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不良でも不器用な恋なら

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不良でも不器用な恋なら

3 - 変わるのは簡単じゃない

♥

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2025年10月18日

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裏門近くのフェンスにもたれながら、イヤホンを片耳だけ入れていた。

だけど、不意に聞き覚えのある声が耳に入った。


…内藤に色目使ってるとか、ほんとウケるよな。

どんだけ必死なんだよ、猫宮


まろが顔を上げると、そこにはかつてつるんでいた連中が数人いた。

金髪にピアス、煙草の匂い。何も変わらない“いつもの奴ら”。


「俺のことはどうでもいいけど、内藤の名前を出すのはやめろよな」


まろは静かに言った。

だが、それが火に油を注ぐことになるのは、わかっていた。


お前さ、調子乗んなよ? ちょっと優等生に片想いしたくらいで、“いい子ちゃんごっこ”かよ

変わったふりしてんじゃねーよ、猫宮


次の瞬間、ひとりが殴りかかってきた。

頬に鈍い痛み。だが、まろはやり返さなかった。



「殴りたきゃ殴れ。俺はもう、くだらねぇことで拳振るわんからな」


「内藤の前で…またあんな顔、見せたくねぇから」


言葉が静かすぎて、逆に空気が止まった。


ふざけた笑いが、ひとり、またひとりと消えていく。

やがて連中は、なにも言わずその場を離れていった。


風だけが、フェンスの隙間を抜けて鳴っていた。



ゆっくりと頬を拭った。血の味がした。

悔しかった。でもそれよりも、手を出さなかった自分に、ほんの少しだけ誇りを持っていた。


「変わるって、簡単じゃねぇな……」


それでも、あの静かな瞳が、自分を見てくれた。

ほんの少しだけ近づけた気がした。


なら、この道を信じるしかない。


「もう一度、ちゃんと笑ってもらえるように…もっと、変わる」


その想いだけが、今の俺 を支えていた。


不良でも不器用な恋なら

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