふくん。その白い耳が照れくさそうにぺたんと後ろに倒れる。
だが、おんりーはおらふくんのパーカーの裾をちょんと引っ張って、離れるのを止めた。
「別にいいよ。離れなくて」
「え、でも……」
「おらふくん、離れると寒いでしょ。それに僕も、この方が落ち着くし」
おんりーは静かな声でそう言うと、背後の長い尻尾をパタンと一回振って、おらふくんの腰の後ろにそっと添えた。チーターの尻尾はおらふくんを囲むように優しく巻きつき、逃げないように(あるいは守るように)留めている。
その光景を見たドズル社メンバーの反応は、三者三様だった。
ドズルは「うーん、今日も平和だなぁ」と目を細めて笑っている。
ぼんじゅうるは「もう好きにしろ……」と諦めたように天を仰いだ。
おおはらMENは黙ってスマホを取り出し、「……今の構図、公式用スチールとして残しておきますね」と静かに写真を撮影していた。
「MEN撮らんといてー!」
おらふくんが赤い顔をして叫ぶが、おんりーの膝の上からは逃げ出そうとしない。
おんりーもまた、めんどうくさそうにしながらも、おらふくんが背もたれに倒れかかってくるのをしっかりと受け止めていた。
5
夕方になり、今日のすべての業務が終了した。
「じゃあみんな、今週もお疲れ様! 来週は大型の企画撮影もあるから、体調管理しっかりね!」
ドズルの言葉に「お疲れ様でしたー!」と全員が応え、スタジオを後にする。
外に出ると、秋の冷たい風が頬を撫でた。
「うぅ……急に寒くなってきたなぁ……」
おらふくんが両腕を抱えて身震いをする。うさぎ耳も寒さで小さく縮こまっていた。
「だから言ったでしょ。上着、僕のじゃなくて自分の厚手の着てくればよかったのに」
おんりーは自分の着ていたジャケットを脱ぐと、おらふくんの肩にふわりと掛けた。
「えっ、おんりー寒ないの!?」
「僕はチーターだから体温高いし、平気。……ほら、帰ろ」
おんりーはおらふくんの手をそっと握った。
肉食獣の大きくて暖かい手が、草食獣の冷たくなった小さな手をすっぽりと包み込む。
おらふくんはパッと顔を輝かせると、嬉しそうにおんりーの手をギュッと握り返した。
「うん! 帰ったら何食べるー? うち、温かい鍋が食べたいな!」
「いいね、鍋にしよう。野菜たくさん買って帰ろうか」
「わーい! おんりー大好き!」
無邪気に笑うおらふくんの隣を歩きながら、おんりーは静かに微笑んだ。
肉食と草食。
天敵同士のはずの二人が、こうして手を繋いで帰路につく。
ファンやメンバーが「異常だ」「公認だ」と騒ぐ理由も、分からなくはない。
(でも……これが僕たちの『普通』なんだから、これでいいんだ)
夕暮れ時の街並みの中、二つの影が仲良く並んで伸びていた。
どこまでも平和で、どこまでも温かい、彼らだけの特別な日常が続いていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第1章は以上
まぁ見たら分かると思いますけど、獣人パロになってます。ほんと申し訳ないです。
しかもところどころぼんさんが訛ってたり
変な設定入ってるんですけど…
一応見つけたら直してるんですけど、何かありましたらコメントよろしくお願いします。
こんな深夜に投稿申し訳ないです。
コメント
3件
わあ〜RINさんお久しぶりです!!受験生だったんですね、お知らせありがとうございます😭✨ 無理しないで頑張ってくださいね、待ってます! そして本編めっちゃ良かった…!!チーター×うさぎの獣人パロ、おんおら尊すぎて胸がきゅんきゅんしました…!朝の胸の上で寝てるシーンとか、尻尾で囲うとこ、マジで反則だよ〜〜😭💕 データ飛んじゃったの大変だったでしょうけど、また違う形で続き読めるの楽しみにしてます!応援してます📚🌟