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不良でも不器用な恋なら

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不良でも不器用な恋なら

2 - 名前呼び

♥

380

2025年09月16日

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教室の隅でふいに耳に入ってきた。

俺は、ノートを取りながら聞き流すつもりだったけれど、耳にこびりついて離れなかった。


猫宮、最近やけに真面目じゃね?内藤のこと狙ってんだろ

マジで?あれ、ただの遊びだって~

振られて本気になったフリで、あとで笑いもんにするつもりなんじゃね?


…バカなことを。


猫宮は黙って席を立った。何も言わずに。だけど、その顔は少しだけ強張っていた。


猫宮が最近、変わろうとしていることは確かだった。

制服をちゃんと着て、授業にも出て、昼休みも騒がずに本を読んでいる。

まるで、自分の知らない誰かみたいに。


けれど、それを見て「本気かもしれない」と思い始めていた矢先、

周りは「どうせすぐ飽きる」と、あっさり笑い飛ばす。


気づけば放課後、俺は猫宮の姿を探していた。

校舎裏に行くと、そこに彼は静かに座っていた。制服の袖をまくりながら、風に髪をなびかせている。



「あ…内藤?」



『ないこでいいよ、』



「なら、俺のことも。まろって呼んでほしい」 



『うん、わかった』



顔を上げた。その声は、少し嬉しそうで、少し戸惑っていた。



『…最近、変わったよね』



「んー、変わろうとしてる…ってのが正しいかもな?」



『どうして?』



まろは少しだけ黙ったあと、まっすぐに目を合わせた。


「もう、怖いとか、近づきたくないとか、思わせたくないんや」



『でも、みんなはまろが遊びでやってるって言ってるよ?』



「…そう、だよな」



「まぁ、今までが今までだしな。信じろってのが無理あんのは、わかっとる」



俺は何も言わず、まろの隣に座った。沈黙が少しの間流れたあと、彼が小さく呟いた。



『…まだ、全部信じられるわけじゃない。でも、見てみようとは思ってる』



いふが少し目を見開いて、それから小さく笑った。



「そっか、ありがとうな」



その日から、ふたりの距離はほんの少し、確かに近づいた。




→♡300


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コメント

1

ユーザー

不良だった青さんが恋して丸くなっててるのかわいすぎました めちゃくちゃ最高でしたありがとうございます

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